簪細工の商売が繁盛する四福斎。虞家の令嬢からの大量注文を受け、酈家の姉妹は夏の納涼会に招待されます。当日、杜仰熙は壽華に金のかんざしを贈り、共に虞家へ行くことを申し出ますが、壽華は丁重に断ります。
閏月はアイロンがけで服を焦がしてしまいますが、壽華は閏月を責めるどころか、怪我がないか心配します。その優しさに閏月は感動し、壽華の外出を止めようとしますが、壽華は古著を著て妹たちと共に虞家の納涼会に出かけます。
納涼会では、虞秀萼が壽華に近づき親しくしようとします。壽華は閏月が虞秀萼の手先だと気づき、康寧をわざと遠ざけます。一方、柴安は厳子美を見つけ出し、汴京に連れ戻り、崔夫人の冤罪事件の真相を問い詰めます。厳子美は自分が強要されたのだと泣きながら訴えます。
壽華は宴会の席で、厳子美が虞秀萼の指示で動いていたことを指摘します。虞秀萼はそれを認め、さらに壽華が杜仰熙を諦めれば、もっと大きな富貴を与え、后妃の地位につけると持ちかけます。壽華は妹たちと共に憤慨して席を立ち、帰宅途中にこの出来事を皆に話します。姉妹たちは杜仰熙が虞家の財力に惑わされるのではないかと心配します。
誤解を解くため、杜仰熙は自ら虞家を訪ねます。事の真相を知った虞惟義は激怒し、虞秀萼を問い詰め、罰を与えようとします。しかし、虞夫人が駆けつけ、娘の行動を理解し支持するばかりか、杜仰熙を奪う計画まで手伝います。
翌日、杜母と酈夫人は寺に参拝に行きますが、虞夫人によって屋敷に招き入れられます。酈夫人は二人を見つけられず、慌てて杜仰熙に知らせます。杜母は虞夫人の申し出を聞こえないふりをして断りますが、虞夫人は杜母を帰らせません。侍女の桑麻がこっそり杜仰熙に知らせます。
虞家に到著した杜仰熙は、虞夫人の命令で席も茶も出されず、門外で待たされます。夜になってようやく書斎に通され、杜母と会います。杜仰熙が母を連れて帰ろうとすると、虞惟義が現れ謝罪します。虞惟義を見た杜母は動揺し、息子に早く帰るよう促します。
帰宅後、壽華は杜母の看病をし、杜仰熙は母のベッドサイドに付き添います。杜母が落ち着いて眠れない様子を見て、杜仰熙は虞家での母の異様な態度に気づき、母と虞惟義の関係を疑い始めます。翌朝、桑延讓から辺境への赴任を命じられたことを知らされ、杜仰熙は誰かの策略だと考えます。これらの出来事を通じて、杜仰熙は複雑な人間関係と迫りくる困難を強く意識します。
第16話の感想
第16話は、虞家の策略とそれを巡る人間模様が複雑に絡み合い、物語の緊張感を高めるエピソードでした。壽華たちは簪細工の商売で成功を収めますが、その裏で虞家の陰謀が渦巻いていました。虞秀萼の壽華に対する傲慢な態度は、彼女の家柄と権力への執著を強く印象付けます。杜仰熙を巡る争いは、単なる恋愛模様を超え、家族の因縁や社会的な駆け引きが絡み合い、より一層複雑さを増しています。
特に印象的だったのは、杜母と虞惟義の関係性の示唆です。虞家での杜母の動揺は、過去に何らかの繋がりがあったことを暗示しており、今後の展開に大きな影響を与えそうです。杜仰熙が辺境への赴任を命じられたことも、虞家の策略と無関係ではないでしょう。この出来事は、彼を窮地に追い込むだけでなく、壽華との関係にも影を落とす可能性があります。
つづく