あらすじ
第二十七話は、江心白が皇帝の許可を得て、陸大人が断固として従わなかった真相を調査するため庭州へ向かうことを決意する場面から始まります。商別離は驚きを隠せないものの、それを止める術を持ちません。姉の江芷儀はこの知らせに動揺し、弟の身を案じますが、外祖父は江心白の真相究明の決意を支持します。
一方、桫欏は外姓の王ではなく女相になるという自らの志を表明し、江心白と和解します。江心白は妻の顔南星を守るため、庭州へ安心して赴けるよう、一時的に離縁することを提案します。
また、柳若騫は家計の苦しさから、鬼市で仕事を引き受けることになり、その任務先はなんと桫欏の屋敷でした。
そして、顔南星と江心白は互いを想い合う中、花想容は向かいに新しく開店した店によって新たな試練を迎えることになります。
ネタバレ
皇帝は江心白の総捕衙司への復帰を認め、事件の徹底捜査を命じたが、江心白は庭州行きを願い出た。陸大人が命を懸けて守ろうとした真相は、庭州にあると考えたからだ。皇帝はこれを許可し、商別離は驚きながらも止められなかった。江心白は危険を承知で真相究明のため庭州へ、商別離は京に残って暗躍する勢力に対処することになった。
この一件を知った江芷儀は激怒し、家中を荒らしまわった。しかし、江心白は自らこの役目を求めたこと、癸草の黒幕が父の仇であること、そして真相解明のためには庭州行きが不可欠であることを告げた。江芷儀は彼の身を案じるが、祖父は彼の決意を後押しした。江心白が翌朝出発すると聞き、江芷儀は気を失ってしまう。江心白は庭州から戻ったら桫欏と厳碧清の婚約解消に尽力すると約束し、桫欏は何か言いたげな様子を見せた後、二人きりになると、江心白に酒を勧めた。桫欏はこれまでの争いを終わりにしたいと告げ、外姓の王では民のために何もできない、自分の真の望みは女相として権力を握ることだと明かした。江心白は酔いながらも桫欏の言葉に耳を傾け、出世の道は険しく、時には心を偽り、冷酷な決断も必要になるだろうが、彼女の決意を信じると言った。
帰宅した江心白を出迎えたのは、元の姿に戻った顔南星だった。江心白は桫欏に無理やり酒を飲まされたと訴え、顔南星は呆れながらも彼を宥めた。そして、江心白は離縁状を差し出した。顔南星は驚きを隠せない。結婚してわずか二日での離縁など考えられない。しかし、これは顔南星を守るための江心白の苦肉の策だった。郡王妃の身分で彼女を守ろうとしたが、陸大人と李大人が亡くなった今、彼女の安全を案じたのだ。顔南星は同行を望んだが、江心白は越江王府を守るよう懇願し、いざという時のために離縁状を残した。翌朝、顔南星が目覚めると江心白は既に旅立っており、手紙が残されていた。河蛮で顔南星に一目惚れした彼は、一生涯彼女だけを愛すると誓うが、癸草の件が解決するまでは安心して共にいることはできないと綴られていた。
柳若騫は怪我をした父のために鬼市で仕事を見つけ、酉の刻にある屋敷の掃除を請け負った。しかし、その屋敷が桫欏の屋敷だとは知る由もなかった。一方、佟賽児は商別離の元を訪れ、嗅覚を取り戻させようと食事を作り、商別離は彼女を優しく迎えた。
遠く離れた江心白と顔南星は互いを想い合う。柳若騫は仕事と勉学に励み、慢性的な寝不足に悩まされていた。姿を消していた顔南星が突然現れ、江芷儀のために花想容へ新品を取りに行くが、白姑娘への態度は相変わらず冷淡だった。花想容の向かいに新しい店がオープンし、客を奪われていたのだ。そこに現れた客は、なんと鬼医娘だった。二人は江心白のことで口論になるが、傾国傾城という名の店の存在に気づき、争いを中断して偵察に向かった。
第27話の感想
第27話は、江心白と顔南星を中心とした登場人物たちの様々な感情が交錯する、切なくも力強いエピソードでした。江心白は愛する人を守るため、危険な庭州へと旅立ちます。真実を追い求める強い意誌と、顔南星への深い愛情が感じられ、胸を締め付けられました。離縁状を残していくという苦渋の決断は、彼の優しさであり、愛の深さを物語っています。顔南星の驚きと悲しみ、それでも彼の決意を受け入れる姿も印象的でした。
一方、桫欏は権力への野心を露わにし、新たな道を歩み始めます。これまでの江心白との確執に終止符を打ち、女相を目指すという彼女の強い決意は、今後の展開に大きな影響を与えそうです。また、柳若騫の苦労する姿や、商別離と佟賽児の心温まる交流、そして顔南星と鬼医娘の思わぬ遭遇など、様々な人間模様が描かれており、飽きさせない展開でした。
つづく