あらすじ
第二十四話は、龐太師の謀仮とその阻止劇を描いています。龐太師は仮乱軍の頭領と共謀し、二皇子を即位させようと企んでいました。宮中には弓兵や仮乱軍を配置し、周到な準備を進めていたのです。
しかし、包拯 や展昭たちの機転によって、龐太師の陰謀は白日の下に晒されます。龐太師は切り札として、仙石によって操られ、痛みを感じない仮乱軍を大殿に突撃させますが、これも撃退されてしまいます。
追い詰められた龐太師はついに捕らえられ、铡刑に処せられます。
一方、蘇酔と趙渝は幾多の困難を乗り越え、ついに結ばれました。二人の結婚式は盛大に行われ、皆から祝福を受けます。
展昭は包拯 に休暇を願い出ます。慕っている莫研と過ごす時間を持ちたいというのです。包拯 は名残惜しそうでしたが、展昭の願いを聞き入れました。
こうして皆は京城を離れ、蜀など各地へ旅に出るのでした。
ネタバレ
嵐の夜、龐太師は覇州からの伝書鳩を受け取り、息子の龐瓏が兵を率いて駐屯したとの報に安堵する。その後、謀仮の首謀者たちと密会し、帝位簒奪の暁には高い位と権力を約束する。首謀者たちはひれ伏し、龐太師の野望成就を祈願した。
計画通り、仮乱軍は宮門を製圧し、弓兵を宮殿周辺に潜ませる。龐太師は腹心の臣下3人と共に雨の中、皇帝に謁見する。病弱な皇帝の姿を確認すると、龐太師は8歳にも満たない自分の外孫である第二皇子を皇位継承者に推挙する。この露骨な行動により、龐太師の真の狙いは明白となった。皇帝は龐太師が財産のみならず帝位まで狙っていたことに激怒する。その瞬間、宮殿内に潜んでいた展昭たちが姿を現し、展昭は龐太師の喉元に剣を突きつけた。
窮地に立たされた龐太師は、包拯 に皇帝の安否を問う。直後、一本の矢が皇帝の御座の前の機に突き刺さり、外に弓兵がいることを示す。南方が深刻な災害に見舞われている最中、皇帝は救済措置を取っていたが、龐太師は皇帝が優柔不断で自分ほど国を治めるにふさわしくないと主張する。しかし皇帝は、大宋の皇帝としてすべての民を守る覚悟を表明する。龐太師は遼の耶律洪基と協定を結び、皇位簒奪の支援を取り付けたと宣言する。
その時、趙渝が現れ、耶律洪基は民を愛する君主を目指しており、龐太師に協力するはずがないと告げる。実は耶律洪基は既に不正に得た財産をすべて返還させていたのだ。寧晋、莫研らは趙渝と共謀し、敵を欺くために死を偽装していたのだった。蘇酔は真相を知らなかったが、意識を取り戻すと弓兵に近づき、一人残らず倒した。
それでも、宮殿外にはまだ仮乱軍が控えていた。寧晋の指示に従い、呉子楚は仮乱軍への抵抗を指揮する。莫研は龐太師に、龐瓏は既に展昭によって開封府に連行され、伝書鳩の件も罠だったと明かす。包拯 は、将軍たちが辺境に向かったのは龐太師の注意を逸らすためであり、今や龐太師の勢力は完全に崩壊したと説明する。龐太師は包拯 の策略に感嘆しつつも、まだ奥の手があると嘯く。「見仙石」という薬を服用し、痛覚を失った仮乱軍が宮殿に突入し、激しい戦闘が始まる。混乱の中、龐太師は皇帝と莫研を人質に逃亡する。
追跡を阻むため、龐太師は莫研を水牢に閉じ込める。展昭は鉄格子を切断しようと、自らの手で刀身を握る。莫研は二人とも危険に晒されることを恐れ、展昭に逃げるよう促すが、展昭は莫研を守るために留まる。幸いにも、水中に沈んだ二人は排水口を発見し、脱出に成功する。救出された莫研は展昭に龐太師を追うよう急かす。展昭は既に助っ人を手配済みだと答える。伝国の玉璽を持って逃げる龐太師は、蕭辰と段青衣に待ち伏せされる。二人は協力して仮乱軍を倒し、龐太師を捕らえる。
包拯 は龐太師を公正に裁き、死刑を宣告する。一方、蘇酔は趙渝に愛を告白する。16歳から8年間、遼に潜伏していたが、今や間諜の身分を捨て、趙渝と共に人生を歩みたいと願う。二人は多くの友人に祝福され、結婚式を挙げる。展昭は包拯 に休暇を願い出て、莫研と過ごすことを望む。包拯 は展昭との別れを惜しみつつも、彼の選択を理解する。最後は寧晋、蕭辰夫妻、蘇酔と趙渝が蜀への旅に出発し、包拯 も見送りに駆けつける。この旅は新たな門出であると同時に、これまでの苦難の日々への訣別でもあった。
第24話の感想
「高潔なあなた」最終回となる第24話は、怒涛の展開と感動の結末で幕を閉じました。龐太師の悪巧みは周到で、皇帝の廃位と自らの帝位簒奪まであと一歩というところまで迫っていました。緊迫感溢れる宮殿での攻防、そして水牢での展昭と莫研の危機など、手に汗握るシーンの連続でした。
特に印象的だったのは、展昭が莫研を救うために自らの手を犠牲にする場面です。彼の深い愛情と強い覚悟がひしひしと伝わってきました。また、蘇酔の趙渝への告白も感動的でした。長年の潜伏任務を終え、ようやく掴んだ幸せに心から祝福を送りたい気持ちになりました。
最終的に龐太師の野望は阻止され、正義が勝つという結末は、視聴者にカタルシスを与えてくれると同時に、安堵感をもたらしました。登場人物たちのそれぞれの未来への希望を感じさせるラストシーンは、これまでの苦難を乗り越えてきた彼らへのねぎらいのようにも感じられました。全体を通して、緻密なストーリー展開、魅力的なキャラクター、そして俳優陣の熱演が、このドラマを最後まで見応えのある作品に仕上げていたと言えるでしょう。少し駆け足気味に解決した部分もありましたが、最終回としては満足のいく内容でした。