崔謂之は美しい女性6人を集め、蓬莱の仙女だと偽り、民のために祈雨を行うと称した。しかし、楊婕妤は道観から宮廷に戻り、皇帝に崔謂之の悪行を直訴した。皇帝は激怒し、側近を呼び出した。
折淙、楊羨、楽善の三人は連絡を待っていた。ついに沈慧照 が宮廷に参内したとの知らせが届き、折淙も崔謂之を追い詰めるために動き出す。楊羨は陳孝姑を逃がす機会を作り、楽善は楊羨が事前に脱出路を用意していたことに気付く。
折淙は皇帝に崔謂之の軍資金横領を再び報告した。慣例では、府州への物資は麟府路軍馬司が輸送するが、崔家が就任してからは届いていなかった。崔謂之は言い訳をし、崔家は朝臣でありながら藩王のような存在であり、敵が多く、横領の噂は嘘だと主張した。
しかし、沈慧照 が西北地方の調査で袁清殺害事件の真相を突き止めた。袁清は死ぬ前に血書を残しており、崔家が軍資金を横領し、折家が私財で穴埋めしていたことが明らかになった。また、崔家は藩を欺き、民を虐げていたことも判明した。皇帝は沈慧照 の報告を受け、激怒し、崔謂之を処罰した。
陳孝姑は江家に逃げ帰り金塊を見つけるが、江朝宗が陶娘子を連れ帰り、金塊を自慢し、陶娘子と逃げるつもりだと話しているのを聞いてしまう。怒った陳孝姑は江朝宗を花瓶で殴り殺害し、川に遺棄した。江朝宗は夜中に幽霊のような陳孝姑を見て逃げ出したが、これは楊羨の策略だった。陳孝姑は助けられ、楊羨と楽善に許しを請い、3年間船で働くことになった。
楊羨は楽善と穏やかに暮らしたいと考え、陳孝姑を見逃した。夜、楊羨は楽善に愛を告白した。折夫人は酈娘子に謝罪し、和解した。二人は親戚になることを決めた。楽善と瓊奴はこっそり話を聞いていた。折淙は結婚に同意したが、瓊奴は何かを隠していた。
江朝宗は森から逃げようとして罠にかかり死んだ。瓊奴と折淙の結婚式が決まり、瓊奴は梁俊卿に再び遭遇し、折淙は梁俊卿を殴った。楊羨は二人の親密な様子を見て誤解し、立ち去った。瓊奴は泣き、折淙は愛を伝え、二人は抱き合った。姉妹たちは皆幸せになり、楽善はまだ楊羨を想っていた。皆は楽善をからかい、楊羨を花嫁衣装を著せて街を練り歩かせた。楊羨は酈家に婿入りし、皆は大笑いした。
酈娘子の誕生日、家族全員が集まり、祝宴が開かれた。「四福斎」の看板は「六福斎」に変わり、皆は過去を振り返り、感慨深げだった。
第36話の感想
「五福の娘たち」最終回、第36話は、これまでの伏線が回収され、それぞれのキャラクターの行く末が描かれた、感動的なエピソードでした。悪人たちは裁きを受け、善人たちは幸せを掴み、まさに勧善懲悪の結末と言えるでしょう。特に、崔謂之の悪事が明るみに出て、沈慧照 の活躍によって裁かれるシーンは、見ていてスカッとしました。これまで、崔家の横暴に苦しめられてきた人々の無念が晴らされた瞬間でした。
一方、江朝宗の最期は、自業自得とはいえ、少し残酷にも感じました。陳孝姑も、殺人を犯してしまうほど追い詰められていたとはいえ、悲しい結末でした。楊羨が彼女に更生の機会を与えたのは、彼の成長を感じさせるシーンでした。楽善への想いを胸に、より良い人間になろうとする彼の姿は、見ていて応援したくなりました。
折淙と瓊奴、そして楊羨と楽善の二組のカップルが結ばれるシーンは、とても心温まるものでした。特に、楊羨が花嫁衣装を著せられて街を練り歩かされるシーンは、コミカルで笑いを誘いました。最後は、酈家の家族全員が揃い、幸せな雰囲気で幕を閉じました。