早朝、沈慧照しんけいしょう は好徳が来ないのを不満に思い、会いに行くと、好徳の態度がよそよそしいことに気づき、苛立ちます。好徳は方玉蝉ほうぎょくせんの見合いを手伝っていますが、玉婵の美貌ゆえ、彼女に釣り合う容姿の男性が見つかりません。

そんな中、仲人が城西の豪商、陸家の九郎、陸盛りくせいを紹介。彼は容姿端麗で文才にも恵まれていますが、書院で学んでいるため会えません。そこで玉婵は仲人の勧めで、盛と瓜二つの弟、十郎に会うことに。十郎の立派な体格に一目惚れした玉婵は、彼との結婚を承諾します。

夜、好徳は沈慧照しんけいしょう にこの件を話し、結婚の準備に不安を覚えていると打ち明けます。慧照は好徳に歩み寄って欲しいと願いつつ、冷淡な態度を装いますが、好徳もまた距離を置いたままで、焦りを募らせます。

玉婵の結婚式、好徳は彼女の晴れ姿に羨望の眼差しを向け、自分と慧照との関係を憂います。慧照は好徳との関係修復を望みますが、どうすれば良いか分からず、酈家の婿たちに相談します。

一方、好徳は家で退屈しており、慧照と一緒に書類仕事をする方が楽しいと感じますが、慧照を懲らしめるため、じっと我慢します。慧照は庭に花亭を設け、茶菓子を用意して好徳の機嫌を取ろうとしますが、一悶著あり、結局全てを打ち明けます。

慧照の真心に心を打たれた好徳は、自ら慧照の書斎の片付けを手伝い、二人は仲直り。しかしその夜、玉婵が陸盛りくせいを刺したという知らせが入り、沈家は騒然となります。実は、盛は顔に怪我を負っており、十郎が兄の代わりに新郎として式に臨んでいました。玉婵は盛の本当の顔を見て驚き、誤って刺してしまったのです。

陸家は騙婚の事実を否定しますが、慧照は彼らの隠蔽を責めます。玉婵は夫殺しの大罪で死刑を宣告されます。好徳は獄中の玉婵を見舞い、事情を聞きます。

玉婵の死刑が確定し、好徳は途方に暮れますが、乳母の崔媽媽がこっそり裏庭で紙を燃やしているのを見かけます。崔媽媽は誰かにそそのかされ、玉婵が婚約時に喪中だったことを好徳に明かします。好徳はすぐにこの事実を慧照と杜仰熙とようきに伝え、二人は死刑を流刑に変更します。

四福斎で、酈娘子は娘たちの幸せを喜びますが、その時、慧照が姻戚贔屓で弾劾されたという知らせが届きます。好徳は壽華じゅかに対策を相談。譙度チャオドゥーは玉婵が死ねば全て丸く収まると言い、好徳は熟慮の末、この提案を受け入れます。

一方、陸盛りくせいは重傷からなかなか目覚めません。医者の劉大夫りゅうたいふ薛光せつこうに脅され、盛の薬に毒を盛ります。好徳は玉婵に偽のマラリアにかからせ、譙度チャオドゥーに彼女を移送させようとしますが、薛光せつこうが現れ、囚人隠匿の罪で譙度チャオドゥーたちを捕らえます。

第27話の感想

第27話は、まさにジェットコースターのような展開でした。前半は沈慧照しんけいしょう と好徳夫婦のぎくしゃくした関係が修復され、ほっと一息ついたのも束の間、方玉蝉ほうぎょくせんの事件で再び沈家は騒動に巻き込まれます。

特に印象的だったのは、沈慧照しんけいしょう と好徳のやりとりです。お互いを想いながらも、素直になれない二人のもどかしさがコミカルに、そして切なく描かれていました。慧照が庭に花亭を設けるシーンは、彼女の好徳への深い愛情が感じられ、胸を打たれました。やっとのことで仲直りできた二人には、幸せになってほしいと心から願わずにはいられません。

しかし、その幸せは長くは続きませんでした。方玉蝉ほうぎょくせんの事件は、あまりにも衝撃的でした。騙婚という陸家の非道な行いも許せませんが、衝動的に陸盛りくせいを刺してしまった玉婵の行動も軽率だったと言わざるを得ません。玉婵の苦境を知り、何とか救おうとする好徳の姿には胸が締め付けられました。

つづく