楊徳茂が娘を誘拐したという知らせを受け、酈家は慌てて楊家へ向かう。同時に、杜仰熙も何家に助けを求める。両家は皇帝に訴え、楊家の悪事を暴こうとする。酈家の女性陣が帰ろうとした時、楊徳茂一家が立ちはだかり、酈娘子と楊家の女たちは激しい口論になる。
焦る楊徳茂は酈家をなだめようとするが、楊家は裏で何家に根回しをしつつ、宮中の楊婕妤にも助けを求める。一方、何光遠の介入で、楊羨の花嫁になるはずだった顔百十娘の代わりに、楽善が何家の嫁となる。何光遠は皆の前で、楽善を顔百十娘と間違えて関係を持ったと告白。楽善は激怒し、何光遠を平手打ちする。この一件で楊羨は楽善に惹かれ、彼女を娶ると決意する。
何光遠が去った後、楊徳茂は息子の気持ちを知り、両家の縁談を提案する。楊婕妤は弟の不祥事を隠蔽するため皇帝に報告。酈家が訴えを起こそうとした矢先、皇帝からの褒美が楊家に届き、「天作之合」の額まで下賜され、楽善は仕方なく楊家に留まることに。
楊羨は父に逆らい、顔百十娘が三年前に従兄弟と駆け落ちし、生活苦で戻ってきたことを暴露する。楊徳茂は否定するが、顔家との縁談は祖父の出世のためだと楊羨は非難。楊羨は結婚を道具にする父親に仮発する。
康寧は楽善を守るため男の使用人を残す。楽善はわざと部屋に鍵をかけ、楊羨を書房に追いやる。怒った羅氏は楽善を仮省室に閉じ込める。楊羨は友人と妻への対応を相談中、楽善を悪く言う使用人たちに激怒する。楽善も家族を侮辱されたと知り、棍棒で楊羨たちを追い払い、嘲笑する若者たちを叩きのめす。
楊家に帰った楽善は再び楊羨を拒絶し、一人で酒を飲む。羅氏と楊家の娘たちが来ると、楊羨は対応する中で、楽善の強気な態度は自分を追い出すためだと気付くが、彼はその手に乗らない。夜、楊羨は楽善と同衾しようとするが、使用人が楽善の酒に薬を入れる。銀瓶は酈家の策略を阻止するため酒を入れ替えるが、楽善はそれを見抜き、さらに酒を入れ替えて楊羨を酔いつぶれさせ、くすぐりの刑に処す。
楊羨は耐えかねて、翌日、贈り物を持って楽善を酈家に送り届け、仲の良い夫婦を演じることを約束する。楽善は楊羨に自分の好みを教え、予習させる。楊羨は楽善に近づこうとするが、逆に気絶させられる。翌日、約束通り楽善と帰宅する楊羨。楽善は何を忘れたか思い出せずにいた。
第29話の感想
第29話は、楽善の機転と行動力が際立つ痛快なエピソードでした。策略をめぐらす楊家に対し、一歩も引かず、むしろ翻弄する楽善の姿は見ていて爽快です。特に、楊羨をくすぐりの刑に処す場面は、これまでの彼女の我慢や悔しさを晴らすかのような、強烈な印象を残しました。
楊家の思惑通りに事が運ばず、翻弄される楊徳茂や羅氏、そして何光遠の滑稽な姿も、物語に笑いを添えています。何光遠の軽率な行動が、結果的に楽善と楊羨を結びつける皮肉な展開は、今後の物語の行方を暗示しているようにも感じられます。
つづく