あらすじ
第3話は、許紅豆の大理での生活を中心に描かれています。彼女は民宿で、熱心な胡有魚や内気な大麦など、個性豊かな宿泊客たちと交流し、大理ならではの風土人情に触れていきます。
ある日、窓を閉め忘れて蚊に刺されてしまった許紅豆は、大麦の親切な助けと気遣いを受けます。謝暁春のカフェを探している途中、偶然にも謝阿奶が手作りの工芸品を売っている露店に出会い、その後、謝之遥に洱海の美しい景色を案内してもらいながら、彼が故郷の変化について語る感慨深い話を聞きます。
カフェでは、林娜が作ったヤマドリタケモドキのガレットを味わい、謝暁春の子供たちにもお裾分けします。一方、謝之遥は仕方なくお見合いに参加しますが、許紅豆に対して特別な関心を示している様子が伺えます。
さらに、許紅豆は謝和順の彫刻工房を訪ね、謝暁夏から木製のトンボの土産をもらいます。
ネタバレ
許紅豆は謝之遥と一緒に宿に戻ると、中庭は賑やかだった。胡有魚、馬丘山、林娜たちが談笑していた。有魚は紅豆に熱烈に挨拶するが、少々度が過ぎて紅豆は圧倒され、部屋に逃げ込む。
夜、紅豆は夢を見る。亡き親友の南星と食事をしている夢だ。南星は大理旅行に付き合ってくれない紅豆を責めていた。今は時間があるのに、もう南星はいない。目が覚めると、窓を開けっ放しで寝ていたため、腕には蚊に刺された跡がいくつもあった。
朝食は、宿で出会った内気な大麦の手作りだった。大麦は会話が苦手で、すぐに話題が途切れてしまうが、心優しい女性だった。暇つぶしの本や虫除けスプレーも用意してくれていた。
外に出ると、中庭で打坐する丘山と、宿のオーナーの一人である阿桂嬸に出会う。阿桂嬸はおしゃべりで、雲南から北京、青島まで話題は尽きない。紅豆が止めなければ、日が暮れるまで話していたことだろう。
暁春のカフェを探して散歩に出かけた紅豆は、道端で手作り工芸品を売る謝阿奶に出会う。カフェへは之遥も行くと言うので、一緒に向かう。洱海の景色に感動する紅豆。之遥は子供の頃の思い出を語り、紅豆は穏やかな気持ちになる。之遥は、今は洱海で自由に漁ができなくなったことを嘆き、過ぎ去った日々を懐かしむ。
カフェに著くと、林娜が働いていた。林娜は紅豆のために牛肝菌の薄餅を作ってくれる。美味しそうな匂いにつられて暁春の子供たちがやってきて、紅豆は薄餅を分けてあげる。子供たちの満足そうな顔を見て、紅豆も笑顔になる。その後、暁春は之遥にお見合いをセッティングする。相手は之遥より2、3歳年下の教師だった。しかし、之遥の視線は薄餅を食べる紅豆に釘付けで、お見合いに身が入らない。紅豆が帰ると、之遥は少し寂しそうだった。
一人になった紅豆は、和順の彫刻工房を訪れる。暁夏が作った木彫りに魅せられ、話を聞くと暁春の弟だと知る。帰り際、暁夏は紅豆に木製のトンボをプレゼントする。紅豆は大理での最初の記念品として、それをベッドサイドに置く。
簡単なお見合いの後、之遥は相手と微信を交換して別れる。暁春は之遥に、微信で連絡を取り合うよう促す。暁夏は上海へ行きたいと言い出し、暁春は之遥に説得を頼む。之遥は弟の気持ちも理解していた。地元に仕事があれば、若者は故郷を離れずに済む。之遥自身も、その思いから故郷に戻って起業したのだ。之遥の母は家計を助けるため、大理で刺繍職人になる夢を諦めて出稼ぎに行った。今は、母の友人に刺繍の映像を撮影してもらい、母の思い出に浸る。
夕方、之遥は阿奶の手伝いをしていた。汗臭い之遠が帰ってくると、之遥は眉をひそめて叱る。之遠は学校に行きたがらず、大理で馬の世話をして阿奶と一緒にいたいと言う。之遥は之遠を叱りつけるが、阿奶が止めに入る。謝家は温かい雰囲気に包まれながらも、未来への期待と不安を抱えていた。
第3話の感想
第3話は、紅豆が雲苗村での生活に少しずつ馴染んでいく様子が丁寧に描かれていました。都会の喧騒から離れ、穏やかな時間を過ごす紅豆の姿は、見ているこちらも心が安らぎます。特に、洱海の美しい景色を背景に之遥と語り合うシーンは印象的で、二人の間に流れる静かな空気感が心地よかったです。
一方で、紅豆の夢に登場する南星の存在が、彼女の心の傷を改めて浮き彫りにしています。大理の美しい景色を一緒に楽しむはずだった親友はもういないという現実は、紅豆にとって大きな悲しみであり、その悲しみを乗り越えていく過程が今後の物語の鍵となるのではないでしょうか。
また、個性豊かな村人たちとの交流も、このドラマの魅力の一つです。おしゃべりな阿桂嬸や内気な大麦、そして夢を追う暁夏など、それぞれのキャラクターが生き生きと描かれており、紅豆との出会いが彼らの人生にどのような影響を与えていくのか、今後の展開が楽しみです。
つづく