あらすじ
第11話では、顔南星が「花想容」という化粧品販売と美容施術を行う店をオープンし、開店と同時に大盛況となる様子が描かれています。一方、江心白は顔南星の正体に疑念を抱きつつも深く追求せず、二人の間には微妙な空気が流れています。顔南星は、自分の正体が露呈する恐れのある画帖を取り戻すため、様々な方法で江心白に近づこうとします。その過程で、十二楽坊で江心白と偶然出会い、商別離と癸草にまつわる秘密を偶然発見します。
また、柳若騫は家の奴隷という身分から抜け出そうとしますが、偶然にも桫欏と出会います。冷たくあしらわれますが、希望を捨てずにいます。
最後に、顔南星は求人広告を出します。江心白から提案された助言はありましたが、結局、応募してきた柳若騫を断ることになります。
ネタバレ
顔南星(ガンナンシン)は「花想容(かそうよう)」という店をオープン。お茶や化粧直しができる店で、化粧品も販売し、開店初日から女性客で大盛況。密偵はこれを怪しみ、江心白(コウシンパク)に報告するが、江心白は「癸草(きそう)とは無関係」と取り合わない。姚乾書(ヨウカンショ)は顔南星との関係修復を図ろうとするが、江心白に叱責される。しかし、彼の態度は明らかに強がりだと姚乾書は見抜いていた。顔南星は商才を発揮し、高価な商品でも巧みな話術で売りさばく。
江心白に見破られた理由が分からず、顔南星は証拠となる画帖を処分しようと、彼の住所を訪ねる。屋敷には使用人が一人もおらず、何か秘密を隠していると確信する。江心白に見つかり、一戦交えるも、正体を知られると解放される。
花想容は大人気で、顔南星は客の包夫人から金吾衛(キングエイ)と総捕衙司(ソウホガシ)の不仲を聞き出す。そして、江心白に十二楽坊(じゅうにがくぼう)への招待状を送る。金吾衛御用達の場所であることを承知の上での挑発だった。顔南星は歌舞伎に扮して潜入し、辺境の民族衣装を著た女性が商別離(ショウベツリ)の目に留まっているのを目撃する。商別離が想いを寄せるのは迦耶(カヤ)だった。
衣装を著替え、舞台に上がった顔南星の前に江心白が現れる。香を使って対策を講じたが、江心白はすぐに見破る。顔南星は画帖の返却を求めるが、江心白は明日、総捕衙司へ来るよう指示する。交渉は決裂し、その最中、江心白は通りかかった歌舞伎から癸草の匂いを嗅ぎつける。二階の個室に癸草が隠されている可能性に気付く。
顔南星が皮肉を言う中、江心白は二階へ向かう。商別離はやはり、怪しい動きをしていた。対峙する二人。一触即発の雰囲気の中、顔南星は鶏を放ち、場を混乱させる。そして、商別離にお世辞を言って江心白を連れ出す。
桫欏(コウサクラ)は馬車の中で江心白と顔南星の関係について考えを巡らせていると、柳若騫(リュウジャクケン)が猫を抱えて飛び込んでくる。猫を助けようとして馬車に落ちてしまったのだ。弁償できない柳若騫は、幸運を祈る花を桫欏に贈るが、すぐに捨てられてしまう。柳若騫は奴隷の家に生まれたが、学問で身分を変えることを夢見ている。
花想容の求人募集は話題となる。江心白は顔南星に恩返しとして人探しを申し出るが、顔南星の求める人物の情報は曖昧で、若い男性ということしか分からない。柳若騫は求人に応募するが、顔南星に不採用を告げられる。
第11話の感想
第11話は、顔南星と江心白の関係性がさらに複雑に描かれており、目が離せない展開でした。顔南星が開店した「花想容」は大盛況で、彼女の商才が遺憾なく発揮されています。高価な商品でも顧客を納得させて売り切る話術は、見ていて爽快感すら覚えます。一方で、江心白に見破られたことを警戒し、画帖を処分しようとするなど、彼女の不安定な状況も浮き彫りになっています。
二人の駆け引きも白熱しています。十二楽坊での再会は、顔南星の企みを感じさせながらも、どこかコミカルな雰囲気も漂っていました。香で対策を講じるも江心白に見破られるシーンは、彼の鋭い観察眼を改めて印象付けます。鶏を放って場を混乱させるなど、顔南星の機転の良さと大胆さも際立っていました。
つづく