あらすじ
第十四話では、主に展昭が自ら趙渝の出塞護送を申し出て、遼国に留まり汚職事件の捜査を続けることを決意する様子が描かれています。趙渝は皇帝に展昭を遼国に留まらせてほしいと願い出て、皇帝はその願いを聞き入れます。展昭は莫研に自分が塞外に永住する可能性があると告げますが、楽観的な莫研は同行を申し出ます。しかし、展昭は彼女の安全を案じてその申し出を断ります。その後、寧晋は展昭が孤独にならないよう、縁談を持ちかけますが、見合いの席で莫研が遼国の娘に扮して展昭の真意を確かめたことで、二人の想いはより深まります。最終的に、莫研は困難をものともせず、展昭と共に遼国へ行く決意を表明します。同時に、寧晋も趙渝の出塞護送を自ら申し出て、成長した一面を見せます。包拯 は展昭に龐太師に気を付けるよう忠告し、彼への心配と気遣いを示します。
ネタバレ
展昭は朝廷で、趙渝公主の送迎を願い出た。そこに趙渝も現れ、展昭に遼国に残って欲しいと懇願する。皇上は趙渝の願いを聞き入れた。開封府では、包拯 は展昭の遼行きを承諾。公孫策は遼の潜入捜査員・海東青への連絡を提案し、包拯 は海東青自身に判断を委ねることにした。
展昭は七葉槐花を公孫策に託し、莫研のための薬を頼む。そして、遼行きを莫研に伝えるよう公孫策に頼んだ。包拯 は海東青のことを展昭に簡潔に説明した。展昭は莫研に、遼に永住する可能性があると告げる。莫研は一緒に遼へ行きたいと申し出た。莫研は包拯 の許可を得られるか心配するが、展昭は待つように言った。
翌日、莫研は包拯 から持参金を受け取った。包拯 は莫研の想う人が寧晋だと勘違いするが、莫研は否定するも、本当の想い人は明かさなかった。莫研は持参金の多さに喜び、就寝した。展昭は莫研と話そうとするが、部屋の灯りが消えていたので諦め、蕭辰との会話を思い出しながら、庭で夜を明かした。
翌朝、莫研は庭で剣を振るう展昭を見つけ、持参金で未来の生活を夢見る。展昭は包拯 が遼行きを許可したと伝えるが、自分は仮対だと告げる。理由を問う莫研に、武芸が弱く向こう見ずな莫研は役に立たないと説明する。莫研は展昭が自分を避けていると思い込み、怒って部屋に戻った。
莫研は寧晋に趙渝への口添えを頼むが、寧晋は趙渝が承諾するとは思えず、遼の使節団の娘との縁談を持ち出す。莫研は仮対するが、寧晋は展昭が縁談を受けるか賭けようと提案する。莫研は展昭の気持ちを知りたいと思い、賭けに乗ることにした。
昼食時、展昭は寧晋に呼び出され、莫研はこっそり後をつける。寧晋は展昭に遼の奶茶を振る舞い、縁談の話を持ち出すが、展昭は断る。寧晋は既に承諾したと嘘をつき、展昭は寧晋の面子を立て、縁談に応じることにした。展昭は莫研に説明しようとするが、莫研は会おうとしなかった。
縁談の相手が待つ庭で、莫研は自分も縁談相手だと悪戯を仕掛け、二人は姉妹になると言う。相手は腹痛を装って去った。莫研はベールで顔を隠し、展昭と縁談の席に著く。展昭は相手を断り、想う人は莫研だと明かす。莫研は喜びを隠せない。
その後、莫研は展昭への態度を和らげる。花灯祭の日、展昭は莫研を誘うが、莫研は親知らずが腫れて外出できない。展昭は莫研にベールを買って来る。ベールをつけた莫研と展昭は水辺で花火を見物する。展昭は公孫策が調合した薬を莫研に渡す。莫研は展昭と一緒にいたいと願望を伝える。展昭は莫研が白い幕の後ろにいた女性だと気づき、莫研は遼に連れて行って欲しいと懇願する。展昭は莫研の想いを確かめ、額にキスをする。莫研はベール越しに展昭の頬にキスをした。二人は趙渝の婚礼後、結婚することを約束した。
寧晋は莫研の遼行きを知り、趙渝のことを考え、自らも送迎を願い出る。皇上は寧晋の成長を喜んだ。出発前、包拯 は展昭に龐太師に気を付けるよう忠告する。一行は遼国国境近くの覇州に到著した。覇州知府の李戸は龐太師の娘婿だった。皇命により、龐夫人は趙渝に遼の礼儀作法を教えることになった。趙渝は礼儀作法を学ぶ気がなく、食事にも文句を言う。展昭は莫研と巡察に出かけ、趙渝の機嫌を損ねてしまう。
趙渝は龐夫人に礼儀作法を習いに行くが、龐夫人は趙渝に媚びへつらう。趙渝は李戸の出世の力添えはできないと告げる。龐夫人は自分と趙渝の境遇が価ていると語る。物語は複雑に展開し、今後の試練とチャンスを予感させる。
第14話の感想
第14話は、展昭と莫研のロマンスが大きく進展する一方で、遼国への旅立ちを前に、様々な陰謀の影がちらつき始める、波乱を予感させるエピソードでした。
特に印象的だったのは、展昭と莫研の互いを想う気持ちの表現です。口下手な展昭が、不器用ながらも莫研への愛情を少しずつ示していく様子が丁寧に描かれており、見ているこちらも温かい気持ちになりました。莫研の、展昭のためならどこへでも行くという強い意誌も、二人の絆の深さを物語っています。親知らずで顔が腫れてしまうというコミカルなハプニングも、二人の微笑ましいやりとりに花を添えていました。ベール越しのキスシーンは、二人の純粋な愛情が表現されていて、とてもロマンチックでした。
しかし、甘い雰囲気だけではありません。遼国へ向かう一行には、数々の困難が待ち受けていることが示唆されています。包拯 が展昭に龐太師への警戒を促すシーンや、趙渝のわがままな振る舞い、そして龐夫人と趙渝の会話からは、今後の展開における不穏な空気が漂います。特に、龐夫人が趙渝に語った「私たちの運命は価ている」という言葉は、今後の物語に大きな影響を与えそうな予感がします。
つづく