あらすじ
第十三話は、趙王の宮中における運命と、天盛帝 による太子への試探を中心に展開します。
辛子硯は、大巫師を趙王と対話させ、八年前の巫蠱の事件の真相を明らかにしようと試みます。しかし、趙王は秘密を明かす前に死体で発見されます。現場には太子と、天盛帝 に扮した大巫師だけが残されていました。この一件は、太子が冤罪事件に関与していた可能性を示唆し、天盛帝 を深く悲しませ、失望させます。
一方、鳳知微は学堂で韶寧と口論になりますが、機転を利かせて争いを収め、知恵と正義感を見せつけます。
また、寧弈は趙王の死に疑問を抱き、太子から届けられた茶に何か問題があったのではないかと疑い始めます。楚王府では、寧弈は自身も天盛帝 と同じように度々疲労を感じていることに気づき、何らかの陰謀の存在を予感します。
最後に、鳳知微と顧南衣は、御者の武芸の腕が並外れていることを発見し、物語の謎はさらに深まります。
ネタバレ
辛子硯は天盛帝に召され、幽閉中の趙王の様子を問われます。辛子硯は東宮の不穏な動きに触れ、何やら秘密が隠されていることをそれとなく示唆します。天盛帝は、清溟書院の学生が表向きは太子派だが、実は自分に忠誠を誓っているという噂について言及します。辛子硯はすぐさま自身は噂とは無関係だと弁明し、天盛帝が自ら大巫師に扮して趙王の心の中を探ることを提案します。天盛帝はこの案を採用します。
一方、太子は桐木の人形を手に、次の行動を思案しています。辛子硯は周到な計画を立て、趙王に全ての秘密を暴露させ、寧喬の冤罪を晴らそうとします。寧弈は亡き三兄に盃を捧げ、天盛帝は太子冊封の頃の孤独と喪失感を思い起こします。
夜、顧南衣が鳳知微の寝床を占拠し、鳳知微は床に就きます。彼女は美しい月を眺め、生きていることの素晴らしさを実感します。顧南衣は鳳知微を見つめ、様々な思いを巡らせます。寧弈もまた夜空を見上げ、悲しげな表情を浮かべています。
翌日、趙王はやつれた様子で、独り酒瓶を弄んでいます。辛子硯は偽の大巫師を連れて現れ、辛子硯の誘導で趙王は八年前に起きた出来事を語り始めようとしますが、大巫師が辛子硯に退出を促すと、ようやく真実を語り始めます。庭で待機していた辛子硯は天盛帝に呼び戻されますが、戻ってみると趙王は既に死亡しており、大巫師の正体は太子だったのです。実はこれは全て、天盛帝が太子を試すための策略でした。
宮殿に戻った太子は趙王の告発を認めつつも、自身を守るために一部の事実を捏造します。天盛帝は太子の行いに失望しますが、八年前の巫蠱事件と今回の桐木の人形事件の黒幕が太子である可能性に気づきます。趙王の死により、寧喬の冤罪を晴らすには太子か常海が口を開くしかありません。
天盛帝は寧弈、燕王、太子にそれぞれ宦官を下賜し、三人はこれを受け入れます。寧弈と燕王は趙王の死に不審を抱き、太子に問いただそうとしますが、太子に激しく叱責されます。寧弈が倒れたところを、趙王と太子に支えられます。
清溟書院では、授業中に韶寧が四皇子から贈られた馬を殺したいと発言し、鳳知微は思わず笑ってしまいます。その後、鳳知微が先生に指名され、独自の解釈を述べたことで先生の怒りを鎮めます。授業後、韶寧に追いかけられる鳳知微は、韶寧にぶつかった馬夫が殴られているのを目撃し、止めに入ります。鳳知微は韶寧に謝罪するように説得し、周囲の人々を驚かせます。
楚王府では、寧弈は度々疲労を感じ、読書中に眠ってしまうこともあります。呉給使は天盛帝にも同様の症状が出ていることを伝えます。目覚めた寧弈は太子から贈られた茶に疑念を抱き、辛子硯に調べさせることにします。
鳳知微と顧南衣は馬夫たちが実は武術の達人であることに気づき、密かに監視を始めます。韶寧が二人を覗き見ているところを顧南衣に見つかり、気まずい言い訳をした後、韶寧は鳳知微たちのことを告げ口しようとしますが、またしても鳳知微にうまく言い負かされてしまいます。
第13話の感想
第13話は、息詰まる展開で、宮廷内の権力闘争の残酷さと複雑さを改めて見せつけられました。辛子硯の周到な計画も、天盛帝の深謀遠慮の前には脆くも崩れ去り、趙王の死という衝撃的な結末を迎えます。趙王の死は、寧喬の冤罪を晴らす道をさらに閉ざし、物語に重苦しい影を落としました。
特に印象的だったのは、天盛帝の冷徹なまでの計算高さです。太子を試すために趙王を犠牲にするという非情な決断は、帝王としての孤独と重圧を物語っているようでした。太子もまた、保身のために真実を歪め、父である天盛帝を深く失望させます。二人の間の溝は、もはや修復不可能なほどに深まっているように感じました。
一方、清溟書院での鳳知微の活躍は、重苦しい宮廷内の出来事とは対照的に、爽やかな印象を与えます。韶寧とのやり取りに見られる彼女の機転と正義感は、見ていて清々しく、物語に一筋の光をもたらしています。顧南衣との関係も少しずつ変化を見せており、今後の展開が楽しみです。
つづく