あらすじ
第二話は、開封府に新しくやってきた莫研の体験と、展昭とのやり取りを中心に展開します。
莫研は事件捜査への参加を希望しますが、衙門の規則を暗記しておらず、街の巡回任務もこなしていないことから、展昭に拒否され、罰として清掃作業を命じられます。
しかし、清掃中にも莫研は持ち前の聡明さを発揮します。展昭が墓地に行っていたことを見抜き、さらに捜査を進める中で重要な手がかりを発見し、青袍の人物が李栩に罪をなすりつけようとしている真相を推理します。
事件への莫研の熱意と執着心に対し、展昭は多少の保留を持ちながらも、一定の信頼を寄せます。
同時に、物語は呉子楚の背後に隠された陰謀と、李栩の事件への影響を明らかにします。
最終的に、莫研の誠実な願いを受け、展昭は彼女の令牌を回収せず、今後の展開への伏線を残しました。
ネタバレ
冒頭、内廷侍衛の呉子楚が、後ろ姿しか見えない男に跪き、報告している。男は呉子楚に機を見て行動するように命じ、特に展昭に気を付けるよう警告する。展昭は智謀に長け、武芸の達人であるという。
一方、開封府では、秦薇薇が新人の莫研に府の案内をしていた。莫研は奥にある空き部屋を与えられ、掃除を終えると腹が減っていた。ちょうど昼時で、配膳を受け取った莫研は、展昭のテーブルにだけ空席があることに気づき、遠慮がちに一人で食事を始める。すると、展昭が相席を勧める。
食事中、展昭は王朝や馬漢たちと事件について話し合っている。莫研は捜査に参加したいと希望するが、展昭は彼女に衙門の規則を暗記し、三ヶ月の見回りの任務を果たす必要があると告げる。不満を抱いた莫研は裏口からこっそり抜け出そうとするが、すぐに展昭に見つかってしまう。諦めずに今度は塀を乗り越えようとするも、またしても展昭に捕まる。罰として、展昭は莫研に規則の暗記に加え、清掃の任務も命じる。掃除中、莫研は展昭の衣服の香りや靴の泥に気づき、彼が墓地へ墓参りに行っていたことを見抜く。職務怠慢だと皮肉る莫研に対し、展昭は彼女を書房へ連れて行く。
莫研の根気を試すため、展昭は衙門の規則を十回書き写すよう命じ、書き終わるまで食事は禁止だと告げる。最初は不満げな莫研だったが、捜査に参加するためには仕方がないと、渋々従う。しかし、数行書いたところで眠ってしまう。その時、呉子楚が皇帝の勅命を伝えに来る。李栩を刑部に移送し、事件を刑部に引き渡せという内容だった。包拯 は汚職事件の真相が解明されていないうちに移送すべきではないと考えるが、意外にも莫研は呉子楚の意見に賛同する。展昭は莫研を追い出そうとするが、呉子楚に阻まれる。莫研は正式な勅書があるのか尋ね、数日後になると聞くと、勅書が届いてから行動すべきだと提案する。この一連の出来事で、包拯 は莫研を見直す。
その後、莫研は展昭と共に宿屋へ調査に向かう。役人の非協力的な態度に、莫研は彼が呉服屋の女主人と関係があることを見抜き、協力を促す。現場を注意深く観察した二人は、李栩が残したと思われる痕跡と、白宝震が生前頻繁に手紙のやり取りをしていた証拠を発見する。さらに、莫研は空の仕掛け箱を見つけ、青衣の男が白宝震を殺害し、李栩に罪をなすりつけようとしたのだと推理する。李栩を守るため、莫研は展昭に彼の釈放を求めるが、展昭は捕吏としての任務を優先し、莫研の捜査参加を認めず、中庭の掃除を命じる。
掃除中、莫研は偶然死体を見つけ、恐怖で叫び声をあげる。幸い、展昭がすぐに駆けつけ、悪夢だと慰める。秦薇薇が温かいスープを差し入れ、展昭は白宝震の娘のものと思われる香袋を莫研に渡す。莫研は毒針を手がかりに捜査を進めようとするが、展昭はその暗器が内廷のものだと指摘する。展昭が内廷を守るために李栩を犠牲にするのではないかと疑念を抱いた莫研は、李栩を逃がそうとする。しかし、その時、呉子楚が剣を持って牢獄に現れ、李栩を連れ去ろうとする。展昭が現れ、呉子楚と対峙する。呉子楚は展昭に敵わず、その場を去る。莫研は李栩に姑蘇の白家へ帳簿を探しに行くつもりだと告げ、展昭に牢獄から追い出される。
最後に、展昭は李栩に誰に忠誠を誓っているのか問いただすが、李栩は答えない。呉子楚は烏を使って外部に情報を送る。展昭は莫研の令牌を回収することを考えるが、莫研はもう一度チャンスを欲しいと涙ながらに懇願し、規則を守ると約束する。現状と莫研の涙、そして誠意ある態度を考慮し、展昭は令牌の回収を保留にする。
第二話 感想
第二話は、新米捕吏・莫研の活躍が光るエピソードでした。型破りな彼女の行動は、時に周囲を振り回すものの、鋭い観察眼と機転で事件解決の糸口を掴んでいく姿は痛快です。特に、展昭とのやり取りは、正仮対の性格の二人がぶつかり合いながらも、互いに影響を与え合う様子が面白く描かれていました。
展昭は冷静沈著で規則を重んじるタイプですが、莫研の自由奔放な発想に触れることで、新たな視点を得ているように感じます。一方、莫研も展昭の厳しさの中で、捕吏としての責任や規律の大切さを学び始めているのではないでしょうか。今後の二人の関係性の変化、そして事件解決への協力に期待が高まります。
また、今回は宮廷内の陰謀も垣間見え、物語に深みが増しました。呉子楚の登場は、事件の背後に大きな力が働いていることを示唆しており、今後の展開がますます気になります。李栩をめぐる攻防も緊迫感があり、彼がどのような運命を辿るのか、目が離せません。
つづく