あらすじ
第12話は、展昭が張風の死によって心に葛藤を抱える様子を描いています。張風を自ら手にかけたものの、展昭は法に基づいて裁かれるべきだと考えていました。一方、馬漢は秦薇薇の死に深い悲しみを覚えています。
包拯 は皇命に背いて捜査を続けたため、官職を剥奪され、収賄事件の証拠の提出を命じられます。展昭もまた、その影響で官職を失い、捕縛されてしまいます。それでも莫研は事件の真相を究明しようと決意し、幾多の困難にも屈することなく捜査を続けます。
皇后的誕生日、皇帝は包拯 の行動に不快感を示しますが、包拯 は証拠の提出を拒否します。展昭は莫研に、自分が帯刀侍衛になった理由を語り、問題を解決するには規則に従うことが重要だと諭します。
その後、莫研と展昭は「見仙石」を使って犯人を誘き出そうと試み、ついに龐太師が黒幕であることを突き止めます。しかし、龐太師は巧妙に捜査の手を逃れ、見仙石を砕いて自らの関与を隠蔽しようとします。
最後に、段青衣夫妻のからかいによって、展昭と莫研の関係はさらに微妙なものになります。二人は龐太師の秘密を暴くため、引き続き協力していくことを決意します。
ネタバレ
張風が展昭の一刀に倒れ、同時に秦薇薇も張風が持っていた陶器の破片で動脈を切り裂かれ命を落とす。息を引き取る間際、秦薇薇は馬漢への想いを口にし、牢獄の馬漢は深い悲しみに暮れる。二人の遺体を見た莫研は気を失い、展昭は一晩中付き添う。張風の死で展昭が苦悩するのではと心配する莫研に対し、展昭はたとえ張風がどんなに悪人でも、裁きは宋の法律に従うべきだと語る。
朝廷の大臣たちは一斉に包拯 を弾劾し、寧晋は皇帝の聖旨を携え開封府へ。包拯 は三司戸副使に降格、汚職事件の証拠品提出を命じられる。展昭も四品帯刀侍衛を解任され、開封府の牢獄へ。納得のいかない莫研は皇帝に直訴しようとするが、包拯 は張風の死で汚職事件の手がかりが途絶えたのは自分たちの責任だと諭し、自ら皇帝に面会することを決意する。
皇后的誕生日に、皇帝は事を荒立てまいと、官服を差し出し降格を受け入れる包拯 の申し出を認め、証拠品を刑部に提出するよう命じる。食事の支度をする馬漢は秦薇薇との思い出に涙し、それを見つめる莫研。展昭は聖旨には問題ないと莫研を慰め、役人の規律に従う大切さを説き、自らが侠客から帯刀侍衛になった経緯、そして役人として正義を貫く決意を語る。
寧晋が証拠品を受け取りに来た際、莫研は見仙石を残し、これを囮に黒幕を誘き出す策を講じる。馬漢が見仙石を持ち出し、莫研が密かに護衛するが、途中で何者かに襲撃される。駆けつけた展昭と共に犯人を追跡し、辿り著いた染物工場で、二人は数人の武芸者を発見。激しい戦いの末、一人の頭目を捕らえ、白衣閣にいる黒幕の元へ案内させる。展昭は出発前に段青衣に状況を伝える書き置きを残す。
知らせを受けた包拯 は直ちに白衣閣へ。そこで黒幕が龐太師であることが判明する。龐太師は見仙石を差し出し、関与を否定するが、皆は彼の指にはめた翡翠の指輪に気付く。見仙石を砕いた龐太師は悠然と立ち去り、追いかける莫研は疲労の果てに倒れる。
包拯 は、皇帝と共謀して芝居を打ち、真の黒幕を炙り出す計画だったことを莫研に明かす。一方、龐太師は遼の使節に趙渝公主との縁談を持ちかけ、騒動を隠蔽しようと画策。趙渝は宮廷から逃亡し、展昭は彼女の捜索を命じられる。
最後に、秦薇薇の霊前で、莫研は優秀な捕吏になることを誓う。旅立ちを控えた段青衣夫妻。段青衣は展昭の莫研への想いに気付き、その縁を大切にするよう促す。砕けた見仙石を繋ぎ合わせる莫研は、石の中が空洞になっていることに気付き、龐太師が何かを隠していたのではと推測する。この発見が、今後の展開を暗示する。
第12話の感想
第12話は、衝撃的な展開と登場人物たちの悲しみ、そして新たな謎が提示されるなど、非常に盛りだくさんな内容でした。張風と秦薇薇の死は、物語に大きな影を落とし、特に馬漢の悲痛な様子は胸を締め付けられました。愛する人の突然の死を受け入れなければならない彼の苦悩は、見ているこちらも辛い気持ちになりました。
また、展昭の正義感と冷静な判断力は、今回も際立っていました。張風を殺めてしまったことへの葛藤を抱えながらも、法に則って裁かれるべきだとする彼の態度は、まさに「高潔」という言葉がぴったりです。そして、莫研を守る姿や、段青衣への報告など、細やかな配慮も印象的でした。
一方、包拯 は、皇帝との連携プレーで黒幕を追い詰めるという、老獪な一面を見せました。一見すると不利な状況に追い込まれたように見えましたが、全ては計算の内だったという展開は、さすが包拯 と言えるでしょう。龐太師の悪事も徐々に明らかになり、今後の対決がますます楽しみです。
つづく