薛光の悪巧みは沈慧照 によって見破られた。薛光は方玉蝉を脅し、沈慧照 と不義密通があったと偽証させ、沈慧照 を失脚させようとした。方玉蝉は沈慧照 に罪を著せ、譙度が脱獄を手助けしたとまで嘘をついた。杜仰熙は沈慧照 を弁護したが、薛光は聞き入れず、沈慧照 を厳しく罰するよう上奏すると息巻いた。沈慧照 は潔白を主張し、全ての尋問に答える覚悟を示した。
好徳はこの一件を聞き、方玉蝉の嘘を信じているふりをして騒ぎ立て、実家へ帰ると言い出した。その夜、崔媽媽は沈府の下男・茂春に方玉蝉の安否を尋ねた。しかし茂春は薛光に買収されており、崔媽媽を殺そうとしたところを捕らえられた。
翌日、薛光が開封府で沈慧照 を尋問するも、沈慧照 は皇帝に直訴し、自らこの事件の審理を続けると申し出た。方玉蝉、譙度、崔媽媽、茂春の四人が法廷に引き出された。沈慧照 は茂春が崔媽媽に方玉蝉の父の喪中を偽装させて罪を逃れさせようとしたこと、そして昨夜崔媽媽を殺そうとしたことを暴いた。崔媽媽と茂春は互いに罪をなすりつけ合い、沈慧照 は茂春を杖刑に処した。そして、譙度の背後に黒幕がいると睨み、陰で様子を見ていたことを明かした。追い詰められた譙度は薛光を非難した。
それでも薛光は無実を主張したが、陸盛が現れ、方玉蝉をかばう証言をした。これに心を動かされた方玉蝉は薛光に唆されて偽証したことを告白した。薛光は沈慧照 の策略にはめられたことに気づき、観念した。薛光は罷免され、譙度は流刑となった。
事件解決後、沈慧照 は酈家へ好徳を迎えに行ったが、五娘・楽善に邪魔をされた。しかし沈慧照 は赤い花轎を用意し、盛大に好徳を迎えに行った。街の人々は祝福の声をあげ、好徳は幼い頃に寺で出会った沈慧照 との結婚をようやく果たした。
三月二日、酈家は楽善の婚礼の準備を進めていた。相手は汴京の富商の息子・何光遠。酈夫人は彼の大人しい性格が楽善に合うと考えていた。四人の婿たちは何光遠を婿として認めた。楽善は母に送り出され、花轎に乗った。
ところが、同時に楊家の迎親隊列が通りかかり、二つの隊列が鉢合わせした。これは楊羨の策略で、楽善は何も知らずに楊家へ運ばれてしまった。花婿が酈家の仇敵・楊羨だと知った楽善は激怒し、楊羨を殴り倒した。
楊家の面々は楽善の剣幕に驚き、楊徳茂は楊羨の行動に激怒した。杜仰熙と沈慧照 の存在を考慮し、酈家が皇帝に訴えることを恐れた楊徳茂は、江朝宗に酈家と何家に使いを出し、婕妤にも報告するよう命じた。
第28話の感想
第28話は、沈慧照 の機転と策略、そして様々な人間模様が交錯する見応えのあるエピソードでした。薛光の悪巧みは巧妙に見えましたが、沈慧照 は冷静に状況を分析し、逆転の一手を打つことで、見事に薛光の陰謀を暴きました。特に、茂春を利用して崔媽媽を罠に嵌めるシーンは、沈慧照 の知略の高さが際立っていました。
一方、方玉蝉の苦悩も印象的でした。薛光に脅迫され、愛する沈慧照 を陥れるという辛い選択を迫られた彼女の心情を思うと、胸が締め付けられます。最終的には真実を語り、正義に貢献した彼女の勇気は称賛に値します。
また、好徳と沈慧照 の婚礼のシーンは、これまでの波乱万丈な道のりを経て、ようやく結ばれた二人の姿に心温まるものがありました。賑やかな祝いの様子は、見ているこちらまで幸せな気持ちにさせてくれます。
つづく