杜仰熙の運命を巡る物語は続く。20年前、梁家は権勢を振りかざし、虞惟義に無理やり結婚を迫った。虞惟義は抵抗したが、運命を変えることはできなかった。そして今、朝廷の要人となった虞惟義は、妻と娘を捨て、自由を求めようとする。妻は激怒し、激しい口論となり、二人の関係は悪化する。
一方、杜仰熙は母の代わりに父を責めたため投獄される。大宋の法律では、この行為は親不孝とされ、絞首刑に処される。酈家の女性たちは対策を練るが、酈娘子は壽華に杜仰熙との縁を切るよう迫る。しかし、柴安たちは杜仰熙を救うために行動を起こさなければならないと悟る。
御前で杜仰熙の件が話し合われることを知った柴安たちは、判決を変える方法を画策する。太后劉娥だけが杜仰熙を救えると考え、潘楼の宦官を通して太后に情報を伝え、特別な絵を献上する。萱草の花が描かれていないその絵は、近頃起きた重大事件を暗示するものだった。
翌日、朝廷で太后自ら杜仰熙の裁判を執り行う。沈慧照 は元の判決を維持するよう主張するが、太后は母性愛への独自の理解から杜仰熙を許そうとする。子供は生まれた時最初に「お母さん」と呼ぶと語り、母の重要性を説く。皇帝とその支持者に対抗するため、杜仰熙は桃を使った実験を巧みに行い、太後の見解を裏付ける。最終的に、太后は杜仰熙を赦免し、虞夫人は刑罰を受け、虞秀萼は貴族の身分を失い、虞惟義は名声を失墜させる。
釈放された杜仰熙は酈家に謝罪に行き、そして驚くべきことに酈家に婿入りしたいと申し出る。一同は騒然となる。しかし、桑家から既に結納の品が届いていたため、杜仰熙は婚礼を止めに向かう。桑延讓は怒り、杜仰熙を殴るが、真相を知ると誤解は解ける。桑延讓は自ら婚約を破棄し、杜仰熙と壽華の恋を成就させる。
その後、杜仰熙は馬を走らせ酈家へ行き、壽華に愛を告白し、二人は元の鞘に収まる。同時に、福慧 の出産が近づき、酈家に新たな希望をもたらす。時が流れ臘月になると、酈家の商売は繁盛するが、かつての親族からの欲深い要求や、阿蔡が「酈氏の遺腹子」だと名乗る子供を連れて現れるなど、問題も発生する。これらの試練は、酈家の結束と知恵を試すものとなる。
このエピソードは、登場人物たちが困難に立ち向かう不屈の精神、そして愛、家族、正義を前にした選択と犠牲を描いている。
第19話の感想
第19話は、まさに怒涛の展開でした。杜仰熙の窮地、虞惟義の身勝手さ、そして太后の揺るぎない母性愛、様々な感情が渦巻く見応えのあるエピソードでした。
特に印象的だったのは、杜仰熙の機転と太後の深い洞察力です。絶体絶命の状況下で、桃の実験を用いて母子の絆を論理的に説明する杜仰熙の冷静さと知恵には感服しました。また、太后は沈慧照 の主張に惑わされることなく、母親としての本能的な理解に基づき、真実にたどり著きます。この二人のやり取りは、この物語のテーマである「家族の愛」を強く印象付けるものでした。
つづく