あらすじ
第三話は、柴安が酈娘子に罠を仕掛ける様子を中心に展開します。廖掌櫃の計略によって、酈娘子は古琴「氷清」が大変な価値を持つと信じ込み、大金をはたいて購入しますが、結局は騙されていたことに気づきます。真実を知った康寧は仮撃を企てます。一方、柴安は母の尼寺への寄進をめぐる誤解から、間接的に康寧と関わりを持つようになり、彼女に興味を抱き始めます。
また、梁俊卿は楊羨を唆して四福茶肆の壽華に復讐させようとしますが、楽善によって計画は阻止されます。物語は、楊羨が真珠を紛失したと偽り酈家に難癖をつけ、三娘を妾にしようと迫ることで山場を迎えます。酈家は窮地に立たされます。家族を守るため、康寧は男装してこの事態に立ち向かいます。物語は緊張感を増し、今後の展開の複雑さを予感させます。
ネタバレ
柴安は康寧への仕返しに燃え、廖掌櫃に命じて酈娘子を騙す罠を仕掛けます。廖掌櫃は「氷清」という名の古琴に30貫の予約金が入り、300貫で買い取る豪客がいると偽り、酈娘子は180貫でその琴を買い取ります。しかし、買い手は現れず、酈娘子は騙されたと気づき、泣き崩れます。
姉妹たちは酈娘子が全財産に近い180貫を使ったことを知り、廖掌櫃に詰め寄ろうとしますが、酈娘子は怒りのあまり琴を捨ててしまいます。康寧たちは琴を探しに街へ出ると、潘楼から琴の音が聞こえてきます。なんと柴安が「氷清」を弾いていたのです。柴安の策略だと気づいた康寧は復讐を誓います。
翌日、寺で柴母が祈願をしていると、康寧の指示で酈娘子が敬虔に祈りを捧げます。酈娘子は縁結びの祈願が成就したのでお礼参りに来たと話し、柴母は息子の結婚を心配していたため、酈娘子の言葉を信じ、神仙の居場所を尋ねます。一方、柴安は康寧に呼び止められ、酈娘子夫婦への幹渉や廖掌櫃を使った詐欺について問い詰められます。柴安は180貫を返しますが、30貫は警告料として差し引きます。
帰宅した柴安は、母が180貫で道観を寄進したことを知り驚きます。康寧は残りの金を返し、柴安の傲慢さを窘めます。柴安は怒るどころか、康寧に興味を持ち始めます。
梁俊卿は柴安に平手打ちされた恨みを晴らすため、楊羨という放蕩息子に壽華をからかうよう唆します。しかし、楽善が呼んだ乞食たちに囲まれ、楊羨は裸にされてしまいます。復讐心に燃える楊羨は、酈娘子が店先で客引きをしているところに因縁をつけ、騒ぎになります。康寧が止めに入りますが、柴安にも助けられます。
酈娘子は商売で稼いだお金で娘たちに飾りを買い、一家は喜びに包まれます。しかし、楊羨は真珠をなくしたと因縁をつけ、酈家を窮地に陥れます。康寧は五妹に扮して楊羨と渡り合いますが、楊羨は三娘の美しさに目をつけ、妾にすると言い出し、羅裙を奪って脅迫します。楽善は訴えようと考えますが、楊家の権勢の前には役人も動かず、三娘の名誉が傷つくことを恐れます。酈家は大きな危機に直面し、物語は緊迫の展開を迎えます。
第3話の感想
第3話は、康寧の機転と柴安の思惑が交錯するスリリングな展開が見どころでした。柴安の悪巧みで酈娘子が騙され、一家が窮地に陥る様子は見ていてハラハラさせられます。しかし、康寧は冷静に状況を分析し、柴安の策略を逆手に取って仮撃に出る姿は痛快でした。特に、寺での柴母とのやり取りは、康寧の知略が光る名シーンと言えるでしょう。
一方、柴安は康寧の賢さに感心し、興味を持つようになるなど、二人の関係性の変化も今後の展開を期待させるポイントです。単なる敵対関係ではなく、互いに認め合うような複雑な感情が芽生え始めているように感じられます。
また、梁俊卿と楊羨による壽華への嫌がらせや、楊羨の酈家への横暴など、新たな火種も生まれており、物語はますます波乱の様相を呈してきました。特に、楊羨の権力に物を言わせた卑劣な行動は、五福の娘たちの未来に暗い影を落とします。康寧たちは、この危機をどのように乗り越えていくのか、今後の展開から目が離せません。
つづく