あらすじ
第二十四話は、鳳知微と寧弈の交流、そして鳳知微が直面する官界での試練を中心に展開します。
寧弈は鳳知微から提供された矢の図面を元に、暗殺事件の背後に潜む複雑な陰謀を分析し、自ら御史台への就任を願い出ます。これは常氏の勢力を倒すための一手ですが、同時に皇位継承権を失うことも意味していました。
一方、鳳知微は秋明纓から官職を辞するよう迫られますが、運命を変えるこの機会を決して諦めないと断固として主張します。
また、天盛帝 の妃嬪たち、特に常貴妃と王氏に対する態度の変化も描かれています。
さらに、燕懐石は顧南衣に女装させ、秋家からの新たな挑戦に備えます。そして燕王は、彭 尚書を使って陳紹を見つけ出し、寧弈を牽製しようと密かに企みます。
ネタバレ
寧弈は鳳知微の傷を見て、すぐに手当てをするよう促した。顧南衣は知微を屏風の後ろへ連れて行き、丁寧に傷の手当てをした。寧弈は矢の図面を詳しく調べ、犯人は五軍の人間ではないと確信する。二人は天盛の朝廷について語り合い、その清廉さには疑問を抱く。知微は有能で高潔な人材が朝廷に出仕できない現状を憂いていた。
翌日、寧弈は自ら御史台への就任を天盛帝に願い出て、許可を得る。そして、知微に詔書の起草を命じた。一方、秋明纓は知微の屋敷を訪ねるが、侍衛に阻まれる。燕懐石は知微が不在だと伝え、明瓔に伝言を頼む。懐石の引き留めにも、明瓔は魏知ではなく鳳知微に会いに来たのだと冷たく言い放つ。その後、明瓔は宗夫子の元を訪れ、知微の官吏就任は復国の大業に役立つかもしれないと夫子は語る。しかし、明瓔は天盛帝に知微の正体が露見することを恐れていた。
知微は窓辺に座り、深い憂愁に沈んでいた。顧南衣は傍らで胡桃を剝いてくれるが、懐石も南衣も彼女の憂いの理由が分からない。突然、知微は母に会いたいと呟く。翌日、知微は南衣と共に実家へ戻る。そこで、南衣には家がないことを知る。鳳皓は知微の部屋で鞠を蹴り、彼女に無礼な態度をとる。その後、知微は明瓔と会い、様々な不満をぶつけられる。知微は涙を浮かべながら、官職は運命を変える唯一の機会だと訴える。明瓔は辞職を迫り、二人は対立する。最後は明瓔が怒って部屋へ入ってしまい、知微は外で跪拝し、南衣と共に去る。人との接触を避ける南衣も、知微の悲しみに心を痛め、肩を貸す。そして、自分が涙を流していることに気づく。
寧弈は御史台に就任するとすぐ、彭 尚書に圧力をかける。しかし、彭 尚書は燕王を後ろ盾に抵抗する。寧弈は寧澄に検死報告の書写を命じる。一方、天盛帝は常貴妃を久しく召していなかった。常貴妃は自ら天盛帝を訪ね、常家の潔白を証明するため、閔国公が常海を家係から除名したと伝える。そして、自ら廃宮への移住を申し出る。天盛帝は後悔し、常貴妃に怒りをぶつけたことを悔やむ。それを聞いた常貴妃は持参した羹を差し出し、喜びを露わにする。
辛子硯は怒りながら寧弈の屋敷を訪れ、なぜ相談もなく御史台に就任したのかと責める。寧弈は常氏を倒すためだと説明する。辛子硯は陳紹一人だけで常氏を倒せるのか、また御史台就任は皇位継承争いから身を引くことになると更に怒りを募らせる。寧弈は怒る子硯を気にせず、知微が描いた図を見せ、協力を求める。子硯は怒りのまま立ち去ろうとする。かつて寧喬に寧弈を皇太子にする約束をしたが、今、寧弈は独断で皇位争いから離れたのだ。怒りを抑えきれない子硯は、矢は大悦国境の小さな部族のものだとだけ告げて去っていく。寧弈は既に答えを知っており、大悦国境を指差す…。
物語は進み、寧弈は寧斉を呼び出す。西市での殺人事件について聞かれると、寧斉は王氏から受け取った、陳紹を排除せよと書かれた紙を渡す。寧斉は常氏と共謀するつもりはなく、王氏を守るために仕方なかったと主張し、陳紹を見つけ出し、天盛帝に罪を償いたいと願う。一方、燕懐石はさりげなく顧南衣に女装を著せる。生地が薄ければ、男女の別は気にしないようだ。あとは秋家が知微を迎えに来るのを待つのみ。
第24話の感想
第24話は、鳳知微の苦悩と葛藤、そして周囲の人間関係が複雑に絡み合い、物語の深みを増す重要なエピソードでした。特に印象的だったのは、鳳知微の官吏就任をめぐる葛藤です。復国という大義と、天盛帝に仕えるという現実の間で揺れ動く彼女の心情は、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。秋明纓との対立も、互いを思いやるが故のすれ違いであり、二人の絆の深さを改めて感じさせました。
寧弈の御史台就任は、物語に新たな展開をもたらしました。常氏との対立が激化し、今後の権力闘争の行方がますます予測不可能になります。辛子硯との衝突も、寧弈の覚悟の強さを示す一方で、今後の関係に不安も感じさせます。
顧南衣の知微への献身的な姿も、この話の大きな見どころです。言葉少なでありながらも、知微の悲しみに寄り添い、涙を流すシーンは、彼の深い愛情を感じさせ、感動的でした。燕懐石の知微への配慮も、さりげなく描かれており、彼の優しさが伝わってきました。
つづく