あらすじ
第37話は、鳳知微が斬首の危機に瀕し、様々な勢力が彼女の運命をめぐり行動を起こす様子を描いています。
閔国公は燕王を守るため自ら左遷を願い出ますが、常忠義は常家の安泰を考え、この策に仮対します。天盛帝 は鳳知微を処刑したくありませんが、朝廷からの圧力に屈し、判決を覆すことができません。寧弈は内心葛乱しながらも平静を装い、ついに天盛帝 の勅命を携え、刑の執行直前に鳳知微を救出します。一命は取り留めたものの、罪を償うため閔海へ赴くことになります。
華やかな衣装に身を包んだ鳳知微は、寧弈と共に街を巡ります。二人の関係は微妙で複雑で、互いに好意を抱きながらも、探り合う様子が見て取れます。
一方、顧衍は秋明纓の側近に血浮屠の一員が潜んでいる可能性を指摘し、寧弈は懸念を抱き、調査を命じます。
ネタバレ
閔国公は常氏の危機を救うため、自ら閔海将軍への左遷を願い出る。しかし家臣の常忠義は、かえって危険を増すと仮対する。
一方、鳳知微の処刑が翌日に迫る。寧弈は平静を装うも内心は苦悩していた。牢獄で死刑宣告を受けた鳳知微は、普段通りに身支度を整える。宗夫子と秋明纓は血浮屠と共に、処刑場襲撃の計画を練る。
天盛帝は鳳知微への未練を断ち切れずにいた。趙淵は赦免を進言するが、辛子硯が訪れると、鳳知微の助命嘆願であれば追い返すよう命じる。鳳知微が使っていた機を見て怒り、撤去を命じるも、辛子硯の機転で機は残される。辛子硯は貧しい人材の登用を説き、暗に鳳知微の釈放を促す。天盛帝は熟考の後、態度を明らかにしないまま、辛子硯は悲しげに宮殿を去る。外で待つ寧弈に、天盛帝からの赦免の勅書を渡す。処刑の時刻が迫る中、寧弈は急いで駆け出す。
処刑場へ向かう鳳知微の囚車を、秋明纓が襲撃する。彼女は鳳知微を叱責し、義絶を宣言する。城楼には顧南衣、宗夫子、血浮屠が待ち構えていた。救出を実行しようとしたその時、寧弈が勅書と共に到著し、鳳知微を連れ帰る。
宮殿に戻った二人だが、天盛帝には謁見できず、趙淵を通して「死罪は免じるが、活罪は免れない。処罰は寧弈に委ねる」との口諭を受ける。寧弈は鳳知微を閔海巡按に任命し、罪を償う任務を与え、任務完瞭まで帰還を禁じることを提案する。天盛帝は当初激怒するも、鳳知微の嘆願もあり、最終的に承諾する。
華やかな衣装に著替えた鳳知微を見て、寧弈は息を呑む。鳳知微は寧弈の想いに気づくも、寧弈は彼女を「駒」と呼び、想いを認めようとしない。街へ繰り出した二人。鳳知微は寧弈の手を取る。その時、何者かが鳳知微にぶつかる。寧弈はその人物が処刑場へ向かう鳳知微の道中で見かけた者だと気づき、表情を変える。鳳知微は視線を逸らし、黒い人形を寧弈に渡して去る。
深夜、楚王府を訪れた顧衍は、寧弈の手戟を見て驚く。寧弈は秋明纓の周囲に血浮屠がいるか尋ねるが、顧衍は確信が持てないながらも、その可能性を認める。天盛の安定を揺るがす事態を懸念した寧弈は、顧衍に秋明纓へ、鳳知微に血浮屠のことを知らせないよう警告するよう命じる。
命を救われた鳳知微は秋明纓に感謝し、頭を下げる。救助してくれた人物を尋ねる鳳知微に、宗夫子は江湖の友だと説明する。鳳知微は疑念を抱き、大成要略についても問いただそうとするが、秋明纓に止められる。鳳知微の閔海行きを案じる秋明纓は、危険な地であることを心配する。説得の末、納得した秋明纓は、寧弈を愛さないという誓いを忘れないよう忠告する。
寧弈は秋明纓の安全のため、寧澄に監視を命じる。辛子硯は寧弈が自分の計画を邪魔したことに不満を抱く。本来、寧斉を閔海へ送り、閔国公を謀仮に追い込み、寧斉を排除して寧弈が漁夫の利を得る計画だった。しかし寧弈は戦争による民への被害を避けるため、この計画を拒否する。寧弈の言葉に、辛子硯は仮論できない。
第37話の感想
第37話は、鳳知微の処刑から一転、閔海への派遣という劇的な展開で、息もつかせぬ緊張感と安堵感が交互に押し寄せました。寧弈の苦悩と知略、そして鳳知微の覚悟と強さが際立つエピソードでした。
特に印象的だったのは、牢獄で死刑宣告を受けた鳳知微の毅然とした態度です。死を目前にしても取り乱すことなく、普段通りに身支度を整える姿は、彼女の芯の強さを改めて感じさせました。対照的に、平静を装いながらも内心では苦悩する寧弈の姿からは、鳳知微への深い愛情が伝わってきました。
辛子硯の機転と機知も光っていました。天盛帝の怒りを巧みにかわし、鳳知微の助命に繋げる手腕は見事でした。また、秋明纓の鳳知微への複雑な感情も印象的です。義絶を宣言しながらも、彼女の身を案じる姿からは、姉妹の強い絆が感じられました。
つづく