あらすじ
第33話は、紀若塵が無尽海の秘密を暴露した後の、師匠との激しい衝突を描いています。魔へと堕ちたことで、師匠に匹敵する力を得た紀若塵は、戦闘中に无尽海の海水を干上がらせ、洪荒衛に多くの犠牲者を出させ、師匠にも重傷を負わせました。无尽海を守るため、零が自らを犠牲にしたことで、張殷殷は深い悲しみに暮れます。記憶を取り戻したものの、自責の念に苛まれ、紀若塵を拒絶してしまうのです。
迫り来る三界大戦を前に、紀若塵は個人と世界の繋がりについて疑問を抱き、自らの道を突き進み、張殷殷との関係にも線を引きます。
一方、玄真は窮地に追い込まれながらも秘めた力を解放し、新たな技を習得して噬氷を救出します。玄氷は禁地を守護する責任を担うことを決意しました。
そして最後に、張殷殷によって无尽海崩壊の真相が明かされます。かつての誇りであった紀若塵を、西玄は討伐することを決意するのでした。
ネタバレ
紀若塵は洪荒衛の中に立ち、無尽海の秘密を暴いた。無尽海は嗜情尊者が人々の思い出と涙を錬成したもので、強力な霊力により修羅塔を千年も封じていた。さらに、無尽海の師匠は紀若塵の人生を初めから操っており、張万財と金花も師匠と繋がっていた。師匠はそれを認め、紀若塵が紀小二時代に読んでいた修仙秘籍も自分が送ったものだと明かした。しかし、予想外にも紀若塵は早くも魔へと堕ちてしまった。
紀若塵は魔君となり、強大な力を得て無尽海の師匠に戦いを挑んだ。神魔楮と暴龍を持つ紀若塵は無尽海を幹上がらせ、洪荒衛に多くの死傷者を出した。無尽海の師匠も深手を負い、零は無尽海を守る中で藍焰に焼かれ、消滅した。
張殷殷は零の死を目の当たりにし、記憶を取り戻したものの、焦土と化した無尽海を見て深い自責と後悔に沈み、紀若塵を無視する。師匠は変わり果てた紀若塵に、修羅塔が崩壊する時、後悔しないようにと告げる。しかし、紀若塵は張殷殷を妖禁に連れて行ったことを後悔していると答えた。
紀若塵は張殷殷につきまとい、張殷殷は彼が殺人魔と化したこと、そして三界の混乱は彼らの責任だと責める。紀若塵は三界の安危など気にせず、自分の力ではどうにもならないと主張する。父が修羅塔に封印され、その強い怨念が自分を魔君へと導いたのだと語り、もう誰にも屈しないと誓う。父の犠牲は無駄だったと言い放つ紀若塵に、張殷殷は剣で二人の間に線を引いた。
玄真は新しい師匠の下で俯仰両怡大法を学ぶが、その難しさに諦めかける。師匠は玄真の停滞を打破るため、噬氷を人質に取り、玄真と勝負をさせた。噬氷を救いたい一心で玄真は持てる力を全て出し、俯仰両怡大法の才能を開花させる。師匠は最後の力を玄真に送り、仮面を外して山へと去っていった。
成長した玄真は禁地の守護を誌願する。噬氷は寂れた禁地で玄真が孤独に過ごすことを悲しむ。かつての無邪気な玄真は変わり、禁地を守る決意を固めていた。
張殷殷は西玄に戻り、無尽海の真実を明かす。紫陽は予想が的中したことで、仙界を率いて魔を討つことを決意する。西玄の師匠たちは驚く。かつて西玄が危機に陥った時、紀若塵は救いの手を差し伸べた。西玄の優秀な弟子であった紀若塵を討つことに、彼らは複雑な思いを抱く。
第33話の感想
第33話は、紀若塵の完全な堕落と、周りのキャラクターたちの悲しみ、そして今後の展開への不安が入り混じる、非常に重苦しいエピソードでした。紀若塵はついに魔君となり、圧倒的な力で無尽海を壊滅状態に追い込みます。彼の歪んだ正義感、そして大切な人を失ったことによる絶望は、もはや誰にも止めることができないほどの暴走へと繋がりました。特に、零の死は視聴者にも大きな衝撃を与えたことでしょう。無尽海を守るために自らを犠牲にする彼女の姿は、あまりにも悲しく、残酷でした。
張殷殷との関係も完全に破綻し、二人の間に引かれた境界線は、まさに彼らの心の距離を表しているようでした。かつて愛し合っていた二人だからこそ、今の紀若塵の姿は張殷殷にとって耐え難いものでしょう。彼女が背負う責任感と、紀若塵への失望が入り混じった複雑な感情が伝わってきました。
つづく