あらすじ
第五話では、展昭と莫研による白宝震殺人事件の捜査の進展が描かれています。二人は白盈玉のもとを訪れ謝罪すると共に手がかりを探し、帳簿が庭園の池の底に隠されていることを突き止めます。莫研は無事に帳簿を回収しますが、そこに追魂三使が突然襲撃。展昭は皆を守るために負傷し池に落ちてしまいますが、莫研が間一髪で救助します。一行は紫雲山荘へと逃げ込みますが、複雑な人間関係と莫研の行動に対する疑念が生じ、登場人物たちの間で深い感情の交流が繰り広げられます。展昭の傷が癒えた後、一行は安全確保と事件捜査の進展を図るため、二手に分かれることを決意します。
ネタバレ
展昭と莫研は白盈玉を訪ね、これまでの非礼を詫びた。莫研は白盈玉をからかった真意は、白宝震殺害の真相究明に必要な帳簿を探すためだったと説明する。展昭は白宝震が白盈玉に宛てた手紙を見せ、原本は開封府に証拠として保管されていると告げた。これは展昭が書き写した副本だという。白盈玉は手紙が父のものだと信じ、安堵した。会話の中で、莫研は白宝震と親しかった人物について尋ね、白盈玉は三司史の張堯佐の名を挙げた。莫研は張堯佐が黒幕ではないかと疑うが、展昭は軽々しく憶測するなと釘を刺す。
白宝震が残した帳簿は、書斎が荒らされた後、白盈玉によって庭の池の底に隠されていたことが判明する。泳げない展昭に代わり、莫研が池に潜り、油布に包まれた帳簿を見つけた。二人が帳簿の中身を確認しようとしたその時、追魂三使が現れ襲いかかってきた。展昭は白盈玉と莫研を守るため、単身で追魂三使に立ち向かうが、戦闘中に左肩に毒矢を受け負傷してしまう。莫研は白盈玉を連れて池に飛び込み逃走、展昭は敵を撃退するも、傷の深さと疲労から池に落ちてしまう。
莫研はすぐに引き返し、展昭を救助し、岸へと連れ帰った。その頃、気を失いかけた白盈玉を呉子楚が発見する。紫雲山荘に戻った一行。溺れた上に負傷した展昭は意識不明の状態が続く。莫研が傷の手当てをする中、寧晋は男女授受不親だと注意するが、莫研は寧晋を怪しむ。寧晋は青袍の賊に自分の山荘も焼かれたと説明し、敵の敵は味方だと告げ、帳簿を莫研に返した。
莫研は二師兄の蕭辰に跪き、無断で家を出て官府に関わったことを謝罪し、李栩を救う任務を終えてから蜀に戻る許可を求めた。目を覚ました展昭は莫研を探し、寧晋は展昭に莫研を好きかと尋ねるが、展昭は否定する。すると寧晋は自分が莫研に好意を抱いていると明かした。展昭と寧晋は蕭辰に、莫研を立たせて話を聞くよう頼む。莫研は蕭辰を説得し、捜査続行の許可を得た。寧晋は皇家御用の傷薬を莫研に渡すが、莫研は展昭に使うべきだと考える。夕食時、莫研は白盈玉の体に蕭辰の香りがついていることに気づき、白盈玉は気まずそうに席を外す。寧晋が莫研による展昭の救助の様子を語ると、莫研は慌てて弁明する。
翌朝、激しい雨が降りしきる中、莫研は雨で足跡が消えるため移動に最適だと判断する。展昭も同意し同行しようとするが、蕭辰に止められる。一行は馬車で移動を開始、莫研は沈んだ様子の白盈玉を慰める。休憩中、莫研は皆のために粥を炊く。程なく追魂三使が再び迫り、証人と証拠の安全を守るため、展昭は二手に分かれることを提案する。呉子楚と展昭は帳簿を持って開封へ向かい、莫研、蕭辰、寧晋、白盈玉は別のルートで開封を目指す。
この緊迫した状況の中で、登場人物たちのやり取りはそれぞれの性格や変化を描き出し、物語を展開させ、事件の背後に隠された秘密を少しずつ明らかにしていく。旅を続ける中で、各々が自分の目標に向かって努力しながら、互いの理解と信頼を深めていく。このエピソードはサスペンス要素を高めるだけでなく、登場人物たちの関係性を深化させ、今後の展開への伏線を張っている。
第5話の感想
第五話は、緊迫感あふれる展開と登場人物たちの複雑な感情が交錯する、非常にスリリングなエピソードでした。特に印象的だったのは、展昭の負傷シーンです。白盈玉と莫研を守るために身を挺する彼の姿は、まさにヒーローそのもの。追魂三使との戦闘は迫力満点で、手に汗握る攻防が繰り広げられました。毒矢に倒れるシーンは衝撃的で、思わず息を呑んでしまいました。
莫研の機転と勇敢さも光っていました。池に飛び込んで逃げる判断力、そして溺れた展昭を救助する行動力には感服です。冷静ながらも仲間を思いやる彼女の優しさは、見ていて胸が熱くなりました。また、展昭への恋心を自覚した寧晋の登場も、物語に新たな波紋を投げかけています。彼の真っ直ぐな想いは、今後の展開にどう影響していくのか、非常に楽しみです。
白盈玉の繊細な心情描写も印象に残りました。父の死の真相を探る中で、様々な感情に揺れ動く彼女の姿は、とても人間味あふれるものでした。蕭辰との関係性も匂わされており、今後の展開が気になるところです。
つづく