杜仰熙は、妻の壽華と厳子美の昔の繋がりを知り、疑念を抱く。彼は親友の柴安と範良翰に相談し、壽華の貞節を確かめたいと告げる。二人は慎重な対応を勧めるが、仰熙の不安は消えない。
一方、福慧 と康寧は夫からこの話を聞き、壽華に伝える。壽華は冷静に、やましいことはないと主張する。真相究明のため、三人の婿は協力し、下男の徳慶に厳子美の尾行をさせる。徳慶は、厳子美が昔の恋人に贈るための腕輪を作らせているのを発見する。
壽華は、若い頃に男に覗き見された記憶を思い出し、それが厳子美と関係あるのではないかと疑う。楊牙婆が下女の紹介で訪ねてくるが、壽華は彼女に警戒心を持たず、仰熙にも厳子美のことを話さないため、仰熙の疑念はさらに深まる。夜、壽華が腕輪をしているのを見た仰熙は、確信を深める。
翌日、仰熙は楊牙婆を問い詰め、楊牙婆はわざと「腕輪」を詠んだ恋文入りのハンカチを落とす。仰熙は怒り、壽華の部屋で暴れ、離縁を言い渡す。春来は酈家に知らせ、酈母は怒るが、事を荒立てずに様子を見ることにする。夜、仰熙は酈家に離縁の理由を説明しに来るが、壽華の面子を守るため、真実は話さない。柴安は何か裏があると察し、仰熙は芝居に芝居だと打ち明ける。
楊牙婆は再び壽華に近づき、厳子美との仲を取り持とうとする。相国寺の縁日、壽華は厳子美と会い、彼の求婚を受け入れるふりをして、計画の全貌を聞き出す。厳子美が得意げに仰熙を騙した方法を話しているところに、仰熙たちが現れ、厳子美は捕らえられる。
楊牙婆は厳子美と共謀していたことを白状する。全ては仰熙と壽華の計略だったのだ。壽華の名誉を守るため、厳子美を訴えることはせず、厳しく懲らしめるだけにする。酈母は事の顛末を知り、婿たちの行動に満足する。しかし、範良翰の裏切りが発覚し、酈家は騒動となる。最終的に、それぞれの妻が夫を連れ帰り、問題を解決することになった。
第12話の感想
第12話は、壽華と杜仰熙の夫婦の絆、そして家族の結束が試されるエピソードでした。一見、壽華は疑いをかけられ、追い詰められているように見えますが、実際は冷静に夫と共に巧妙な罠を仕掛け、厳子美の悪事を暴くという見事な逆転劇が描かれています。
特に印象的なのは、壽華の毅然とした態度です。夫の疑念にも動揺せず、自分の潔白を証明するために積極的に行動する姿は、彼女の賢さと強さを際立たせています。また、杜仰熙も、表面上は怒りに満ちた夫を演じながらも、内心では妻を深く信頼し、共に計画を進める冷静さを持ち合わせています。二人の息の合った演技と、互いへの信頼が、この計画を成功に導いたと言えるでしょう。
一方、脇役たちの存在も物語に深みを与えています。柴安の鋭い洞察力や、範良翰の裏切り、そして楊牙婆の狡猾さなど、それぞれのキャラクターが複雑に絡み合い、物語をよりスリリングなものにしています。特に、範良翰の裏切りは、家族内に亀裂を生じさせ、物語に緊張感をもたらしました。
つづく