あらすじ

第17話は、江心白（こうしんはく）の結婚話と、それを取り巻く人間関係を中心に展開します。顔南星（がんなんせい）は江心白（こうしんはく）の何気ない一言に困惑し、彼を軽薄な人間だと誤解してしまいます。一方、江心白（こうしんはく）は裴（はい）夭夭とお見合いをすることになりますが、当日わざと人を間違えるという行動に出て、お見合いに乗り気でない様子を見せます。顔南星（がんなんせい）は二人をくっつけようとしますが、その過程で自分の本当の気持ちに気づき始めます。そんな中、桫欏（さら）は外でちょっとしたトラブルに巻き込まれますが、それをきっかけに柳若騫（りゅうじゃくけん）一家と親しくなり、心温まる家族の時間を過ごします。そして、江心白（こうしんはく）はついに裴（はい）夭夭との会話の中で、自分が好きなのは顔南星（がんなんせい）だと明かし、裴（はい）夭夭は身を引く決意をします。

ネタバレ

顔南星（がんなんせい）は、江心白（こうしんはく）の「一緒に寝よう」という言葉が引っかかっていて、真意が分からずもやもやしていた。包夫人（ほう ふじん）の言葉で、江心白（こうしんはく）を女たらしだと決めつけてしまう。客が来るたびに「寒いですか？」と尋ねるようになったが、これは彼女と小哥哥との間の合言葉だった。真相を探るため、佟賽児（とうさいじ）にも外で聞き込みを頼む。

姚乾書（ようけんしょ）からの知らせで、南霽風（なんせいふう）は南境六国へ逃亡し、河蛮（かばん）への根工作も済ませていたことが分かる。さらに、現地では江心白（こうしんはく）の結婚話が持ち上がっているという。桫欏（さら）は届いた一枚の絵を見て驚く。そこに描かれていた花嫁は顔南星（がんなんせい）ではなかったのだ。考え込んでいると、柳若騫（りゅうじゃくけん）が現れ、彼女を踊り子と勘違いしてお金を渡し、相手をさせようとする。誤解が解けると、桫欏（さら）は怒るどころか、逆に彼のパフォーマンスにお金を渡し、応援するのだった。

江心白（こうしんはく）の件で激怒した外祖父は江芷儀（こうしぎ）の元を訪れ、越江王府の跡継ぎは江家を第一に考えるべきだと釘を刺す。江心白（こうしんはく）に良い伴侶を見つけるため、江芷儀（こうしぎ）は自ら結婚相手を探し始め、婿入りも厭わないと言う。裴（はい）大人は当初難色を示したが、江芷儀（こうしぎ）の強い意誌に押し切られ、二人のお見合いを承諾する。

江芷儀（こうしぎ）はこのことを顔南星（がんなんせい）に伝え、結婚を後押ししてくれるよう頼む。顔南星（がんなんせい）は断ろうとするが、江芷儀（こうしぎ）の熱意に負け、渋々引き受ける。柳若騫（りゅうじゃくけん）と佟賽児（とうさいじ）は一緒にチラシ配りをしていたが、柳若騫（りゅうじゃくけん）はうまくこなす一方で、佟賽児（とうさいじ）はあまり成果が上がらない。

夜遅く、顔南星（がんなんせい）は野菜かごを抱えて江心白（こうしんはく）の家を訪ね、前回の食事のお礼だと伝える。時間も遅いので、夜食を作ることに。江心白（こうしんはく）は彼女の料理の腕前は普通だと思っているが、美味しそうに食べる。実は、顔南星（がんなんせい）の真の目的は、江心白（こうしんはく）にお見合いを勧めることだった。最初は断られるが、「私たちのために」という言葉で、江心白（こうしんはく）は考えを変える。

桫欏（さら）は、子供たちに木の上の凧を取ってくれと頼まれる。自分で木に登りたくなかった彼女は子供たちにお金を与えようとするが、子供たちは凧が欲しいと言う。仕方なく木に登った桫欏（さら）は足を滑らせて落下してしまうが、通りかかった柳若騫（りゅうじゃくけん）が受け止める。彼女の住まいを知らない柳若騫（りゅうじゃくけん）は、彼女を自分の家に連れて帰り休ませる。目を覚ました桫欏（さら）は帰ろうとするが、柳若騫（りゅうじゃくけん）の両親に引き止められ、食事を共にする。柳若騫（りゅうじゃくけん）一家は奴籍だが卑屈ではなく、明るく暮らしている様子に喜びを感じ、家族に溶け込む桫欏（さら）は、珍しく自分の名前を明かす。

顔南星（がんなんせい）は江心白（こうしんはく）と裴（はい）夭夭のお見合いの場所を花想容（かそうよう）に設定する。裴（はい）夭夭は念入りに身支度を整えるが、江心白（こうしんはく）はわざと包夫人（ほう ふじん）を裴（はい）夭夭と間違える。顔南星（がんなんせい）は彼を脇に引っ張って叱りつけ、裴（はい）夭夭にきちんと対応するように言う。二人は個室に通され、顔南星（がんなんせい）の未練を感じ取った佟賽児（とうさいじ）は、彼女を連れてこっそり話を聞こうとする。裴（はい）夭夭が突然しゃっくりをし、気まずい空気が流れる。好きな女性のタイプを聞かれた江心白（こうしんはく）は、外見は気にしないと冷たく答え、その後、顔南星（がんなんせい）にそっくりな女性像を語る。江心白（こうしんはく）の気持ちに気づいた裴（はい）夭夭は席を立つ。佟賽児（とうさいじ）ははっきりと見ていた。江心白（こうしんはく）が話していたのは顔南星（がんなんせい）のことだった。裴（はい）夭夭が去った直後、江芷儀（こうしぎ）が部屋に飛び込んできて江心白（こうしんはく）を問い詰める。

第17話の感想

第17話は、様々な登場人物の想いが交錯し、今後の展開がますます気になる回でした。顔南星（がんなんせい）と江心白（こうしんはく）の関係は、お互い意識しているのに素直になれないもどかしさが描かれています。「一緒に寝よう」という言葉の真意が分からず悩む顔南星（がんなんせい）は可愛らしくもあり、やきもきする様子に共感してしまいます。江心白（こうしんはく）がお見合いで顔南星（がんなんせい）にそっくりな女性像を語るシーンは、彼の本心が垣間見え、胸がキュンとしました。

一方、桫欏（さら）と柳若騫（りゅうじゃくけん）の出会いは、身分の違いを超えた温かい交流が印象的です。踊り子と勘違いされるというコミカルな展開から、柳若騫（りゅうじゃくけん）一家との心温まる触れ合いまで、桫欏（さら）の人間味あふれる一面が描かれていました。特に、普段は素性を隠している彼女が、柳若騫（りゅうじゃくけん）一家に心を開き、名前を明かすシーンは感動的でした。

また、江心白（こうしんはく）のお見合いを巡る騒動も、今後の展開を暗示しているように感じます。裴（はい）夭夭の大人な対応や、江芷儀（こうしぎ）の焦りなど、それぞれの立場や感情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。全体を通して、コメディ要素もありつつ、それぞれのキャラクターの心情が繊細に表現されており、見応えのある回でした。今後の展開がますます楽しみです。

つづく