桑延讓の助言を受け、杜仰熙は壽華と共に赴任地へ出発しようと決意する。しかし、かつて壽華に一目惚れした桑延讓は、杜仰熙が彼女、特に酈母を粗末に扱うのではないかと心配し、過去の想いを告白し、二人を大切にするよう念を押す。
虞惟義の屋敷に招かれた杜仰熙は、書斎の扁額にある「芳」の字が、自身の玉佩の字と酷価していることに気付く。母の言動を思い出し、疑問を抱く。その後、朝廷から将作監丞への任命と史館での勤務許可が下り、都に残れることとなる。
しかし、杜母は喜びを見せず、酈母だけが祝いの宴を準備する。だが、主役である杜仰熙は現れず、重苦しい空気が流れる。宴が終わっても姿を見せない杜仰熙に、酈母は激怒する。
帰宅途中、範良翰と柴安は杜仰熙の無礼を非難する。その時、市場で杜仰熙と虞秀萼が密会している場面を目撃する。柴安は怒り、範良翰は不吉な予感を抱く。
帰宅した杜仰熙は、寝苦しそうな壽華を慰めようとするが、躊躇する。目覚めた壽華は悪夢を語り、杜仰熙は彼女の信頼に安堵するも、将来に絶望する。
翌日、杜母は杜仰熙の欠席に激怒し、礼儀知らずだと叱責する。壽華への冷たい態度に、桑延讓は恩知らずだと非難し、絶縁を宣言する。
その後、杜仰熙は二人の女性を妾として連れ帰り、一家に波乱を巻き起こす。特に杜母は激しく仮発する。口論の末、杜仰熙は壽華を誤って傷つけ、これが離婚の決定打となる。
杜仰熙は自ら離縁状を届け、酈母の説得にも耳を貸さず、激しく罵倒される。騒動の中、杜母もショックを受け、倒れかける。
事態収拾のため、酈家は杜母に小院での生活継続を提案する。杜仰熙は母に謝罪するが、家族の絆は修復不可能となる。康寧は柴安に杜仰熙との絶縁を迫り、対立は深まる。この一連の出来事は、登場人物たちの複雑な心情を露呈し、今後の展開への伏線を張る。
第17話の感想
第17話は、杜仰熙の身勝手さと傲慢さが爆発し、物語が大きく転換する衝撃的な回でした。これまで温厚で聡明な印象だった彼が、なぜここまで豹変してしまったのか、理解に苦しみます。虞秀萼との密会、妾を迎え入れるという軽率な行動、そして壽華への冷淡な態度。一体彼の心の中で何が起こっているのでしょうか。
上昇誌向が強すぎるあまり、大切な人たちを傷つけていることに気づいていない杜仰熙の姿は、見ていて非常に辛く、もどかしい気持ちになります。特に、壽華の悪夢を聞いた後の彼の絶望は、自分の未来への不安ではなく、壽華との未来を諦めた絶望のように感じられ、より一層彼の冷酷さを際立たせています。
つづく