あらすじ
第九話では、張殷殷と青衣が王府の別殿で茶を酌み交わしている最中、突如妖怪退治の専門家に襲撃される緊迫の場面から始まります。間一髪のところで張殷殷の母が駆けつけ、二人を救出します。その後、母は紀若塵と顧清の結婚を心配し、張殷殷を叱責します。紀若塵は張殷殷を守ると約束しますが、彼女は依然として彼に距離を置いたままです。
物語が進むにつれ、紀若塵は自身の秘密を張殷殷に打ち明け、二人は和解します。しかし、蝗蛇退治の任務中、張殷殷を守るため、紀若塵は蝗蛇に飲み込まれてしまいます。窮地に陥った紀若塵は、凶星入命大法を用いて脱出に成功するだけでなく、大幅に功力を高め、遂に蝗蛇を倒します。
戦いが終わったのも束の間、師門の弟子たちは紀若塵に神州気運図の提出を求め、新たな火種が生まれます。
ネタバレ
王府の離れで張殷殷と青衣がお茶をしながら談笑していると、突然、妖怪退治の集団が現れ、二人を捕らえようと襲いかかってきました。争いごとを避けて生きてきた二人は驚き、縄で縛られてしまいます。騒ぎを聞きつけた紀若塵が駆けつけ、縄を切ろうとしますが、焦れば焦るほど縄は固く、なかなか切れません。
そこへ、張殷殷の母が助けに入り、ようやく縄は断ち切られました。殷殷は母の腕に飛び込みますが、母は娘の軽率な行動を叱り、平手打ちをします。紀若塵が山を降りる際、師匠から妖怪退治を終えたら顧清と結婚するように言われていたことを、母は知っていたのです。殷殷はまだ紀若塵に未練があり、このままでは娘が傷つくことを母は心配していました。顧清との結婚を紀若塵が否定しないことに腹を立てた殷殷は、その場を立ち去ろうとします。しかし、紀若塵は殷殷の母に、殷殷を必ず守ると約束しました。
それ以来、殷殷は紀若塵と距離を置くようになります。紀若塵は殷殷が怒っていることを知り、本来は妖怪退治の後で話すつもりだった自分の秘密を打ち明けることにしました。実は自分はただの宿屋の紀小二で、謫仙ではないという真実を。殷殷が自分の境遇を軽蔑するのではないかと恐れていましたが、意外にも殷殷は喜びます。彼女にとって謫仙の身分などどうでもよく、紀若塵が偽物なら、顧清との運命の赤い糸も切れると考えたのです。早速顧清に伝えたい衝動に駆られますが、事態を考慮し、後にすることにしました。
夜、殷殷は紀若塵の傍らで眠りに落ち、二人は仲直り。殷殷の頬には再び紅潮が浮かびます。しかし、二人は蝗蛇の巣窟に迷い込んでしまい、激しい戦いを繰り広げます。殷殷の母も加勢しますが、蝗蛇の力は強大すぎます。紀若塵が蝗蛇から宝物を奪った直後、国師が現れ、宝物を奪い去ってしまいます。絶体絶命の状況の中、紀若塵は殷殷を庇い、蝗蛇に飲み込まれてしまいます。
殷殷は悲鳴を上げますが、母は彼女を抱き止めます。紀若塵は蝗蛇の体内で真元が急速に失われていくのを感じ、脱出方法を模索します。そして、危険な技と知りつつも、禁断の凶星入命大法を使うことを決意します。修練の末、紀若塵は蝗蛇の腹を突き破り、脱出に成功します。
再会を喜ぶ二人は抱き合い、凶星入命大法によってパワーアップした紀若塵は、蝗蛇を倒します。しかし、蝗蛇を倒した途端、多くの門弟たちが現れ、神州気運図の引き渡しを要求します。殷殷の母は、紀若塵が窮地に陥っていた時には誰も助けに来なかったのに、今になって宝物を奪おうとする彼らの卑劣さに憤慨します。宝物は既に国師に奪われたと説明しますが、彼らは信じず、紀若塵に迫ります。
第9話の感想
第9話は、まさに急転直下の展開で、息つく暇もないほどでした。張殷殷と紀若塵の関係、そして強大な敵との戦いと、様々な要素が詰め込まれており、見応えのあるエピソードだったと思います。
特に印象的だったのは、張殷殷の母の登場です。娘を思うが故の厳しさ、そして娘の幸せを願う強い愛情が感じられ、胸を打たれました。娘の軽率な行動を叱責する場面は、まさに母親としての責任感と愛情の表れでしょう。また、紀若塵が自分の秘密を打ち明けるシーンも感動的でした。真実を告げることで殷殷との関係が悪化するかもしれないという不安を抱えながらも、誠実な態度で向き合う紀若塵の姿に心を打たれました。殷殷もまた、紀若塵の境遇を受け入れ、彼を支えようとする姿が印象的でした。二人の絆の強さが改めて感じられるシーンでした。
つづく