あらすじ
第三話では、展昭と莫研が姑蘇へ帳簿を探しに行く旅が描かれています。道中、二人は様々な試練を経験します。例えば、夜には荒れ果てた墓の近くで休息したり、簡単な武術を習ったり、食べ物を分け合ったりするなど、交流を通して互いの理解を深めていきます。展昭はかつて開封府に勤めていた理由が過去の過ちを償うためだったことを明かし、莫研は蜀中六侠の負担になりたくないという決意を語ります。
姑蘇に著くと、展昭は尾行者に気づき、寧晋王爷の遣わした者と交渉します。そこで、帳簿の調査をやめるよう警告されます。一方、莫研は白家の二夫人が白盈玉を年老いた司馬老爷に嫁がせようとしていることを知り、白盈玉を助けようとします。
そして、帳簿を先に手に入れようと、莫研は展昭の酒に蒙汗薬を混ぜて眠らせます。しかし、白家の書斎で帳簿を手に入れようとしたところを展昭に見つかり、揉み合いの末、帳簿は真っ二つに破れてしまいます。寧晋からの挑戦を受け、展昭の慎重な態度をよそに、莫研は半冊の帳簿を賭けて囲碁の勝負に応じます。
ネタバレ
展昭と莫研は、包拯 の命で姑蘇の白家にある帳簿を探しに旅に出ます。出発時、莫研は張り切っており、どちらが先に帳簿を見つけられるか展昭に挑みます。しかし、荒れた墓地を通る頃には、莫研も馬も怖がって進めなくなります。追いついた展昭は、日が暮れたのでその場で野宿することを提案します。
水辺のあずまやでは、謎の男が展昭の行動を知り、呉子楚に命じて他の二人の大内侍衛に知らせ、展昭を止めさせようとします。一方、莫研は火を起こそうとしますが失敗し、展昭の焚き火で暖をとることになります。静かな夜、蝉の声に怯える莫研は、展昭に人を殺したことがあるか尋ねます。展昭は、自分が殺した者は皆、罪を犯した者だと答えます。莫研を安心させるため、展昭は石を投げて蝉を落とし、その方法を教え、簡単な護身術も伝授します。
翌朝、二人は旅を続けます。道中、展昭は蜀を出て一人で江湖を旅した理由や、開封府で働くことになった経緯を語ります。突然の大雨で、二人は道端の小屋に雨宿りします。展昭は自分の服を莫研に著替えさせ、自分は雨に濡れながら外で見張ります。著替えを終えた莫研は、展昭にも小屋の中で著替えるように勧めますが、展昭は外には雨宿りする場所がないと答えます。
数日後、二人はようやく姑蘇に到著します。尾行に気づいた展昭は、莫研を宿に置いて一人で尾行者をおびき出します。尾行していた二人は寧晋王爷の手下だと名乗り、帳簿の調査をやめるよう警告します。展昭は言われた通りにするふりをして、この件には関わらないと答えます。この会話を盗み聞いた莫研は、展昭が寧晋をかばって李栩の生死を気にしないと誤解し、不満を抱きます。
莫研は、白家の二夫人が白盈玉を年老いた司馬老爷に嫁がせようとしていることに気づき、白盈玉が抵抗している様子を見ます。莫研は白盈玉の弱腰さに呆れますが、展昭は他人を軽々しく判断すべきではないと諭します。その後、莫研は展昭が夜に何か行動を起こそうとしていることに気づき、謝罪と称して睡眠薬入りの酒を差し出します。しかし、展昭は酒を飲んでも倒れません。少量の睡眠薬では彼には効かなかったのです。
展昭と莫研は白家の書斎に忍び込み帳簿を見つけますが、二人の覆面男に見つかります。展昭が覆面男と戦う間、莫研は帳簿を奪いますが、帳簿は半分に破れてしまいます。四人はその場から逃げ出し、展昭は莫研がもう半分の帳簿を取り戻そうとするのを止めます。彼は、覆面男が寧晋の大内侍衛だと気づいていたのです。宿に戻ると、呉子楚が寧晋が展昭に会いたがっていると伝えます。莫研も同行します。寧晋は展昭に姑蘇を去るよう迫りますが、展昭は任務を遂行すると主張します。最終的に、寧晋は展昭と莫研に碁を打ち、勝った方が相手の持っている半分の帳簿を手に入れるという賭けを提案します。展昭はあまりにも軽率だと感じますが、莫研はこの提案を受け入れます。
第3話 感想
第三話は、展昭と莫研の関係性が深まる重要なエピソードでした。旅の道中、互いの弱さや強さ、そして過去に触れることで、二人の間に信頼感が芽生え始める様子が丁寧に描かれています。特に、墓地での恐怖や雨宿りのシーンは印象的です。莫研の子供っぽい一面や、展昭の冷静沈著ながらも優しい一面が垣間見え、二人の人間味を感じることができました。
また、ストーリー展開もテンポ良く、飽きさせません。謎の男や寧晋王爷の登場、白家の内情など、様々な伏線が散りばめられており、今後の展開への期待が高まります。特に、帳簿を巡る攻防はスリリングで、手に汗握る展開でした。莫研が展昭に睡眠薬を盛るシーンは、彼女の未熟さや焦りを表しており、今後の成長を予感させます。
つづく