あらすじ
第8話は、江心白が京城への癸草流入事件を調査する様子を中心に展開し、同時に彼の家族との複雑な関係を描いています。江心白は、癸草の存在が自身の地位と任務を脅かす可能性に気づき、腹心の部下を集めて対策を協議し、市場への流入阻止を図ります。
一方、顔南星は目的を果たすため京城に入り、財力を活かして情報収集を行い、鬼市が重要な情報入手場所であることを突き止めます。初めて鬼市を訪れた彼女は、その活気と神秘的な雰囲気に心を奪われます。
江心白は鬼市で調査を進める中で、偶然にも佟賽児を見つけ、気を取られてしまいます。
それと同時に、江心白は外祖父の宴席に出席し、兄弟姉妹とのやり取りを通して、彼らの間の緊張関係が明らかになります。特に、彼が爵位に全く興味を示さない態度は、妹の桫欏の不満を招きます。
最終的に、江心白は鬼市で商別離と遭遇し、今後の更なる衝突と試練を予感させます。
ネタバレ
南霽風との関係、そして義兄弟であることを重荷に感じる江心白は、癸草が都に届き、自分の正体も既に知られていることに気づきます。南霽風の目的は、江心白に皇帝の譴責を受けさせ、捜査を中断させることだと悟り、すぐさま腹心の部下を集めて対策を練ります。癸草を放った日から、この一件は失敗できない、癸草が市場に出回ることは絶対に避けなければならないと心に決めていました。
変身後の姿を記録している顔南星ですが、今のところ法則性は見つかっていません。都へ向かう馬車の中で、兄を見つけたら必ず守ると決意を新たにします。姚乾書は事あるごとに顔南星の事を江心白に尋ね、彼女を探しに行く気はないかと問いますが、江心白の表情は曇ったままでした。都から来た荷物が闇市に入り、河蛮から荷物を運んできた女は尾行されているのに気づき、十二楽坊に逃げ込みますが、金吾衛に取り囲まれてしまいます。
江心白が十二楽坊に到著すると、商別離はその女を目の前で殺してしまいます。江心白自らが出向くということは、よほど重要な案件なのだと商別離は考えますが、証拠となる女は既に息絶えており、勝ち誇ったようにその場を去ります。江心白は女が十二楽坊へ逃げ込んだ理由を考え、そこに仲間がいたのではないかと推測します。闇市は総捕衙司の管轄外であるため、踏み込めば問題になる可能性があります。江心白は一時的に部下を監視に配置し、自身は外祖父の宴に向かいます。
別荘の入り口で桫欏とすれ違いますが、江心白は気づかずに通り過ぎてしまいます。桫欏は無視されたと思い込み、腹を立てます。江心白が顔認識できないことは知る由もありません。江心白と桫欏は一卵性双生児ですが、爵位を継げるのは江芷儀。桫欏も爵位を狙っており、兄妹仲は険悪です。特に桫欏は兄である江心白を軽蔑しています。宴では、外祖父は桫欏には喜びますが、江心白にはまるで他人を見るような冷たい態度です。桫欏は愛嬌を振りまき、外祖父を上機嫌にさせます。江芷儀は江心白に、何とかして外祖父に酒を勧めるように促します。血縁なのだから、と。宴の席で、桫欏は翰林司の祭酒に任命されたことを発表し、外祖父は喜びを隠せません。
江心白は突然席を外します。姚乾書から公務の報告を受け、宴を早めに切り上げようとしますが、江芷儀は今日は外祖父の誕生日だからと引き止めます。江心白はやむを得ず癸草のことを耳打ちします。そこに商別離が現れ、江心白は彼を外祖父に紹介するふりをして、うまくその場を立ち去ります。
都に到著した顔南星は、宿屋で豪勢な食事を楽しみ、二日間部屋を取ります。そして、“お金の力”を使って店主に情報を集めさせ、情報収集には闇市が最適だと知ります。柳若騫は曹掌櫃の下で働き、今後は翰林司に勤めることになります。曹掌櫃は彼に多額の報酬を与え、これまでの出来事については口外しないように釘を刺します。
好奇心に駆られた顔南星は、活気あふれる闇市を訪れます。そこでは酒を飲む者、踊る者など、様々な人々が入り乱れています。江心白も癸草の捜査のため闇市に潜入し、桫欏はこっそりと彼らを尾行しています。江心白は輪になって踊る佟賽児に目を留め、様子を見に行こうとします。闇市の常連である商別離は、江心白が騒ぎを起こすのを待ち構えています。そうすれば、労せずして欲しいものを手に入れることができると考えています。
第8話 感想
第8話は、様々な思惑が交錯する展開に目が離せませんでした。江心白は南霽風の策略によって窮地に立たされながらも、冷静に状況を分析し、対策を練る姿が印象的でした。癸草の流出を阻止するために奔走する彼の責任感と正義感に胸を打たれました。一方で、顔盲という弱点を抱えながらも、それを悟られないように振る舞う姿には、彼の苦悩や葛藤が垣間見え、人間味を感じました。
顔南星は、変身能力という秘密を抱えながらも、兄を探すという強い意誌を持ち続けています。彼女の純粋さとひたむきな想いに心を打たれました。都という未知の場所で、持ち前の明るさと行動力で情報を集めていく姿は、今後の展開への期待を高めます。
商別離は、冷酷非情な手段で目的を達成しようとする姿が恐ろしい仮面、どこか謎めいた雰囲気を漂わせています。彼の真の目的や、江心白との関係性が気になるところです。
つづく