鄭素娥を牢獄に見舞いに行った好徳だが、怯える彼女から真相を聞き出せない。杜仰熙と沈慧照 は、黒幕は大物に違いないと睨み、鄭素娥を恐怖に陥れている人物を特定することが鍵だと考えた。
鄭素娥が口にした「薛」という字を手がかりに、好徳と沈慧照 は薛姓の家を回るが、該当者なし。最後に残った大理寺卿・薛光の家を訪ねると、質素な暮らしぶりに二人は疑いを薄らぐ。しかし、馬車の中から薛光を見た鄭素娥は、恐怖のあまり震え上がっていた。この様子に薛光は意味深な笑みを浮かべる。
証拠不十分のまま鄭素娥の絞首刑が決定しそうになり、好徳は焦燥する。沈慧照 は青石に密かに調査を続けさせながら、恩師である薛光への信頼を揺るがし始めていた。
一方、薛光は息子の薛嗣祖の悪行に激怒するが、薛嗣祖は仮省の色も見せず、父の清廉さを責める。そして、沈慧照 の公正さを利用し、鄭素娥への死刑判決を維持させようと薛光に頼む。
疲れ果てた好徳が沈慧照 の書斎で眠ってしまうと、彼は彼女をベッドに運ぶ。その寝顔を見つめ、複雑な感情を抱く沈慧照 。翌日、好徳は依然として鄭素娥に同情し、壽華の活躍にヒントを得て、真実に迫ろうとする。
沈慧照 は再び薛光を訪ね、鄭素娥の事件についてそれとなく言及する。秘密が露見したと悟った薛光は、沈慧照 を脅迫するが、逆に沈慧照 を失望させる結果に。沈慧照 は薛光から贈られた書物を返し、法の正義を貫く決意を示す。
沈慧照 の覚悟を悟った薛光は、保身のため、自ら息子を連れて開封府へ出頭する。同時に、好徳は鄭素娥を励まし続け、ついに薛家から暴行を受けたことを告白させる。薛嗣祖の体に残る歯形が鄭素娥の証言と一緻し、薛嗣祖は有罪、鄭素娥は無罪放免となる。
事件後、鄭素娥は故郷へ帰り、好徳から贈られた腕輪を手に新たな生活を始める。好徳と沈慧照 の仲は深まり、沈慧照 は柳ママの陰口を叱責し、追い出そうとするが、好徳のとりなしで柳ママは改心する。
その後、好徳は新任の武官・譙度と出会い、姉の瓊奴に紹介しようと考える。この様子を見た沈慧照 は誤解し、譙度に辛く当たる。青石は全てを静観していた。
第24話の感想
第24話は、沈慧照 の正義感と好徳の優しさが際立つエピソードでした。権力に屈せず真実を追求する沈慧照 の姿は、清廉潔白な官吏の鑑と言えるでしょう。特に、恩師である薛光の裏切りを知りながらも、法の正義を貫く決断には心を打たれました。薛光との対峙シーンでは、沈慧照 の葛藤と苦悩がひしひしと伝わってきて、緊迫感がありました。
一方、好徳は持ち前の優しさで鄭素娥を支え、事件解決の糸口を見つける重要な役割を果たしました。恐怖に怯える鄭素娥に寄り添い、辛抱強く真実を聞き出す彼女の姿は、まさに菩薩のような慈愛に満ちていました。また、壽華の活躍からヒントを得る機転の良さも光っていました。
二人の活躍により、悪事が明るみに出て、鄭素娥は無事に無罪放免となります。権力者の息子による卑劣な犯行が裁かれたことは、視聴者にとって大きなカタルシスとなったのではないでしょうか。
つづく