あらすじ
第21話は、商別離と桫欏の二つの物語を中心に展開します。商別離は鼻の修復手術後、一時的には受け入れ難い容姿の変化に苦悩しますが、最終的には過去を乗り越える決意を固めます。迦耶への想いを胸に、仮面を土に埋めて過去の象徴を葬り去り、前へと進む覚悟を決めたのです。そんな彼を佟賽児はずっと陰ながら支え続け、二人の距離はさらに縮まりました。
一方、桫欏は柳若騫に尾行されていると勘違いしますが、誤解が解けた後は、彼が権力に媚びるような人間ではないことを理解し、彼の権利を守るために尽力します。彼女の正義感溢れる一面が垣間見えるエピソードでした。
また、江心白と顔南星の間にも進展がありました。江芷儀の猛仮対など、様々な困難や誤解に直面しながらも、二人は支え合い、共に乗り越えようとします。顔南星を守るため、江心白は彼女の住居の土地権利証まで用意しており、彼女への深い愛情と将来への約束が見て取れます。
ネタバレ
商別離は昏睡から目覚めると、佟賽児、顔南星、江心白、南霽風に囲まれていた。鼻が治ったと告げられるも、彼は激怒し、仮面を手放そうとしない。江心白に不満をぶつけるが、南霽風は迦耶も彼の立ち直りを願っていると諭す。部屋の外で祈る佟賽児は、商別離を英雄と信じ、どんなことがあっても寄り添うと決意する。眠れぬ夜を過ごした後、商別離は佟賽児と共に郊外へ行き、仮面を埋葬し、迦耶への想いを弔う。そして、過去を捨て、前へ進むことを決意する。
一方、翰林院で柳若騫と出会った桫欏は、彼につけられていると勘違いし、怒りを露わにする。柳若騫は翰林院の学生であり、出世のために彼女に近づいているのではないと説明する。桫欏が翰林院の祭酒だと知ったのは、彼女が倒れた日だったと話す。桫欏は、身分ではなく、いつでも味方になってくれる友人を求めていると伝える。厳碧清は柳若騫が怠けていると思い込み、奴婢の身分では出世できないと罵倒し、追い払おうとする。桫欏は柳若騫を庇い、師として学生を侮辱すべきでないと仮論する。そして、柳若騫に工賃として金を渡すが、個人的な好意ではないと強調する。
商別離は鼻は治ったものの、嗅覚はまだ戻っていなかった。顔南星への恩返しとして、行方不明の兄を探すことを約束する。街で桫欏は柳若騫と再会し、彼のおかげで工賃が上がったことを知り、謝罪する。顔南星は江心白が夜遅くまで戻らないことを心配し、仮面をつけて総捕衙司へ行く。薬の交換だけでなく、薬を煎じて持参する。江心白は苦い薬を嫌がるが、顔南星の助けを借りて飲み幹し、蜜餞をもらって苦味を和らげる。
江心白は顔南星を救った理由を説明する。かつて父親が癸草事件を捜査していた際、重要な証人を失った経験から、顔南星を失うリスクを負いたくなかったと語る。二人が帰宅すると、門が施錠されており、総捕衙司で一夜を明かすことになる。暗闇の中、顔南星は共に困難を乗り越えたいと伝え、江心白は寝たふりをするが、内心では彼女の優しさに喜びを感じている。翌朝、江芷儀は江心白の様子を見に総捕衙司を訪れ、二人が一緒に寝ているところを目撃し、激怒する。江芷儀は顔南星と二人きりになり、金で解決しようと持ちかけるが、口論となり、取っ組み合いの喧嘩に発展する。江心白と顔南星の仲裁で、ようやく事態は収拾する。
江心白は現状を分析し、このことが公になれば越江王府が顔南星を守るだろうから心配ないと語る。彼女の安全を守るため、花想容の地契を渡し、誰も彼女を追い出せないようにする。それでも不満な顔南星に、今度は彼女の住まいの地契を渡す。呆れた顔南星は、明日出ていくと言い放つ。複雑に絡み合う感情と展開を通して、登場人物たちの友情と愛情が描かれ、今後の波乱を予感させるエピソードとなっている。
第21話の感想
第21話は、様々な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。商別離の過去との決別、桫欏と柳若騫の身分差を越えた友情、そして江心白と顔南星の恋の進展と試練、それぞれの物語が丁寧に描かれていました。
特に印象的だったのは、商別離が仮面を埋葬するシーンです。迦耶への想いを断ち切り、新たな人生へと踏み出す彼の決意が、静かな力強さで表現されていました。佟賽児の献身的な愛も、彼の心を支える大きな力となっていることが感じられ、二人の絆の深さに胸を打たれました。
一方で、江心白と顔南星の関係は、コミカルな展開ながらも、互いを深く思いやる気持ちが伝わってきました。江心白が顔南星のために薬を煎じたり、地契を渡して安全を守ろうとする姿は、不器用ながらも誠実で、微笑ましいものでした。しかし、江芷儀の登場により、二人の関係は新たな局面を迎えます。江芷儀の怒りは理解できるものの、金で解決しようとする傲慢な態度は、見ていて少し不快でした。今後の展開がどうなるのか、ハラハラさせられます。
つづく