あらすじ
第四話は、展昭、莫研、寧晋の知恵比べと、白府火災の背後に潜む陰謀を中心に展開します。物語は意味深長な対局から始まり、白府で突如発生した火災へと移ります。莫研はこの火災が寧晋と関係があると疑い、危険を冒して盗み聞きをし、その推測が正しいことを確信します。発見された莫研を展昭が間一髪で救出し、二人は協力して事件の真相究明に乗り出します。重要な手がかりを握る白盈玉に近づくため、二人は計略を巡らせます。同時に、白盈玉と蕭辰の偶然の出会いから芽生える恋心が描かれ、今後の展開への伏線が張られます。
ネタバレ
展昭と莫研は寧晋との碁の対局から始まります。二人は寧晋の時間稼ぎの意図を見抜き、引き分けに持ち込みます。寧晋は計略を見破られても動じず、呉子楚に蓮子羹の出来具合を尋ね、上々の出来栄えに満足げな様子を見せます。
寧晋の元を離れた後、二人は姑蘇の白府が火事に見舞われているのを発見します。寧晋のこれまでの行動から、莫研はこの火事が偶然ではなく、寧晋の仕業だと推測し、展昭に白府の調査を勧めます。自身は寒山寺に戻り、寧晋と呉子楚の会話を盗み聞きすることにしました。しかし、屋根の上で盗み聞きしていたところ、見つかってしまい呉子楚に捕まってしまいます。寧晋に問い詰められた莫研は、機転を利かせて呉子楚の服に煙の匂いが付いていることを指摘し、白府への放火を示唆します。寧晋は放火を認めつつも、白家の家族に危害を加えていないことを強調し、秘密を知りすぎた莫研を「口封じ」すると冗談めかして言いますが、それは本気ではありませんでした。その後、寧晋は莫研に侍寝の侍女になるよう提案し、莫研は驚き後ずさりします。その危機一髪、展昭が現れ莫研を救出します。
寧晋は、朝廷の混乱を避けるため、皇帝の命によりこの事件に関与していることを明かします。そして、帳簿を狙う他の者たちに気を付けるよう展昭に警告します。展昭は、寧晋が既に帳簿が偽物だと知っており、真の帳簿の痕跡を隠滅するために白府に放火したのだと分析します。宿に戻った展昭と莫研は真の帳簿を手に入れる方法を話し合い、莫研が白盈玉に近づくため、痴漢を装い、その後展昭が助けに入ることで信頼関係を築く計画を立てます。
一方、司馬老爷との結婚を拒む白盈玉は、逃亡中に盲目の蕭辰と出会います。蕭辰は事件に関わりたがりませんでしたが、二夫人が差し向けた使用人が白盈玉に無礼を働くのを見て、杖を使って巧みに追い払い、白盈玉に薬を渡します。帰宅した白盈玉は二夫人に叱責されますが、毅然とした態度を見せます。白盈玉の信頼を得るため、莫研は一計を案じ、白盈玉の注意を引くことに成功します。しかし、不幸な出来事が続き、白盈玉は絶望のあまり川に身を投げますが、蕭辰に助けられます。
蕭辰は白盈玉を励まし、二人の間には微妙な感情が芽生えます。物語が進むにつれ、莫研は偽の手紙で白盈玉を慰め、信頼を得ることを提案します。展昭は欺瞞的な手段にためらいを感じながらも、最終的にこの計画に同意します。同時に、三司史張堯佐の養子である青袍の男、張風も真の帳簿を探すために派遣されます。彼は展昭を脅威とは考えておらず、追魂三使と共に姑蘇へ向かいます。
第4話の感想
第4話は、緊張感あふれる展開と登場人物たちの複雑な関係性がさらに深まり、見応えのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、莫研の機転と勇気です。寧晋に捕らえられた際、冷静に状況を判断し、呉子楚の衣服の煙の匂いを指摘することで、白府放火の真相に迫る彼女の姿は、まさに知恵と勇気を兼ね備えたヒロインと言えるでしょう。また、侍寝を迫られるという緊迫した状況の中で、決して諦めず、助けを待つ彼女の芯の強さにも心を打たれました。
一方、展昭は冷静沈著な判断力と武術の腕前で、窮地に陥った莫研を救出します。二人の息の合った連携プレーは、見ていて爽快感がありました。
そして、寧晋というキャラクターの魅力も改めて感じました。彼は悪役でありながら、どこか憎めない不思議な魅力を放っています。蓮子羹の出来を気にするなど、人間味あふれる一面を見せることで、単なる悪役ではない奥深さを表現しているように思えます。
つづく