あらすじ
第二十二話は、韶寧公主が鳳知微と寧弈に抱く複雑な感情のもつれを中心に展開します。廃太子の死によって悲嘆に暮れる韶寧は、寧弈を詰問し辱め、鳳知微の命を盾に決闘を申し込むほどでした。鳳知微は韶寧に過去の出来事を乗り越えるよう慰め、復讐を思い留まらせようとしますが、韶寧の決意は変わりません。
その後、韶寧は鳳知微を火薬が仕掛けられた部屋に閉じ込め、火薬に点火することで寧弈への復讐を果たそうと企みます。危機一髪、寧弈が駆けつけ鳳知微を救出し、二人は共に窮地を脱します。
話の最後は、寧斉が朝廷に戻り、長年会っていなかった母と再会する場面が描かれます。そして、鳳知微の助けを得て、馬市を羊市に改革する提案をし、天盛帝 の承認を得ます。
ネタバレ
韶寧公主は鳳知微に、なぜ自分を避けているのかと詰め寄ります。知微は男女の別を理由にしますが、韶寧は承明殿での寧弈の行動を問い詰めます。寧弈は廃太子の大罪を理由に釈明しますが、韶寧は知微に一緒に酒を飲むようせがみます。寧弈は知微の身を案じ、韶寧を宮殿へ送り返させます。しかし、韶寧は寧弈を「恥知らず」呼ばわりし、滟妃の事件を持ち出し侮辱したため、寧弈は韶寧に平手打ちを食らわせます。知微は侍女に韶寧を介抱させます。
その後、韶寧は再び知微を訪ね、廃太子への想いと怒りをぶつけます。唯一の肉親を失い、事件の日の惨状が忘れられないと嘆く韶寧に、知微は心を痛め、前を向くように諭します。しかし、寧弈は韶寧から果たし状を受け取ります。知微の命を賭けた勝負を挑んできた韶寧に対し、寧弈は取り合いません。韶寧が知微に危害を加えるはずがないと確信していたからです。
韶寧は知微に、廃太子との思い出を涙ながらに語り、知微の同情を買います。そして、寧弈への挑戦と殺意を明かします。知微は事態を重く見て、燕懐石に酒を用意させると同時に、寧弈に来るなと伝言します。寧澄が寧弈を訪ねると、呉英は寧弈が既に外出していると告げますが、これは偽装でした。韶寧を説得できなかった知微は、寧弈を殺すのを手伝うと申し出ます。そして韶寧をある部屋に案内し、仮対側に隠れるように指示しますが、韶寧は突然部下に知微を捕らえるよう命じます。同時に、寧澄は屋敷に侵入したところを黒衣人に襲われ、顧南衣も危険な状況に陥ります。
夜更け、寧弈は屋敷に到著し、寧澄の簪を発見します。燕王は陰から韶寧に協力しようと企んでいます。寧弈は屋根裏部屋で縛られた知微を見つけ、急いで蝋燭に火を灯して駆け上がります。知微は部屋に火薬があると警告し、寧弈は縄を解き、外套で知微を覆います。火薬に気づいた寧弈はそれを窓の外に投げ捨てます。韶寧が現れ火をつけようとしますが、寧澄の声に驚いて逃げ出します。薄暗い屋根裏部屋で、寧弈は知微を抱きしめ、優しくキスをします。
河辺で男装した韶寧は、知微に寧弈が廃太子を陥れたと非難し、知微に失望したと告げます。復讐を諦めないと言い、寧弈は永遠の敵だと宣言します。韶寧の理不尽な復讐心に、知微は言葉を失います。顧南衣は知微に草を差し出し、気分が良くなると言います。寧弈と寧澄は崖の上から知微を見つめ、悲しみに暮れます。知微と顧南衣が戯れる様子を見ながら、寧弈は彼女が官吏として笑顔でいられることを願います。
翌日、朝廷で秋尚奇は馬市が国境問題の解決に貢献したと報告しますが、寧斉は民への負担を指摘します。天盛帝はこれに不満を示し、秋尚奇を罰しようとします。この時、知微は馬市を閉鎖することが解決策ではないと進言し、羊毛香囊計画と中原の女性と大悦国の男性の婚姻を提案します。さらに、馬市を羊市に変えることで両国の交流と発展を促進する案も提示し、天盛帝の承認を得ます。
第22話 感想
第22話は、愛憎渦巻く展開に息を呑むエピソードでした。韶寧公主の悲痛と復讐心、知微の苦悩、そして寧弈の秘めた愛が複雑に絡み合い、物語は緊迫のクライマックスへと突き進みます。
廃太子を失った韶寧の悲しみは深く、その怒りの矛先は寧弈へと向けられます。かつての天真爛漫な公主の姿はどこへやら、復讐に目がくらんだ彼女の行動は、見る者をハラハラさせます。知微を巻き込み、危険な賭けに出る韶寧。その心中を思うと、同情を禁じ得ません。
つづく