沈慧照 は譙度から鄧家と紀家の指腹為婚に関する訴訟の報告を受けます。鄧家は婚約を破棄しようとしたものの、役所の判決で結婚を強製されました。結婚生活は円満でしたが、一ヶ月前に紀氏は難産で亡くなり、鄧家はすぐに葬儀を済ませました。紀家はこの知らせを受け、娘が既に埋葬されていることを知り、侍女の阿桃は鄧家が紀氏を殺害し、証拠隠滅のために急いで埋葬したのではないかと疑います。この事件は世間で大きな騒ぎとなりました。
好徳は譙度に好意を抱き、報告中も彼に夢中で、沈慧照 はそれを快く思いません。屋敷に戻っても好徳は譙度のことを忘れられず、武状元探花の将来有望な若者だと褒め称え、沈慧照 の機嫌はますます悪くなります。一方、沈睦は太夫人に好徳を延月庵へ子宝祈願に連れて行く相談をし、許可を得ます。
沈慧照 は不機嫌なままですが、夕方、好徳が薬湯を持って書房にやってきて、譙度を気に入ったのは姉の瓊奴の婿候補として考えているからだと説明し、改めて自分の愛情を伝えます。沈慧照 は心を動かされ、好徳から贈られた玉環の帯を受け取り、二人は結ばれます。
翌日、沈慧照 は開封府で紀氏の事件を調べ、棺を開けて検視した結果、血痕だらけの棺の内壁から紀氏が生前に助けを求めていたことが分かります。激怒した沈慧照 は鄧景復とその家族の逮捕を命じます。同時に、太夫人は一族の女性たちと延月庵へ子宝祈願に行きますが、寺の僧侶たちの様子がおかしいことに気づきます。実は、沈家の一行は迷魂香で意識を失ってしまいます。危険を察知した好徳は皆に知らせようとしますが、五娘の楽善だけが逃げ出し、助けを求めます。
楽善は途中で楊羨に出会います。彼は酈家と因縁がありましたが、沈慧照 の身分を知ると助けることを決意します。延月庵では、好徳が尼僧に扮した賊に襲われそうになりますが、楊羨が駆けつけ、皆を救出します。沈慧照 も救援に向かいますが、待ち伏せに遭います。その時、譙度は沈慧照 を襲おうとしますが、失敗し、再び楊羨が現れて窮地を救います。
その後、譙度は薛光に謝罪し、沈慧照 の暗殺を命じられていたが、実行できなかったと説明します。翌日、好徳は方小娘子という女性が訪ねてきたことを知ります。彼女は沈慧照 の許嫁でした。沈慧照 は好徳の身の安全を案じ、冷たく接しますが、好徳は彼のもとを離れようとしません。
第25話の感想
第25話は、まさに怒涛の展開でした。前半は沈慧照 と好徳の仲睦まじい様子が描かれ、ようやく二人の関係が深まったことに安堵したのも束の間、後半は事件の連続で息つく暇もありませんでした。
特に印象的だったのは、紀氏の事件です。指腹為婚という古い慣習が引き起こした悲劇、そして鄧家の隠蔽工作。沈慧照 の冷静な判断と迅速な行動は、開封府尹としての彼の有能さを改めて示していました。血痕の残る棺の描写は生々しく、紀氏の無念さが伝わってきて胸が締め付けられました。
一方、延月庵での事件は、まるで別の話が始まったかのような衝撃でした。子宝祈願という喜ばしい出来事が一転、迷魂香を使った誘拐事件へと発展するとは予想外でした。好徳の機転と楽善の勇敢な行動、そして楊羨の活躍がなければ、沈家の一族は大変な事態に陥っていたでしょう。楊羨は酈家との因縁があるにも関わらず、沈慧照 を助けるという選択をしたところに彼の侠気を感じました。また、譙度の裏切りは衝撃的でした。彼が沈慧照 を襲おうとした真意は何なのか、今後の展開が気になります。
つづく