あらすじ
第五話は、梁俊卿の潘楼での宴席における失言と不行跡を中心に展開します。範良翰の怒りと、それとは対照的な柴安の冷静沈著な対応が描かれています。柴安は巧みな計略で梁俊卿に懲らしめを与え、酈家の娘たちの名誉を守り、康寧と協力して悪事を正しました。
同時に、物語は重陽の節句の四福茶屋の賑やかな様子や、酈家の娘たちの日常風景も映し出します。十字街で火災が発生すると、柴安と範良翰は建材を買い占めて利益を得ようとしますが、思いがけず賊に誘拐された康寧と福慧 の救出劇に巻き込まれます。
無事に二人を救出した後、柴安と範良翰は酈家の姉妹をからかおうと企みます。そして最終的に、柴安は康寧に自分の気持ちを打ち明け、二人の関係に微妙な変化が生じます。これは今後の展開への伏線となっています。
ネタバレ
潘楼での酒宴で、梁俊卿は酔いに任せて酈家の娘との情事を自慢げに語り、下品な言葉を連発した。範良翰は激怒し、殴りかかろうとしたが、柴安は機転を利かせて酈家の名誉を守り、梁俊卿を追い払った。
その後、範良翰の怒りは収まらず、仕返しを考えていたが、柴安は既に策を練っていた。康寧もまた、瓊奴を侮辱した梁俊卿に怒り、懲らしめようとしていた。そこに柴安が現れ、協力を申し出た。康寧は柴安の助けを借りるため、過去のわだかまりを捨てて謝罪し、今後の計画を尋ねた。
重陽の節句の日、四福茶肆は賑わっていた。酈家の娘たちは忙しく働いていたが、五娘と四娘は退屈し、外出の許可を得た。康寧は約束通り柴安を待っていたが、現れたのは金色の玩具に興味を示す柴安だった。康寧がそれを買おうとすると、既に柴安が予約済みだった。二人は言い争いをしているうちに、梁俊卿が女性と現れた。
実はこれは柴安の仕掛けた罠だった。梁俊卿は美女に誘われ、部屋に入ると、待ち伏せしていた男たちに袋叩きにされた。康寧も柴安から棒を受け取り、梁俊卿を打ちのめした。
柴安は康寧を家まで送り、梁俊卿は片足を折っただけで命に別状はないと安心させた。梁俊卿は不倫現場を押さえられた上に、相手が妾であるため、訴えることもできない。康寧は柴安の手腕に感心し、彼に贈られた金色の玩具を受け取り、好意を抱き始めた。
瓊奴は以前の事件を引きずっていたため、壽華は心配していた。楽善は気分転換に夜市を提案したが、福慧 は街に現れた誘拐犯の噂を聞いて躊躇していた。壽華は範家に護衛をつけるよう勧めた。
その夜、火事が発生し、柴安は復興需要を見込んで、範良翰と共に資材の買い出しに出かけた。しかし、その間に康寧と福慧 が誘拐されてしまった。柴安と範良翰は急いで追跡し、犯人たちを捕らえた。
二人は酈家の姉妹を懲らしめるため、福慧 を寒空の下に一晩放置し、康寧は柴安が誘拐犯のふりをして脅かした。康寧は抵抗したが、正体が柴安だと気づき、激しく非難した。
柴安は康寧を馬に乗せて街まで送り、人目から隠れるように黒い外套をかけた。そして、康寧に、全ては彼女と少しでも長く一緒にいるためだったと告白した。康寧は柴安の優しさに心を打たれ、彼の去っていく姿を笑顔で見送った。
第5話の感想
第5話は、柴安の機転と策略、そして康寧への想いが際立つ回でした。梁俊卿への復讐劇は痛快で、特に康寧自身も復讐に加わるシーンは、彼女の抑圧された感情の発露として印象的でした。柴安の計画は用意周到で、梁俊卿の弱みを突いた見事なものでした。ただ、その後の康寧と福慧 への「いたずら」はやや行き過ぎた感も否めません。
特に福慧 を寒空の下に放置した行為は、笑えない残酷さを感じました。柴安の康寧への想いは、行動を通して強く伝わってきますが、その表現方法が少々子供っぽく、それが彼の魅力でもあり、未熟さでもあると感じました。康寧もまた、柴安の行動に翻弄されながらも、徐々に心を開いていく様子が繊細に描かれています。二人の関係性の変化は、今後の物語の展開を大きく左右しそうです。
つづく