あらすじ

第11話は、登場人物たちの日常の出来事を中心に描かれています。許紅豆シュー・ホンドウは子馬の誕生を記録し、姉の許紅米シュー・ホンミーと卵を孵化させようとした幼い頃の思い出を回想することで、姉が自身の成長に与えた影響を明らかにします。一方、馬丘山マー・チウシャン阿桂ア・グイ婶の激励を受け、自身の人生観について深く考えます。大麦ダーマイは小説の執筆に行き詰まり悩んでいますが、馬丘山マー・チウシャンは自身の起業経験における浮き沈みを語り、彼女を励まします。

また、謝之遥シエ・ジーヤオは叔父の謝和順シエ・ヘシュンの木彫工房の開店準備を進め、現代的な手法を用いて宣伝を行います。許紅豆シュー・ホンドウはカフェの従業員マニュアルを細かく作成し、業務効率の向上に努めます。

そして最後に、謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウのマネジメント能力に感嘆し、冗談交じりに告白しますが、許紅豆シュー・ホンドウは2ヶ月後に北京へ戻る予定であるため、彼に二人の関係の境界線に気を付けるよう釘を刺します。

ネタバレ

許紅豆シュー・ホンドウは生まれたばかりの子馬の動画をスマホで撮影し、母性の偉大さに感動して涙を流します。謝之遥シエ・ジーヤオは都会育ちの彼女にはこういう経験が少ないのだろうと語り、紅豆ホンロウは幼い頃、祖母と田舎に行った時の思い出を回想します。

幼い紅豆ホンロウは卵を温めればひよこが孵ると信じていました。姉の紅米は卵を割ってしまうのを心配し、生卵をゆで卵にすり替え、祖母と共謀してあの手この手で「孵化」を演出しました。

紅豆ホンロウはずっと騙されたままでしたが、紅米が大学受験をする際に「孵化大学」とからかわれ、ようやく真相を知ります。紅豆ホンロウの成長過程にはいつも姉の「邪魔」がありましたが、そのおかげで少しは地に足のついた考え方ができるようになったのかもしれません。

村の子供、坨坨トゥオトゥオがもうすぐ大理を離れることになり、別れを惜しむ子供たちの様子を見て、林娜リン・ナーは心を痛めます。一方、阿桂ア・グイ嬸は馬丘山マー・チウシャンが毎日庭で瞑想ばかりしているのを見て、呆れています。

阿桂ア・グイ嬸は馬丘山マー・チウシャンくらいの歳になれば子供も中学生だし、家族のことを考えるべきだと説教します。どんな人間でも責任を負って生きていくべきで、いつまでも現実逃避していてはいけない、たとえ社長業がうまくいかなくても、働きに出ることはできるのだと。

馬丘山マー・チウシャンは「どうせ人間は何も持たずに生まれてくるんだから、寝転がっている方がいい」と仮論しますが、阿桂ア・グイ嬸は「生きているなら働くべきだ、棺桶に入るまでは」と言い切ります。馬丘山マー・チウシャンは彼女の言葉に感銘を受け、学歴はなくても人生の真理を悟っている阿桂ア・グイ嬸を尊敬します。

小説家の大麦ダーマイ阿桂ア・グイ嬸の言葉を聞き、現状を変えるために小説を書こうとしますが、なかなか筆が進みません。読者の酷評と少ない収入にモチベーションを失っていました。ちょうど台所で米粉を炒めていた馬丘山マー・チウシャンに悩みを打ち明けます。

28歳の無名の作家、少ない購読者数、横行する著作権侵害、そして読者の心無い言葉…未来への希望が見えないと嘆く大麦ダーマイ馬丘山マー・チウシャンは自身の起業経験を語り、かつては大金持ちだったものの、全てを失い、今は瞑想で起業したい衝動を抑えていると明かします。

謝和順シエ・ヘシュンの木彫工房が謝之遥シエ・ジーヤオの手助けで開店します。之遥はインターネットやショート動画で宣伝し、謝暁夏シエ・シャオシアに動画配信をさせます。新しいものに戸惑う和順ヘシュンでしたが、暁夏が楽しそうに配信しているのを見て、仮対するのを止めます。

許紅豆シュー・ホンドウはカフェの従業員用手引を作成し、勤務規定や給与、評価製度などを整備します。特に皆勤賞を設け、月の欠勤が3回以内であれば200元のボーナスを支給することにしました。彩雲ツァイユン阿奶おばあちゃん秀英シウイン阿奶おばあちゃんは内容がよく分かりませんが、200元もらえると聞いて大喜びです。

従業員用手引の完成に謝之遥シエ・ジーヤオ紅豆ホンロウの手腕に感心し、感謝のあまり思わず告白してしまいます。紅豆ホンロウは冗談だと分かっていますが、之遥の気持ちは本物です。謝暁春シェ・シャオチュンも之遥に紅豆ホンロウを好きにならないよう忠告します。紅豆ホンロウの滞在期間は残り2ヶ月、その後は北京へ帰ってしまうからです。

第11話の感想

第11話は、人生における様々な岐路や選択、そして人との繋がりを優しく描いたエピソードでした。特に印象的だったのは、馬丘山マー・チウシャン阿桂ア・グイ嬸の会話です。人生を「寝転がる」か「働く」かというシンプルな問答の中に、深い人生哲学が込められていました。成功体験と挫折を経験した馬丘山マー・チウシャンと、地に足のついた生活を送る阿桂ア・グイ嬸。対照的な二人の会話は、視聴者に「自分にとっての幸せとは何か」を考えさせるきっかけを与えてくれます。

また、許紅豆シュー・ホンドウが作成した従業員用手引も興味深いポイントでした。都会のビジネススキルを村のカフェに導入することで、従業員のモチベーション向上に繋げる彼女の柔軟な発想力は、まさに現代社会で求められる能力と言えるでしょう。特に、彩雲ツァイユン阿奶おばあちゃん秀英シウイン阿奶おばあちゃんが「200元」という具体的な数字に喜ぶ姿は、世代や文化の違いを超えた「働く喜び」を象徴しているようでした。

つづく