あらすじ
第15話は、許紅豆と謝之遥の関係の発展、そして謝之遥が亡くなった家族への思いを馳せる様子を中心に描かれています。
謝之遥はコーヒーを淹れることを通して許紅豆に近づき、従業員の間では彼女の素性についての憶測が飛び交います。一方、謝之遥自身は、経済的な苦境や家業を継ぐ責任など、村人たちや家族からのプレッシャーに直面しています。父親が見舞いに来た際には結婚の話題が出ますが、彼は許紅豆との関係はただの友人だとすぐに否定します。
同時に、このエピソードでは、謝之遥が亡き祖父に抱いていた深い愛情と、失った悲しみをより深く掘り下げています。許紅豆も価たような経験を語り、二人はお互いをより深く理解し合うようになります。先祖供養の場面では、謝之遥の家族の複雑な絆が描かれています。
また、馬丘山はお茶作りにおける新たな挑戦で成功を収めます。特に小琴の意見を取り入れて味を調整したことで、皆から好評を得ます。
ネタバレ
紅豆がカフェの経営で疲れているのを見て、之遥は彼女にコーヒーを淹れてあげた。従業員たちは二人の様子を見て、関係を噂し始める。之遥もそれとなく紅豆を「未来の奥さん」と匂わせ、ますます憶測を呼ぶ。
一方、村では虎子の誕生日パーティーが開かれ、近所の人や子供たちが集まって賑やかだった。カフェの和やかな雰囲気と相まって、村全体が楽しい空気に包まれていた。
之遥の父が祖母の見舞いに訪れ、息子の近況を尋ねる。借金問題、民宿の工事中断、建築業者のトラブル…之遥はいつも明るく振る舞っているが、父は息子の苦労を察していた。結婚を勧める父は紅豆のことも口にするが、之遥はすぐに否定する。
夕食時、暁春の手料理が振る舞われ、紅豆は之遥と暁春の料理の味比べを求められる。紅豆は二人それぞれの持ち味を褒め、特に之遥の独創的な料理は飽きないと絶賛する。そして、自分の得意料理のレシピを教え、娜娜たちは興味津々だった。
夜、紅豆は暁春に連れられて之遥の家の庭へ。之遥は明日の祭りの準備をしていた。雲苗村の祭りの風習を尋ねる紅豆に、之遥は花と菓子を供えるシンプルなものだと説明する。そして、亡き祖父との思い出を語り始める。祖父母に育てられた之遥にとって、両親の記憶は薄く、だからこそ家族への想いは特別なものだった。
翌日、之遥は祖母と父と共に祖父の墓参りへ。墓前で祖母は近況を報告し、家族の幸せを祈る。祖母がお酒を供えている間、之遥と父は母の墓前で語り合う。過去の様々な出来事を思い出し、複雑な気持ちになる二人。父は家族のために尽くした妻への申し訳なさを感じ、之遥も静かに母を偲んでいた。
茶室では、丘山が新しいお茶の開発に励み、娜娜に試飲を頼む。名前は斬新だが、味はどれも大差ないと娜娜は言う。そこで丘山は琴に試飲してもらうことに。琴はミルクティーのような甘い味が好みだったため、丘山は蜂蜜と練乳を加えて改良する。琴の仮応は上々で、このアイデアを元にさらに新商品を開発し、欣欣や紅豆たちに試飲してもらい、好評を得る。
それぞれの幸せや目標を探し求める人々。料理やお茶、そして伝統を守ること。この村で、彼らはそれぞれの物語を紡いでいく。夕日が沈み、村は穏やかな空気に包まれる。日々の疲れや悩みも、夜と共に静かに消えていくようだった。
第15話の感想
第15話は、雲苗村の温かい日常と、登場人物それぞれの家族への想いが丁寧に描かれた心温まるエピソードでした。特に印象的だったのは、之遥と父の墓参りシーンです。普段は明るく振る舞う之遥ですが、亡き母と向き合う姿からは、家族への深い愛情と、祖父母に育てられたことへの複雑な感情が垣間見えました。父の懺悔の言葉も重く、親子の静かな会話の中に、長い時間をかけて積み重ねられた様々な想いが凝縮されているように感じました。
紅豆と之遥の関係も少しずつ進展しているようで、従業員たちの噂話や、之遥のそれとない言動が微笑ましいです。しかし、之遥の抱える問題はまだ解決しておらず、今後の展開が気になります。借金問題や民宿の工事中断など、現実的な問題に直面する之遥を、紅豆はどのように支えていくのでしょうか。
つづく