あらすじ

第二十六話は、玄真げんしんの重傷と治療を中心に展開します。若曦じゃくぎ晨の攻撃により、玄真げんしんは命が危うい状態に陥り、顔面にも重度の火傷を負ってしまいました。噬氷しひょう師姐と玉玄ギョクゲン師姐は懸命に治療を施しますが、顔の傷には効果が薄く、玄真げんしんを寒氷洞へ連れて行き、傷の緩和を試みることになります。紀若塵ジー・ルオチェンは仲間を見捨てない強い決意を示し、張殷殷ジャン・インインと共に、更なる災厄を阻止するため霊穴の破壊を計画します。同時に、登場人物たちの感情の縺れもより深まっていきます。特に、張殷殷ジャン・インイン九尾天狐きゅうびてんこ青衣チンイーの会話を通して、紀若塵ジー・ルオチェンとの記憶を徐々に取り戻し、二人の間に秘められた繊細で深い愛情が明らかになります。

ネタバレ

若曦じゃくぎ晨の重傷により、玄真げんしんは命の危機に瀕していた。噬氷しひょう師姐は全霊力を注ぎ込み火毒を抑えようとするも効果は薄い。駆けつけた紀若塵ジー・ルオチェン張殷殷ジャン・インイン若曦じゃくぎ晨を倒し、玄真げんしんを救う方法を探し始める。一方、吟風イン・フォン国師こくし若曦じゃくぎ晨による村の惨劇を知らず、顧清グー・チンに拒絶された悲しみに暮れていた。

玉玄ギョクゲン師姐の応急処置で玄真げんしんの体内の毒火は消えたものの、顔の火傷は深刻な状態。一同は千年の寒氷がある寒氷洞での治療を決断。顔の傷に絶望する玄真げんしんに、紀若塵ジー・ルオチェンは必ず治すと約束する。

紫雲しうん師兄は紀若塵ジー・ルオチェンの霊穴破壊による危険を案じ、西玄せい げん掌門に中止を勧める。弟子を想う掌門も悩むが、紀若塵ジー・ルオチェン仙茅せんぼうと火龍という仲間を得て、既に二つの霊穴を破壊した経験を語り、決意を曲げない。紫陽しよう紀若塵ジー・ルオチェンの成長に感銘を受ける。

当初治療を拒んでいた玄真げんしんも、紫陽しよう掌門の令牌と張殷殷ジャン・インインの説得により寒氷洞へ向かうことに。紀若塵ジー・ルオチェンは残りの霊穴を単独で破壊しようと企てるが、張殷殷ジャン・インインに見抜かれ、同行を強いられる。

零は無尽海むじんかいからの帰還命令を受け、張殷殷ジャン・インインへの未練を残しながらも去る。噬氷しひょう師姐に連れられて寒氷洞に著いた玄真げんしんは、環境の変化と周囲の噂話に落胆する。噬氷しひょう師姐は玄真げんしんの精神状態を心配する。

張殷殷ジャン・インインは九尾の天狐に紀若塵ジー・ルオチェンの話をしているが、記憶を失った彼女は心軽やかで、紀若塵ジー・ルオチェンの名前さえも覚えていない。青衣チンイー紀若塵ジー・ルオチェンへの好意を口にすると、理由は分からないながらも不快感を覚える。

一人で霊穴破壊に向かおうとする紀若塵ジー・ルオチェンを、張殷殷ジャン・インインは追いかける。なぜ自分を置いていくのかと問う張殷殷ジャン・インインに対し、紀若塵ジー・ルオチェンは彼女が他の師兄弟の名前は覚えているのに、自分の名前だけ忘れていることを指摘する。紀若塵ジー・ルオチェンの言葉によって、張殷殷ジャン・インインの記憶は徐々に戻り始め、秘めていた感情に気づき始める。

第26話の感想

第26話は、様々な登場人物の心情が深く描かれた回でした。特に印象的なのは、玄真げんしんの絶望と紀若塵ジー・ルオチェンの揺るぎない決意の対比です。顔に大怪我を負い、未来への希望を失いかけている玄真げんしんの姿は痛々しく、見ているこちらも胸が締め付けられました。しかし、そんな玄真げんしんに対して、紀若塵ジー・ルオチェンは必ず治すと力強く約束します。このシーンは、二人の強い絆を感じさせ、感動的でした。

また、記憶を失いながらも、紀若塵ジー・ルオチェンへの特別な感情を無意識に抱いている張殷殷ジャン・インインの描写も興味深かったです。青衣チンイーの言葉に不快感を示す様子からは、記憶を取り戻す兆しが感じられ、今後の展開への期待が高まります。零の退場シーンも印象的でした。張殷殷ジャン・インインへの想いを断ち切り、己の使命へと戻る彼の姿は、切なくも凛々しいものでした。

つづく