あらすじ
第一話では、開封府で起きた殺人事件が描かれています。三品の高官である白宝震が毒殺されたのです。御猫展昭は包拯 が命じた捜査の中で、手がかりが江湖の盗賊、探雲手李栩へと繋がっていることを発見します。
一方、李栩を救おうと考えた賢い莫研は、小僧に扮して開封府に潜入しますが、展昭に見破られてしまいます。莫研は李栩の無実を信じ、宿屋で鍵となる証拠である帳簿を見つけ出します。単独で更なる証拠を探そうとしますが、最終的には展昭と協力することに。
解毒された莫研は、事件捜査への協力を願い出て包拯 に認められ、展昭の新しい相棒となります。互いに不信感を抱いていた二人は、次第に協力し合い、事件の裏に隠された陰謀を解き明かしていきます。
ネタバレ
深夜、開封府の宿場の上をカラスが鳴き交わしていた。黒装束の人物が屋根を素早く移動する中、宿場の夜警の老役人が恐ろしい事態を発見する。朝廷の高官、姑蘇製造の白宝震が部屋で死んでいたのだ。御猫展昭は包拯 の命を受け、すぐさま捜査を開始する。展昭は皇帝直属の帯刀侍衛で、容姿端麗な上に、正義感が強く曲がったことを嫌う人物だ。今回の事件は汚職に関わる大事件で、白宝震は秘密裏に開封に呼び寄せられ、捜査に協力する重要な人物だった。
検死の結果、白宝震は猛毒の五毒散によって殺害されたことが判明。機の上には遺書らしきものがあり、江湖で有名な神偷、探雲手李栩の名前が記されていた。「毒医盲剣塔皇陵、飛花探雲騙閻王」という江湖の言い伝えにあるように、李栩は盗みの腕前で五指に入る人物だ。程なくして、莫研が開封に到著する。彼女は城門で李栩の手配書を見つけ、李栩が飼っているカラスを尾行して彼の宿を見つける。莫研は蜀中六悪の一人の妹弟子で、頭が切れ、観察力に優れ、明るくおおらかな性格の持ち主だ。
宿の店員によると、三元賭坊の人間が李栩を訪ねてきたという。しかし、莫研は李栩が軽業を得意とするだけで、武術の達人ではないことを知っている。現場の状況から、彼女は李栩が拉緻されたと判断し、犯人の武術は開封府の展昭に匹敵するはずだと推測する。一方、馬漢の妻、秦薇薇は開封府の検死官を務める傍ら、皆の食事も作っていた。包拯 は皆を連れて劉侍郎の娘の結婚式に出席するが、劉小姐は展昭に想いを寄せているものの、展昭は公務に専念し、その気持ちに応えることはなかった。
李栩を救うため、莫研は料理人のふりをして開封府に潜入するが、すぐに展昭に見破られてしまう。莫研は事情を説明しようとするが、展昭は信じない。展昭は莫研を傷つけるつもりはなく、ただ捕らえようとするだけだった。武術の差は歴然で、莫研は展昭に布で手足を縛られてしまう。公堂で包拯 に身分を問われた莫研は、「蜀中第七悪神犬莫研」と名乗る。李栩も公堂に連れてこられ、最初は莫研を知らないふりをするが、莫研の挑発に乗せられ、ついに正体を明かす。莫研は李栩が嵌められたと主張し、機の上の文字は犯人が捜査を攪乱するために書いたものだと推理する。
莫研の推理を聞き、包拯 は犯人が李栩の持っている何かを欲しがっていると考え、莫研はカラスの行動から、それがまだ宿にあると判断し、宿の酒甕の中から帳簿を見つける。包拯 は李栩に誰が帳簿を盗ませたのかと問いただすが、李栩は答えない。李栩が連行された後、莫研は展昭に府衙から追い出される。諦めきれない莫研は帳簿を取り戻すため、夜に開封府に侵入し、帳簿を手に入れるが、展昭に見つかってしまう。莫研は書斎の仕掛けを使って逃げようとするが、展昭に追いつかれる。追跡の最中、莫研は高所に立つ青衣の人物を見つけ、真の黒幕だと気付く。二人は交戦するが、莫研は青衣の人物に敵わず、屋根から突き落とされる。その時、展昭が駆けつけ、莫研を救い、怪我をした彼女を府に連れ帰る。
公孫策は莫研の五毒散の毒を解毒するが、体内に別の毒が残っていることに気付く。莫研は青衣の人物の正体を暴くのに貢献したとして、衙役として捜査に参加させてほしいと申し出る。包拯 は彼女の義理堅さと鋭い洞察力を見込み、その願いを聞き入れる。莫研は牢にいる李栩を訪ね、師の教えに従い朝廷から遠ざかるように説得するが、李栩は自分の罪を償う覚悟だと答える。その後、包拯 は展昭に莫研と共に捜査を続けるよう命じる。当初は仮目し合っていた二人だが、共通の目的のため、協力せざるを得なくなる。展昭は捕吏の証である令牌を莫研に渡し、正式に相棒となる。
物語が進むにつれ、莫研と展昭は信頼関係を築き、複雑な事件を次々と解決し、背後に潜む陰謀と真実を暴いていく。彼らの物語は冒険、知恵、勇気に満ち溢れ、正義が悪に打ち勝つというテーマを描いている。
第1話 感想
「高潔なあなた」第1話は、スピーディーな展開と魅力的なキャラクター紹介で、視聴者を一気に物語の世界へ引き込みます。冒頭から謎めいた殺人事件が発生し、颯爽と登場する展昭のクールな姿はまさに「御猫」の異名にふさわしい風格。事件の鍵を握る神偷・李栩、そして彼を救おうとする莫研の登場で、物語はさらに複雑さを増していきます。
特に印象的なのは、莫研のキャラクターです。明るく快活でありながら、鋭い観察力と機転の良さで事件の真相に迫っていく姿は、今後の活躍を期待させます。型破りな彼女の行動は、時に展昭を困らせながらも、物語に良いアクセントを加えています。二人のコミカルなやり取りは、シリアスな事件との対比で、見ていて飽きさせません。
また、事件の背景には、朝廷の汚職という大きな闇が潜んでいることが示唆されており、今後の展開への期待感を高めます。白宝震の死の真相、李栩が盗んだ帳簿の内容、そして謎の青衣の人物の正体など、多くの謎が残されたまま第1話は幕を閉じます。この先、展昭和莫研がどのように事件を解き明かしていくのか、目が離せません。
つづく