あらすじ
第13話は、紀若塵、顧清、張殷殷の三人の複雑な恋愛模様を中心に展開します。顧清は紀若塵に結婚の動機を問い詰めた後、自分が騙された結婚生活を送っていたかもしれないという現実に打ちひしがれ、深い悲しみに暮れ、酒に溺れるほどでした。
一方、紀若塵は張殷殷を探すため、自らの目を代償として九尾の天狐を動かし、ついに彼女の消息を掴みます。そして、全てを彼女に説明しようと決意します。
張殷殷は、全てに絶望しながらも、無尽海へ逃げることはせず、過去を忘れるために各地を旅することを選びます。
また、秋水と石磯の恋物語にも進展があり、二人はめでたく結婚。さらに、この結婚が宗派間の縁組を促し、景宵の毒の問題も解決へと導きます。
ネタバレ
涙にくれる顧清は、紀若塵に結婚の真意を問い詰めた。沈黙の後、紀若塵はかつて顧清に命を救われた恩義から結婚を決めたと答えた。平手打ちを食らわせた顧清は、紀若塵の心に自分がいるかどうかに関わらず、生涯添い遂げようと決意していた。しかし、今日の出来事は全てを覆し、この結婚が最初から欺瞞に満ちていたのではないか、紀若塵は一度も自分を愛していなかったのではないかと疑念を抱かせる。泣きじゃくる顧清に答えを求められても、紀若塵はこれ以上過ちを続けることを拒んだ。この結婚は、三人にとって不幸な結末しかないと悟ったのだ。かつては仕方のない選択と思っていた結婚も、今では軽率だったと悔やんでいる。
失意の紀若塵は九尾天狐の元を訪ね、張殷殷を探した。しかし、彼女はそこにはいなかった。九尾天狐は紀若塵の裏切りを厳しく非難し、張殷殷に会うためには両目を差し出すよう要求した。紀若塵は迷わず、張殷殷に会えるなら両目など惜しくないと答えた。九尾天狐は針を紀若塵の目に突き刺そうとしたが、彼の微塵も揺るがない決意を見て、張殷殷への真摯な愛を確信した。そして、張殷殷がつい先ほどここに来ていた時の様子を紀若塵に見せた。全てに絶望した張殷殷の姿に、紀若塵は深い罪悪感を抱き、何としてでも彼女を見つけ、結婚の真相を伝えようと決意した。
一方、顧清は酒に悲しみを紛らわせていた。そんな彼女の傍らには吟風がいた。二人は百世に渡る縁で結ばれており、もはや愛情以上の絆で繋がっていた。深く傷ついた顧清の姿を見た吟風は、彼女を雲中居へと連れ帰った。張殷殷の身を案じる青衣は、彼女の後をつけ続け、ようやく口を開いた張殷殷に、一緒に無尽海へ帰ることを提案した。辛い人間界を離れ、無尽海で何のしがらみもなく、静かに暮らそうと。しかし、張殷殷は無尽海へは行かず、紀若塵を完全に忘れ去るために、各地を旅することを選んだ。
秋水と石磯はいつものように霜降の武術試合を行った。今回、秋水はなんと石磯に勝利した。二人の親密な様子を見た門弟たちは、すぐに紫微師尊に報告した。景宵が病に伏せる中、雲中居との縁談を望んでいた紫微にとって、これは願ってもない話だった。紫微は石磯のために、石磯もまた秋水への想いを胸に、結婚を承諾した。雲中居の掌門も、二人の結婚を条件に景宵の毒を解くことを約束した。
互いに想い合う秋水と石磯は、滞りなく結婚し、景宵の毒も無事に解けた。人間界では、張殷殷が各地を旅しながら紀若塵を忘れようとしていた。しかし、耳に入ってくるのは西玄の紀若塵の噂ばかり。街には彼女そっくりの土人形が溢れ、紀若塵が彼女の価顔絵を持って、あらゆる人に尋ね回っていることを知った。張殷殷は人目を避け、紀若塵とどう向き合えばいいのか分からずにいた。
第13話 感想
「塵縁<じんえん>~Destiny Lovers~」第13話は、登場人物たちの複雑な感情が交錯する、切なくもどかしい展開でした。紀若塵が顧清との結婚の真意を明かし、張殷殷への想いを貫く姿は、彼の苦悩と葛藤を深く感じさせます。恩義と愛情の間で揺れ動く紀若塵、そして真実を知り傷ついた顧清。二人の悲痛な表情が胸を締め付けます。
特に印象的だったのは、紀若塵が九尾天狐に両目を差し出そうとするシーンです。張殷殷への強い想いが、彼の覚悟の深さを物語っています。九尾天狐の試練を通して、二人の愛の深さが改めて強調され、今後の展開への期待が高まります。
一方、顧清は吟風の支えにより、雲中居へと戻ります。二人の関係性は、単なる愛情を超えた深い絆を感じさせ、今後の物語における重要な要素となるでしょう。また、張殷殷が紀若塵を忘れようと旅に出る決意をする一方、紀若塵は諦めずに彼女を探し続けるという、すれ違う想いが切なさを増幅させます。
つづく