あらすじ
第六話では、紀若塵と顧清の婚姻が西玄派師匠の許しを得たものの、紀若塵自身が偽物であることを自覚しているため、この縁談に同意できない様子が描かれています。張殷殷は紀若塵を顧清に奪われたくない一心で、九尾天狐に妖術を学ぶ決意を固めます。たとえそれが仙界への道を閉ざすとしても、彼女はためらいません。
一方、紀若塵は密かに下山修行を試みますが、出発直前に張殷殷の母に阻まれ、「娘に近づくな」と警告されます。それでも紀若塵は強引に下山し、荒野で師叔に遭遇します。そこで彼は重要な任務と玉の扳指という法器を授かります。
時を同じくして、国師と王爷は紀若塵を陥れる陰謀を企て、彼の身分を偽って捕縛しようと画策します。旅の途中、紀若塵は追手に襲われ、それが極妙老祖が十二の門派を動員して行っている大規模な捜索であることを知ります。
紀若塵の身を案じた顧清は、単身下山して彼を探しに出ます。そして、吟風は陰ながら顧清を守り続けています。
ネタバレ
西玄派師匠は紀若塵と顧清の結婚を認めたが、紀若塵は頑なに拒否する。師匠は驚きを隠せない。世間では二人は運命の恋人だと噂されているのに、何故紀若塵は承諾しないのか。紀若塵は内心焦っていた。顧清が別人だと気づいているのに、自分が偽物だと告白する勇気がないのだ。
張殷殷は顧清に郊外での勝負を申し込む。長年の修行と天賦の才を持つ顧清は、張殷殷よりはるかに強い。紀若塵を諦めきれない張殷殷は九尾天狐のもとを訪ねる。九尾天狐は、一度妖術を修めれば仙界とは縁を切ることになると警告するが、張殷殷の決意は固かった。修行が始まり、九尾天狐は張殷殷に、女は修行中に情に流されてはいけない、男に心を奪われれば力が弱まると諭す。
昊方に妖魔が出没していると聞いた紀若塵は、下山して修行を積みたいと申し出るが、師匠は許さない。多くの人々が紀若塵を敵視しており、下山すれば騒動が起きると危惧するのだ。紀若塵は西玄での修行だけでは足りない、実戦経験を積まなければ将来大任を担えないと訴え、師匠は顧清との結婚後なら下山を許すと言う。
数日、張殷殷に会えずにいた紀若塵は、下山前に彼女を訪ねるが、母親に阻まれてしまう。母親は、紀若塵には運命の相手がいるのだから、もう娘に関わらないでほしいと言う。落胆した紀若塵は昊方へと下山する。
修行を終えた張殷殷は、紀若塵が下山したと知り、両親に別れを告げる。両親は娘から妖気を感じ取り、九尾天狐に師事したことを知り、後悔の念に駆られる。母親は張殷殷を閉じ込めようとするが、彼女は小細工を使って逃げてしまう。
荒野で焚き火をする紀若塵は、師叔と出会う。師叔は、昊方の魔物の出現は世の乱れの始まりだと告げ、魔物が持つ宝物を持ち帰るように指示し、宝物を収納できる玉の指輪を渡す。紀若塵は師叔の教えに従い、指輪をはめる。
国師は紀若塵の下山を知り、王爷と対策を練る。若曦晨は国師と結託し、紀若塵に邪魔されないように、彼を偽物の悪党だと王爷に讒言する。西玄派の名声を知る王爷は、当初は関わりたくなかったが、若曦晨の懇願に負け、紀若塵の逮捕を命じる。
旅の疲れを癒すため、紀若塵は荒野の宿に泊まるが、そこは悪党の巣窟だった。怪しい粉を持った紀小二を捕らえた紀若塵は、黒幕を問い詰める。捕らえた悪党は、極妙老祖が十二派を動員して紀若塵を殺そうとしていること、そして罠を仕掛けてきたことを白状する。
紀若塵が昊方へ向かったと聞いた顧清は、彼を心配し、師匠に別れを告げて下山する。顧清は吟風が自分を尾行していることに気づいていた。吟風は雨の日に傘を差し出したり、危険な道で守ったりと、陰ながら顧清を守っていたのだ。顧清は、無駄な努力はやめてほしいとはっきり告げる。
第6話の感想
第6話は、様々な思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。紀若塵は偽物であるという秘密を抱えながらも、昊方へと旅立ちます。彼の行く手には、様々な困難が待ち受けていることが暗示されており、今後の展開に期待が高まります。特に、極妙老祖が仕組んだ罠や、国師と若曦晨の陰謀など、不穏な要素が多く、紀若塵がどのように立ち向かっていくのか注目です。
一方、顧清は、紀若塵への想いを募らせ、彼を守るために単身下山します。二人の関係性がどのように変化していくのか、そして吟風の存在がどう影響するのかも見どころの一つです。また、張殷殷は、紀若塵への葉わぬ想いを断ち切るため、九尾天狐に師事し、妖術の道へと進みます。彼女の決断は、物語に新たな波乱を巻き起こすことは間違いありません。
つづく