あらすじ
第十五話は、寧弈と鳳知微の複雑な愛憎劇、そして血浮屠を巡る政争を描いています。辛子硯の計画を無視し、寧弈は鳳知微を救出することを決意、彼女の安全な帰還を手配します。鳳知微を救うため、若い御者は自らを犠牲にし、深い友情を示しました。蘭香院で常海に捕まりそうになった鳳知微は、珠茵の助けによって難を逃れますが、珠茵は命を落としてしまいます。息子の死を鳳知微のせいにした老御者は、後に真相を知り彼女を許し、鳳知微ではなく息子の亡骸を火葬しました。再会を果たした寧弈と鳳知微は、共に亡き友を悼み、寧弈は鳳知微への信頼と自らの計画を明かします。一方、太子は血浮屠を利用して寧弈の暗殺を企てますが失敗に終わり、宮廷内の権力闘争はさらに激化します。
ネタバレ
辛子硯は寧弈に鳳知微を見捨てるよう進言するも、寧弈はもはや知微をただの駒とは見ておらず、真に彼女を守りたいと考えていた。太子は血浮屠を閩海へ送り、魏知を始末するよう指示する。しかし、寧弈は辛子硯の策に従わず、清溟へ知微を捕らえるよう命じる。一方、寧澄は盗み聞きをしていた呉英を見つけ、咎めることなく天盛帝への報告を彼自身の判断に委ねる。
その頃、小馬夫は父が知微と顧南衣を始末しようとしていることを知り、二人を救う決意をする。気絶した顧南衣を隠した後、知微に馬を連れてくるよう促し、自分は父を食い止める。小馬夫は自らの命を惜しむつもりはなかったが、知微に逃げる機会を与えたかった。しかし、老馬夫が現れ知微を襲う。小馬夫は彼女を庇い命を落とす。最期に扉を閉め、知微の逃亡を確実なものとした。
魏知の逃亡を知った太子は、血浮屠に仮逆の意誌があるとみなし、常海に追跡を命じる。寧弈も即座に行動を起こし、蘭香院へ人を送り危機に備える。蘭香院では、知微と珠茵が部屋に隠れていた。常海が捜索に来た際、珠茵は気を失ったふりをして知微を櫃に隠す。常海の追及にも沈黙を守り通し、最期まで知微を守り抜いた。
その後、知微は小馬夫の遺体の前で悲しみに暮れる。老馬夫は息子を殺したのは知微だと誤解し、復讐しようとする。しかし、「秋明纓」と「宗晨」の名を聞き、態度を一変させ、知微を解放する。寧弈は珠茵の葬儀を手配し、常海への責任追及を誓う。清溟書院へ駆けつけると、そこには知微の簪だけが残されており、彼女は死んだと思われた。しかし、知微は生きていた。寧弈の王府に姿を現し、二人は涙の再会を果たし、互いの苦しみと自責を語り合う。
物語は進展し、寧弈の真の目的は知微を陥れることではなく、寧喬の無念を晴らすための真相究明であったことが明らかになる。太子は青溟書院の人材選抜を利用し、自らの地位を盤石なものにしようと企んでいた。東宮では、寧弈暗殺を仕掛け、太子が血浮屠の残党を匿っていることを暴く計画が進められていた。
翌日、青溟書院で天盛帝は擢英巻を用いて無双国士を選抜し、物語は新たな局面を迎える。緊張感あふれる展開、複雑に絡み合う人間関係、そして権力闘争は激しさを増し、今後の展開への期待が高まる。
第15話の感想
第15話は、息もつかせぬ展開で、涙なしには見られない感動的なエピソードでした。特に小馬夫の自己犠牲には胸を打たれました。知微を逃がすため、父に立ち向かう勇気、そして最期まで知微を守り抜く姿は、まさに真の愛と言えるでしょう。知微を想う気持ちの深さに、ただ涙するばかりでした。
また、珠茵の忠義にも心を揺さぶられました。常海の追及にも屈せず、沈黙を守り通し、知微を命懸けで守る姿は、深い友情を感じさせます。知微にとって、小馬夫と珠茵を失った悲しみは計り知れないでしょう。
そして、ついに実現した寧弈と知微の再会。互いを想いながらもすれ違い、苦しみ続けてきた二人。涙の再会は、これまでの辛い出来事を全て洗い流すような、感動的なシーンでした。しかし、二人の前途にはまだ多くの困難が待ち受けていることでしょう。
つづく