あらすじ
第十一話は李栩の死とその後の捜査を中心に展開します。展昭は張風への怒りを抑え、大宋の律法に背くことなく処断することを避けました。李栩は臨終の間際に、包拯 に預けていた持参金を莫研に託し、彼女は深い悲しみに暮れます。包拯 は律法に従い、狗頭铡で張風を処刑しようとしますが、その前に彼から飛鳳楼の密室の地図を入手します。李栩の死後、悲しみに沈む莫研を、寧晋と展昭は慰めようとしながら、飛鳳楼を夜訪する計画を立てます。三人は見事飛鳳楼に潜入し、譚彰を見つけ、汚職事件が遼国と関係している手がかりを発見します。一方、獄中の張風は秦薇薇を人質に取り、最終的に展昭によって取り押さえられます。
ネタバレ
張風は展昭を挑発し、殺させようと企みますが、展昭は怒りながらも法を守り手を出さない。瀕死の李栩は莫研に抱かれながら、包拯 に預けた嫁入り道具の金のことを伝え、彼女の身を案じます。莫研は悲しみに暮れながらも、李栩を看取ります。展昭は慰めようとするも言葉が見つからず、二人きりになる時間を作ってやり、張風を連れ出します。
莫研は李栩を背負って開封府へ戻り、呉子楚が助けようとするも、寧晋は彼女の心情を察し製止します。府では、張風は狂人を装い尋問に応じません。包拯 は、張風が望む虎頭鍘ではなく、狗頭鍘での処刑を決定します。張風は飛鳳楼の密室の地図を描き、ついに自分の運命を受け入れます。
朝廷の役人たちは包拯 の不正捜査を弾劾しようと皇帝に謁見を求めますが、皇帝は姿を現しません。寧晋は皇帝の行動、特にそれが自分を守るためだと知り困惑します。李栩の死後、莫研は悲しみに暮れ食事も喉を通らない状態でしたが、寧晋が持ってきた蟹を何も考えずに口にします。展昭が作った鶏肉麺を前に、既に寧晋から食べ物をもらったと告げる莫研ですが、まだお腹が空いていると言います。
展昭は飛鳳楼へ夜間潜入しようとしますが、寧晋に見つかってしまいます。寧晋は同行を強く希望し、展昭は彼の安全を心配しつつも、潜入に役立つという言葉を信じ同行を許可します。出発の際、莫研も現れ、李栩の仇を討つために行動に加わると告げます。
飛鳳楼では、寧晋が酒を飲む口実で二階を貸し切り、展昭と莫研が合流できるよう手配します。段青衣は張風の地図の信憑性を疑いますが、莫研は暗花組織が張風の逮捕に仮応するはずだと主張し、時間の猶予がないことを指摘します。密室に入った一行は、迷路のような構造に戸惑い、譚彰を探すため別行動をとることにします。莫研は寧晋に護身用として若虫散を渡します。
単独行動中の寧晋は暗花の殺し屋に見つかりそうになりますが、莫研の助けで危機を脱します。段青衣は二人の殺し屋を倒し、展昭は集団の殺し屋を撃退します。展昭は張風が意図的に彼らを密室に誘い込み、始末しようとしたのではないかと疑い、暗花の背後にさらに大きな組織がいることに気づきます。衰弱した譚彰を発見し、一行は一つの部屋に隠れます。石室が崩壊する寸前、盗まれた金と遼国との関係を示す手がかりを見つけます。最後は、展昭の導きで全員無事に密室から脱出します。
回復した譚彰が宝箱を開けると、中には痛みを麻痺させ興奮作用のある見仙石が入っていました。同時に、獄中の張風は死を装い、検死官の秦薇薇を人質に取ります。展昭は張風と交渉を試みますが、張風はますます狂気に走り、秦薇薇を傷つけようと脅します。この緊迫した状況で、物語は次の展開を待ち望む観客を息を呑ませる cliffhanger で終わります。
第11話の感想
第11話は、息もつかせぬ展開で、まさに手に汗握るエピソードでした。李栩の死という悲劇から始まり、張風の狡猾な罠、そして飛鳳楼でのスリリングな攻防戦と、様々な要素が詰め込まれていました。
特に印象的だったのは、莫研の変わり様です。愛する五哥を失った悲しみを乗り越え、仇を討つために自ら危険な任務に身を投じる彼女の強い意誌には心を打たれました。以前の彼女からは想像もつかない凛とした表情と、復讐心と正義感の間で揺れ動く複雑な心情が繊細に描かれており、今後の彼女の動向がますます気になります。
また、展昭の冷静な判断力と武術の腕前、そして寧晋の機転と仲間を思う気持ちも、物語を盛り上げる重要な要素となっていました。特に寧晋は、コミカルな一面を見せながらも、いざという時には頼りになる存在として、展昭や莫研をサポートしていました。
つづく