あらすじ
第10話は、莫研と展昭が張風とその関連事件を捜査する過程を描いています。幼い頃、災いをもたらす星だと濡れ衣を著せられ命を落としかけた莫研は、師匠と蕭辰に救われました。今、開封府で展昭と共に汚職事件を追う彼女は、張風が事件に関わっていることを突き止めます。
同時に、女侠客・段青衣の出現は、複雑な恋愛模様を引き起こします。特に彼女と展昭の過去は、莫研の心に不安をもたらします。物語が進むにつれ、宝箱の秘密とその背後に潜む危険が明らかになっていきます。
そしてついに、緊迫した追跡劇の末、莫研、展昭たちは張風から宝箱を取り戻し、囚われた譚彰を救出しようと試みます。しかし、莫研を守るため李栩が毒に倒れ、この冒険は悲劇的な結末を迎えます。
ネタバレ
幼い頃、疫病を招いた災いの子として濡れ衣を著せられた莫研は、疫病患者と共に焼き殺されそうになる。幸いにも師匠と蕭辰に助けられるが、死毒の影響で後遺症が残ってしまう。そのため、彼女は死体を見ることができない。蕭辰はこのことを展昭に伝え、莫研を頼む。
展昭は莫研の離任届を焼き捨て、開封府に残れることを喜ぶ莫研。彼女は展昭の変化に気付く。寧晋は密旨と信物を持って現れ、皇帝から莫大な汚職事件の追跡を命じられた包拯 だが、軽挙妄動は禁物だ。展昭は皇帝の真意を読み取り、開封府が捜査中に何があっても皇帝は守ってくれないだろうと察する。莫研はなぜ皇帝が目立つ開封府に秘密裏に捜査をさせるのか理解できないが、寧晋は皇帝が包拯 だけを信頼していると説明する。
包拯 は飛鳳楼について尋ね、寧晋は張風が青袍の人物だと明言する。李栩は飛鳳楼から宝箱を持ち帰ったが、莫研は張風が李栩に危害を加えるのではないかと心配する。包拯 は自分が李栩に協力を頼んだのだと話す。寧晋は宝箱を開封府に送ろうとするが、包拯 は寧晋の屋敷の方が安全だと考え、莫研はまず張府へ行って張風に会うべきだと提案する。寧晋は包拯 に、李栩が宝箱を奪う際に張風の暗器に当たり、公孫策が治療していると伝える。
莫研と展昭は張風を見つけられず、下男から気まぐれな張風は張堯佐と親しくないこと、張堯佐が殺された夜、張風が護衛を配置転換し、蕭辰に張堯佐を殺す機会を与えたことを知る。莫研は自分と蕭辰を狙った暗殺指令は張風が出したものだと疑い、張風が張堯佐を殺したのは金銭が目的ではないかと推測する。展昭はこのことを包拯 に報告しようとするが、莫研は既に察していた。
江湖一の女侠、段青衣が開封にやってくる。莫研は段青衣の美貌に興味津々。段青衣は突然訪ねてきて、玉佩を見せながら展昭に約束を果たすよう迫る。展昭は飛鳳楼で彼女と話すために行こうとする。二人の関係に莫研は嫉妬し、開封で有名な青楼である飛鳳楼に展昭に行って欲しくない。
李栩の毒は莫研と同じで、公孫策は李栩に無理をしないよう忠告する。宝箱は刀や槍も通じず、李栩でさえ開けることができない。宝箱の製作者は李栩の宿敵、墨家の機関後継者である譚彰だろう。莫研を心配させないため、李栩は寧晋と公孫策に自分の怪我を隠すよう頼む。
莫研は展昭のために魚料理を作る。展昭が戻ると、莫研は何か言いたげにするが、寧晋が現れ、何も言えずに部屋へ戻る。寧晋と展昭は魚を取り合い、展昭は譲らない。眠れない莫研は展昭と共に飛鳳楼へ行こうとするが、展昭は拒否する。莫研は捜査のためだと主張する。莫大な財宝と交換した宝箱が紛失し、張風は激怒するが、表面上は冷静を装う。彼の冷酷なやり方を知る部下たちは怯え、宝箱は寧晋の屋敷にあるのではないかと疑う。最近、寧晋と開封府は頻繁に接触しているからだ。
飛鳳楼で展昭は張風と遭遇する。張風は展昭の来意を疑うが、鶯鶯と名乗る段青衣が展昭を助ける。段青衣の兄である譚彰は張風に捕らえられており、段青衣は譚彰の機関作りの癖から密室の場所を突き止め、展昭に譚彰の救出を依頼する。疑り深い張風は突然部屋に押し入り、展昭は段青衣を抱きしめているふりをせざるを得なくなる。この場面を莫研が目撃し、展昭と段青衣の関係を問い詰める。展昭は莫研に先に帰るよう促す。深夜に戻った展昭は莫研に事情を説明する。数年前に譚彰と段青衣に命を救われた恩があり、譚彰は段青衣の兄であるだけでなく、恋人でもあるのだ。
朝廷では六部が共同で寧晋の贅沢を弾劾し、皇帝は寧晋の屋敷を捜索するよう命じる。展昭と莫研は宝箱を移動させようとし、莫研は李栩が怪我をしていることを知る。莫研は回復した李栩に早く逃げるよう促し、李栩は莫研の成長に感慨深げだ。莫研は宝箱を持って展昭と共に道を歩いていると、張風の部下に邪魔をされ、はぐれてしまう。展昭は必死に莫研を探す。その時、莫研と宝箱は馬車で張風に連れ去られていた。展昭は地面に莫研特有の薬を見つけ、張風は莫研の計略を見破り、無駄な抵抗だと嘲笑う。寧晋と開封府は既に自分の部下によって足止めされているからだ。
空を飛ぶカラスが張風と莫研の行方を見つけ、李栩はカラスに寧晋へ手紙を届けるよう指示する。寧晋は知らせを受け取るが、御林軍に阻まれ、城を出ることができない。張風を足止めするため、李栩は馬車の前に立ちはだかる。李栩の武功は張風に及ばず、莫研は彼に逃げるよう言うが、李栩は張風と戦い始める。苦戦する李栩だったが、ついに展昭たちが到著する。展昭は張風を捕らえ、莫研は李栩の体を心配する。李栩は自分が怪我をしていないと言うが、次の瞬間、突然毒が回る。展昭は張風に解毒剤を渡すよう迫るが、暗器の毒は公孫策に解かれたため、張風は新たな毒を調合していた。狂気に満ちた張風は毒に解毒剤はないと言う。李栩の口から血が溢れ、莫研は涙を流しながら李栩に無事であるよう祈るが、李栩は莫研の手を握りながら毒に倒れる。
第10話の感想
第10話は、まさに怒涛の展開でした。李栩の死は、あまりにも突然で、衝撃的でした。彼と莫研の間に芽生え始めた愛情、そして莫研の成長を温かく見守る姿は、視聴者の心を掴んでいたはずです。だからこそ、彼の死は深い悲しみと喪失感を残しました。
張風の狡猾さと冷酷さは、物語に緊張感を与えていましたが、李栩の死によって、その悪行はより一層許しがたいものとなりました。彼の手によって大切な仲間を失った莫研や展昭たちの悲しみ、そして復讐心は、今後の物語を大きく動かすことになるでしょう。
つづく