あらすじ
第37話は、逃亡中の顔南星と江心白に次々と危機が降りかかる様子を描いています。厳碧清に追われ、煙の立ち上る家に身を隠す二人。顔南星は幾日も食べておらず衰弱していました。そんな中、鬼医娘は江心白を認め、顔南星の出生の秘密を明かします。なんと、彼女の生母は鬼医娘の師姉だったのです。鬼医娘は臨終の間際に真実を顔南星に告げ、江心白に彼女の生涯の安全を託します。
姚乾書は江心白を守るために命を落とします。復讐を誓った江心白は、都への帰還を決意し、顔南星に離縁を申し出ます。その後、顔南星は一人で都に戻り、癸草の不正取引への関与を自白し、関係者を巻き込まないように努めます。牢獄で佟賽児と柳若騫に出会い、二人に生き抜くよう励まします。
ネタバレ
煙の立ち上る一軒家に、ついに顔南星と江心白を見つけ出した厳碧清一行。数日ぶりの食事に、江心白は顔南星に粥を勧める。鬼医娘もそれを認め、江心白と二人きりになる。崖洲で窮地に陥った江心白を助けたのが姚乾書だと、顔南星は聞かされる。彼はその後、江心白に付き従い、弟のように面倒を見てきたのだ。顔南星の状態も必ず回復させると約束する姚乾書。
鬼医娘は江心白への態度を軟化させ、彼を婿として認める。そして、江心白に宛てた一通の手紙を渡す。その内容は、江心白を震撼させるものだった。なんと、顔南星の母は鬼医娘の姉弟子で、鬼医娘を一人で育ててきたのだ。後に顔至忠と結婚し、顔南星を産む。癸草事件の調査のため、顔至忠は京城へ行き皇帝に報告するが、そこで命を落とす。幼い頃から病弱だった顔南星は、ある事件で村が焼き討ちにあうが、母の庇護によって一命を取り留める。以来、鬼医娘は顔南星を実の娘のように育ててきた。しかし、顔南星の両親の死には江心白の父が関わっていたため、当初鬼医娘は二人の仲を認めなかった。だが、顔南星を献身的に支える江心白の姿を見て、ついに考えを変える。永遠に顔南星を守ってほしい、それが江心白の負うべき責任だと告げ、この手紙を燃やし、顔南星には真実を隠すようにと伝える。
一方、元の顔に戻れるよう祈る顔南星。その時、鬼医娘は血を吐いて倒れる。顔南星は悲しみに暮れる。姚乾書は厳碧清たちの接近を察知し、江心白に知らせる。顔南星たちを騒ぎに巻き込まないため、江心白は姚乾書を囮にして厳碧清たちをおびき出し、一網打尽にする計画を立てる。しかし、厳碧清は偽物の姚乾書を用意し、江心白が顔を見分けられるか試していた。姚乾書の危機を察した江心白は駆けつけるが、間に合わない。姚乾書は江心白を庇って命を落とす。鬼医娘は息を引き取る前に、どんな姿になっても顔南星が分かると伝え、静かに逝く。大切な人を立て続けに失い、江心白と顔南星は深い悲しみに沈む。
江心白は顔南星に、彼女が孤児ではなく、英雄・顔至忠の娘であるという真実を伝える。その事実を知り、江心白は深い罪悪感に苛まれ、顔南星と離縁することを申し出る。そして、姚乾書の仇を討ち、顔南星の安全を守るため、京城へ戻る決意をする。顔南星はそれを受け入れ、江心白のためなら命を捨てる覚悟もできていると伝える。
五感が徐々に失われていく江心白は、事態を一刻も早く解決しなければならないと悟る。皇帝の頭痛を和らげる香料を調合する裴相は、江芷儀夫妻を密かに呼び出し、江心白を京城へ戻すよう燕青雲に説得させるのが最善策だと相談する。二人はそれを拒否し、江心白には江心白の考えがあると信じる。裴相の屋敷を出たところで、白姑娘は顔南星が癸草を使って越江王府を惑わせたと告発し、罪に陥れようとする。京城に戻った顔南星は自ら罪を認め、白魭と共に癸草を使って私腹を肥やしたと証言し、他の人間は関係ないと主張し、捕らえられる。牢獄で佟賽児と柳若騫に会い、どんなことがあっても生き延びるようにと繰り返し伝える。裴相は越江王府の封鎖を解き、事態が好転したかのように見せかける。夜、牢獄に催眠煙が焚かれ、皆が眠りに落ちる中、顔南星だけは目を覚ましている。更なる陰謀が渦巻いていることを予感させ、物語は波乱の展開を迎える。
第37話の感想
第37話は、息もつかせぬ展開で、衝撃的な出来事が次々と起こり、涙なしでは見られませんでした。特に、鬼医娘と姚乾書の死はあまりにも悲しく、顔南星と江心白が背負う運命の過酷さを改めて感じさせられました。
鬼医娘は、長年隠してきた真実を江心白に明かし、顔南星への深い愛情を示しました。最期に顔南星にかけた言葉は、彼女の無償の愛を象徴するようで、胸が締め付けられました。姚乾書もまた、江心白を守るために自らの命を犠牲にし、その忠義心に心を打たれました。二人の死は、物語に大きな影を落とし、今後の展開に暗い予兆を感じさせます。
江心白が顔南星に真実を告げるシーンも印象的でした。自分の父親が顔南星の両親の死に間接的に関わっていたという事実は、江心白にとって大きな心の傷となるでしょう。離縁を申し出た彼の苦悩と、それでも彼を支えようとする顔南星の強い意誌に、二人の深い絆を感じました。
つづく