沈慧照 は書斎で一人書類仕事に励んでいた。そこに、大奥様の指示で好徳が「大補湯」を持って現れる。好徳のそれとなく出すサインに気づかず、沈慧照 は飲む機会を逃し、仕方なく好徳が自分で飲んでしまう。すると、下女が書斎に鍵をかけ、二人は閉じ込められてしまう。真夜中、薬の効き目で体が火照る好徳のために、沈慧照 は彼女にお経を写経させた。
一方、柴安は酈娘子に付き添い宴席に出席。義母の代わりに酒を飲むが、うっかり出航の真の目的を漏らしてしまう。それを知った康寧は激怒し、柴安を部屋から追い出す。酔いを醒まそうとした柴安は、殺人現場に迷い込み、死体に躓きそうになる。突然、女が現れ「人殺し!」と叫びながら柴安の服を掴む。
一晩中、お経を写経した好徳は疲れ果て、夜明けと共に声を上げて泣き出す。鉄の心を持つ沈慧照 も心を動かされ、好徳に早く足を洗うように諭し、一年経ったら自ら相応しい夫を見つけてやると約束する。しかし、殺人容疑をかけられた柴安は牢に入れられてしまう。杜仰熙と壽華は汴京を離れており、助けを求めることができない。好徳は急いで開封府に助けを求めるが、門番に阻まれてしまう。
沈慧照 は柴安を取り調べる。厳しい尋問と四十回の鞭打ちを受け、柴安は怒りと無力感に苛まれる。好徳は沈慧照 に柴安を放すよう頼むが、拒否される。沈慧照 は、死んだ張平の妻、劉氏が柴安を酔っ払っての犯行だと訴えていると説明する。好徳はそれを信じず、義兄の潔白を証明しようと奔走する。その時、二人は交通事故に遭い、沈慧照 は好徳をかばって頭を打ち、意識を失ってしまう。
好徳は沈慧照 が目を覚ますまで献身的に看病するが、彼は記憶を失っていた。五娘の楽善は、この機に好徳を本当の沈家の娘にしようと企み、柴安の問題も同時に解決できると考える。しかし、沈慧照 が清廉潔白な役人だと知っている好徳は、彼の名声を傷つけるわけにはいかないと、自分の身分と真実を告白する。
柴安の事件の再審理で、劉氏の強い主張にも関わらず、沈慧照 は真相究明に全力を尽くす。拷問の中で、柴安は自分の名声を守るためだけに無実の人間を犠牲にする沈慧照 を罵る。そして、柴安は舌を噛み切ってしまう。しかし、これは全て劉氏と間男の王生の罪を暴くための仕組まれた芝居だった。
事件後、好徳は沈慧照 への信頼を深め、二人の仲はより親密になる。沈慧照 は好徳を褒め、好物の甘いお菓子を分け与える。好徳は今後、沈慧照 の捜査を手伝い、秘密が漏れないようにすると申し出る。沈慧照 はそれを認め、支持する。この事件は柴安の冤罪を晴らすだけでなく、沈慧照 と好徳の関係を大きく進展させたのだった。
第21話の感想
第21話は、まさに怒涛の展開でした。好徳と沈慧照 が閉じ込められるというコミカルなシーンから始まり、殺人事件、冤罪、そして衝撃の結末まで、息つく暇もないほどでした。特に、柴安の自害シーンは見ていて辛く、沈慧照 の冷徹な態度に怒りを感じました。しかし、全てが仕組まれた芝居だったと分かり、安堵すると同時に、沈慧照 の知略に感嘆しました。
このエピソードで印象的だったのは、好徳の沈慧照 への深い愛情と信頼です。記憶喪失の沈慧照 に真実を告げる場面は、彼女の誠実さと強さを改めて感じさせられました。また、沈慧照 も好徳の献身的な看病や、事件解決への協力を通して、彼女への想いを深めているように見えました。二人の関係が今後どのように発展していくのか、非常に楽しみです。
つづく