あらすじ
第三話は、紀若塵と張殷殷の交流、そして紀若塵が直面する危機を中心に展開します。
張殷殷は熱心に紀若塵に各派の奥義を伝え、洞窟内の星光霊火を一緒に眺め、温かくロマンチックな雰囲気を作り出します。しかし、この穏やかな時間は、丹元宮の掌門・玉玄の陰謀によって破られます。彼女は紀若塵を利用し、窮地に陥れようと企みます。紀若塵はこの危機を何とか切り抜けますが、新たな試練がすぐに訪れます。沈博陽という謎の人物が紀若塵を襲撃し、彼は洞窟に逃げ込み、そこで貴重な武林秘伝に触れることになります。
さらに、張殷殷は讒言を信じ込み、紀若塵が玉璇宮の法術を軽んじていると思い込み、彼に試合を申し込みます。しかし、紀若塵はとある事情で遅刻してしまい、それが様々な誤解と緊張を生み出すきっかけとなります。
ネタバレ
若塵(じゃくじん)は張殷殷(ちょういんいん)に届けられた豪華な食事、清蒸魚塊(チンジョンユークァイ)、八宝豆腐(バーバオドウフ)などに彼女は大喜び。宝の地図を探しているという若塵に、殷殷は熱心に洞窟へと案内する。洞窟には秘伝の武術があると玄真(げんしん)から聞いた若塵は興味津々。殷殷は様々な流派の武術や秘伝を惜しみなく教え、洞窟内の幻想的な星光霊火(せいこうれいか)を見せる。まるで無数の蛍が飛び交うような美しい光景の中、殷殷の魅力に惹かれた若塵は思わずキスをしようとするが、殷殷はかわいらしく話題をそらす。
殷殷の出関の日、若塵、玄真、秋水(しゅうすい)は彼女のために宴を準備していたが、丹元宮(たんげんきゅう)の人間が現れる。以前、若塵を入門させようとした丹元宮。掌門の玉玄(ぎょくげん)は若塵に秘伝の心法を授けると持ちかけるが、師匠から聞いたことのない話に若塵は警戒し、秋水に密かに指示を出す。
玉玄の真の目的は、弟子である萱萱(せんせん)を使って若塵に幻覚薬を飲ませ、濡れ衣を著せて丹元宮に引き入れることだった。罠にはまった若塵は拘束され、師匠の前に連れてこられる。朦朧とした意識の中、身に覚えのない罪を問いただされる若塵。その時、怒りに燃えた殷殷が鶏毛掸子(けもうだんし)を手に乱入し、若塵を叩きのめす。二人の親密な様子から、若塵の潔白が証明され、玉玄の企みは失敗に終わる。
殷殷に助け出された若塵は、高ぶる感情を抑えきれず彼女に迫るが、殷殷は彼がまだ薬の影響を受けていることに気づく。その時、黒い斗笠で顔を隠した男、沈博陽(しんはくよう)が襲いかかる。殷殷は若塵を連れて逃げるが、謎の洞窟に迷い込み、若塵は巨大な銅炉に吸い寄せられる。激しい苦痛の中、若塵は虚空に浮かび上がり、壁に刻まれた無数の武術秘伝を目に焼き付ける。
師匠に救出された若塵は、沈博陽の過去を知る。かつて門下生だった彼は、玉蝉(ぎょくせん)という女性とのいざこざから修行を誤り、廃人同様の姿になったという。
ある日、殷殷は玉璇宮(ぎょくせんきゅう)の弟子たちの言葉を真に受け、若塵が玉璇宮の法術を侮辱したと思い込み、決闘を申し込む。約束の卯の刻、若塵は他の弟子たちと酒を酌み交わしており、約束をすっかり忘れていた。玄真から殷殷が待っていることを聞かされ、慌てて駆けつけるのだった。
第3話の感想
第3話は、若塵と張殷殷の関係性が大きく進展する一方で、新たな脅威が登場するなど、物語に緊張感をもたらす展開でした。特に印象的だったのは、殷殷の献身的な愛情と、若塵の未熟さゆえの危機です。
殷殷は、若塵のために様々な手助けをし、洞窟の幻想的な光景を共有することで、彼への想いを深めていきます。一方、若塵は殷殷の好意に気づきながらも、未熟さからか、積極的に行動を起こすことができません。そんな中、丹元宮の罠にはまり、濡れ衣を著せられるという危機に直面します。ここで殷殷の機転と愛情が彼を救い、二人の絆がより一層強固なものになりました。鶏毛掸子を持って怒りながら登場する殷殷の姿は、彼女の真っ直ぐな性格と若塵への深い愛情を象徴する名シーンと言えるでしょう。
つづく