あらすじ

第12話は、雲苗村ユンミャオむらの発展と村民たちの日常生活を中心に描かれています。謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウは協力して観光業振興策を練り、韶華書屋のオーナーの視察受け入れやPR動画の撮影などを計画します。また、許紅豆シュー・ホンドウは宅配便に観光パンフレットを同封することで、より多くの人の目に触れるようにと提案します。一方、謝之遥シエ・ジーヤオは自分の名前の由来とその意味を語り、村を通して人々に幸せと再生の力をもたらしたいという思いを明かします。

さらに、このエピソードでは、村に住む人々の物語が深く掘り下げられています。刺繍の先生である謝懐蘭シェ・ホワイランの若い頃の悲しい恋物語、虎子ふーずママが久しぶりに息子に会った後の複雑な心境、そして謝阿奶シエおばあちゃんが過去の苦しい生活を回想し、最終的に許紅豆シュー・ホンドウの助けを借りてゲームを通して喜びを見出す姿が描かれています。

ネタバレ

謝之遥シエ・ジーヤオ謝暁春シェ・シャオチュンがおしゃべりしていると、黃欣欣ホワ・ンシンシンが駆け込んできて、韶華書屋のオーナーと連絡が取れ、雲苗村ユンミャオむらに支店を開き、観光業の発展に貢献したいと伝えました。謝之遥シエ・ジーヤオは韶華書屋に大変興味を持ち、オーナーの現地視察を待つ間、許紅豆シュー・ホンドウに接待を任せます。彼女はよそ者なので、地元の特色を新鮮な視点で紹介できると考えたからです。

その後、謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウたちと服のデザインを決め、帰る途中、刺繍の先生である謝懐蘭シェ・ホワイランの話をしました。謝懐蘭シェ・ホワイランは若い頃、フランス人男性と出会い、恋に落ちましたが、男性が帰国する際、一緒に来るよう誘われたものの、謝懐蘭シェ・ホワイランはそれを断り、生涯独身で、刺繍と花を愛でる日々を送っています。

坨坨トゥオトゥオは友達と別れるのが悲しくて泣いていましたが、冠軍グアン・ジュンおじさんから両親が彼を村に残すことに決めたと聞き、さらに泣きじゃくりました。一方、おばさんたちは若者から、謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウを口説いていて、よく一緒に食事をしていると聞き、男がお金を使うのは好意の証だと解釈し、二人が付き合っていると確信します。

謝阿奶シエおばあちゃん謝暁春シェ・シャオチュン謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウを好きだと気づいていますが、謝之遥シエ・ジーヤオ許紅豆シュー・ホンドウ本人は否定します。そこへ馬丘山マー・チウシャン謝之遥シエ・ジーヤオを訪ね、中国茶文化を広めるための茶ブランド店を開きたいと相談します。謝之遥シエ・ジーヤオ馬丘山マー・チウシャンの考えに将来性を感じ、挑戦してみるよう励まします。

長年出稼ぎしていた虎子ふーずの母が帰宅しますが、虎子ふーずは母に懐かず、彼女は悲しみます。夜、台所で涙を拭いていると、虎子ふーずの祖母が慰め、子供は母親と数日一緒にいれば慣れてくると励まします。

謝之遥シエ・ジーヤオ雲苗村ユンミャオむらのデザイナー葉森いえ・せん許紅豆シュー・ホンドウに紹介し、村の風土人情を伝えるプロモーションビデオを製作しようとします。そして、謝之遥シエ・ジーヤオは自分が村につけた名前の由来を説明します。「風の吹く場所へ」という名前には、訪れる人々が人生の幸福を取り戻せるようにという願いが込められています。風とは空気の流れであり、冷気が暖気に流れることで風が生まれ、万物が生気を得るように、幸福、喜び、美しさ、そして再出発の力をこの場所で得てほしいと語ります。

そこで許紅豆シュー・ホンドウは、ECサイトを利用した広範囲な宣伝を提案し、商品に景勝地のチラシを同封することを勧めます。謝之遥シエ・ジーヤオは賛同し、すぐにチラシの増刷を手配します。その日の午後、許紅豆シュー・ホンドウ謝阿奶シエおばあちゃんと庭でおしゃべりし、謝阿奶シエおばあちゃんが普段は賭け事をせず、近所付き合いをしていることを知ります。

謝阿奶シエおばあちゃんは若い頃は貧しく、遊ぶ暇もなかったと語り、さらに夭折した長男の話を始めます。長男は先天性心疾患で、当時の医療では助かる見込みが薄く、高額な治療費が必要でした。謝阿奶シエおばあちゃんと夫は親戚や近所から借金をして治療費を工面し、その後は返済のために働き続け、休む暇もなかったのです。

謝阿奶シエおばあちゃんの話を聞き、悲しみに暮れる様子を見た許紅豆シュー・ホンドウは、慌てて家に駆け戻り、新しく買ったおもちゃを持ってきて、一緒に遊び始めます。謝阿奶シエおばあちゃんはおもちゃに夢中になり、謝之遥シエ・ジーヤオも加わって、楽しい時間を過ごします。

夜、許紅豆シュー・ホンドウは母と姉に電話し、雲苗村ユンミャオむらでボランティアをしていることを話します。姉の許紅米シュー・ホンミーは妹が搾取されていると心配しますが、母は許紅豆シュー・ホンドウの選択を支持し、若い頃に色々な経験をするのは良いことだと励まします。許紅豆シュー・ホンドウは夜食を作り、大麦ダーマイを呼びに行きますが、部屋で泣いている大麦ダーマイの声を耳にします。

第12話の感想

第12話では、雲苗村ユンミャオむらの未来を見拠えた動きと、そこに住む人々の温かい交流が描かれていました。謝之遥シエ・ジーヤオの村への想いと、許紅豆シュー・ホンドウの柔軟な発想が組み合わさり、新たな風が吹き込まれているのを感じます。韶華書屋の誘緻やプロモーションビデオ製作など、具体的な計画が動き出し、村の活性化に向けた希望が見えてきました。

特に印象的だったのは、謝之遥シエ・ジーヤオが村の名前「風の吹く場所へ」に込めた想い。風は空気の流れであり、それが万物を生かすように、訪れる人々にも新たな力を得てほしいという願い。これは、都会の喧騒に疲れた許紅豆シュー・ホンドウが、雲苗村ユンミャオむらで新たな自分を見つけようとしている姿と重なります。

また、謝阿奶シエおばあちゃんの過去が明らかになった場面も心に残りました。貧しいながらも懸命に生き、息子のために全てを捧げた謝阿奶シエおばあちゃんの姿は、今の穏やかな暮らしとの対比で、より一層胸を打ちます。許紅豆シュー・ホンドウがおもちゃで謝阿奶シエおばあちゃんを笑顔にするシーンは、世代を超えた温かい繋がりが感じられ、心が温まりました。

つづく