あらすじ

第四十一話は、血浮屠けつふとうの令牌を巡る複雑な事件と登場人物たちの関係を描いています。

彭典獄長ほうてんごくちょうは、鳳皓フォン・ハオが所持する血浮屠けつふとうの令牌を使って寧弈ニン・イーを陥れようとしますが、失敗に終わり、逆に令牌は辛子硯シン・ズーイエンの手に渡ります。辛子硯シン・ズーイエンは調査を進める中で、秋明纓チウ・ミンイン鳳知微フォン・ジーウェイ鳳皓フォン・ハオの間の秘密を知り、秋明纓チウ・ミンインを放免することにします。同時に、順平門の外で鳳皓フォン・ハオを迎え入れるよう手配します。

しかし、計画は思わぬ方向へ進みます。鳳皓フォン・ハオ二花にかを守るために刑部に捕らえられ、辛子硯シン・ズーイエンは危険を冒して宮中へ入り、皇帝に直訴せざるを得なくなります。

一方、鳳知微フォン・ジーウェイ燕州エンシュウの大軍が寧弈ニン・イーの援軍に間に合わないことを心配し、顧南衣グー・ナンイーに欽差の魚符を持たせて知らせに向かわせます。

ネタバレ

彭典獄長ほうてんごくちょうは、寧斉ニン・チーが所持する血浮屠けつふとうの令牌は鳳皓フォン・ハオのものであり、寧弈ニン・イーを陥れるために利用しようとしていると辛子硯シン・ズーイエンに訴えた。彭典獄長ほうてんごくちょうは悪事に加担したくないと語り、辛子硯シン・ズーイエンは令牌を預かり、対応を検討することにした。

辛子硯シン・ズーイエン秋明纓チウ・ミンインを呼び出し、鳳皓フォン・ハオの身体にあるアザを確認したと告げ、鳳知微フォン・ジーウェイ寧弈ニン・イーに近づけたのは彼女の指示ではないかと疑った。秋明纓チウ・ミンインは、鳳知微フォン・ジーウェイ鳳皓フォン・ハオは何の事情も知らず、自分も復国の意思はないと主張した。しかし、辛子硯シン・ズーイエン長孫皓チャン・スンハオの庚帖と血浮屠けつふとうの令牌を秋明纓チウ・ミンインがまだ持っていることから、彼女の言葉を信じなかった。秋明纓チウ・ミンインは悲しげに、それらはただの思い出だと弁明し、辛子硯シン・ズーイエンにひざまずいて、自分が死んだら庚帖を破棄し、鳳皓フォン・ハオのアザを消して、二人に平穏な暮らしを送らせてほしいと懇願した。辛子硯シン・ズーイエンは心を動かされ、秋明纓チウ・ミンインを解放し、寧弈ニン・イーを傷つけてはいけないと釘を刺した。そして今夜、順平門の外で鳳皓フォン・ハオを待つように指示した。

彭典獄長ほうてんごくちょう辛子硯シン・ズーイエンの言葉を寧斉ニン・チーに伝え、寧斉ニン・チー辛子硯シン・ズーイエン鳳皓フォン・ハオの居場所を知っていると確信し、彼を監視するように命じた。

辛子硯シン・ズーイエンは最近の出来事を考え込み、夜を明かすところだった。大花だいかは心配そうに寄り添った。一方、順平門の外では、秋明纓チウ・ミンイン宗夫子そうふうし鳳皓フォン・ハオを待っていたが、彼は現れなかった。鳳皓フォン・ハオが来られないことを悟った秋明纓チウ・ミンインは、宗夫子そうふうしから閔海へ行き鳳知微フォン・ジーウェイを頼るように勧められたが、拒否した。20年間の逃亡生活に疲れ果て、これ以上逃げ続けることはできないと感じていた。秋明纓チウ・ミンイン鳳知微フォン・ジーウェイに自分の正体を知られずに、平穏に生きてほしいと願った。18年前、顧衡グー・ホンは大成の遺児を守るため、自分の生まれたばかりの子と取り替えたのだ。鳳知微フォン・ジーウェイは、秋明纓チウ・ミンインにとって実の娘となっていた。

二花にか鳳皓フォン・ハオを連れて逃げていたが、刑部に包囲され、鳳皓フォン・ハオ二花にかを守るために捕まってしまった。辛子硯シン・ズーイエンは仕方なく、夜中に宮殿へ行き皇帝に謁見した。大花だいかは動揺し、いつ戻るのか尋ねた。辛子硯シン・ズーイエンは安心するように言ったが、二人ともこれが今生の別れになるかもしれないことを覚悟していた。

顧南衣グー・ナンイー常忠信ジョウ・チュウシン燕州エンシュウ常氏じょうし旧部へ送った手紙を発見した。鳳知微フォン・ジーウェイ燕州エンシュウの援軍が夏陽の寧弈ニン・イーに間に合わないことを心配し、顧南衣グー・ナンイーに欽差の魚符を持たせて急行させた。

第41話の感想

第41話は、辛子硯シン・ズーイエンの苦悩と秋明纓チウ・ミンインの母性が際立つ、非常に切ないエピソードでした。辛子硯シン・ズーイエン寧弈ニン・イーを守るために、血浮屠けつふとうの令牌を巡る策略に巻き込まれ、苦渋の決断を迫られます。彭典獄長ほうてんごくちょうの訴え、寧斉ニン・チーの陰謀、そして秋明纓チウ・ミンインの懇願。様々な思惑が交錯する中で、彼は己の正義と友情の間で揺れ動きます。夜を徹して考え込む彼の姿からは、その重圧と責任の大きさがひしひしと伝わってきました。

一方、秋明纓チウ・ミンインは、長年隠してきた秘密を抱えながら、鳳知微フォン・ジーウェイ鳳皓フォン・ハオの安全を最優先に考え行動します。20年間の逃亡生活、そして実の娘との再会を果たせない運命。彼女の言葉の一つ一つに、深い悲しみと愛情が込められており、涙を誘います。特に、鳳皓フォン・ハオが捕まったと知った時の彼女の表情は、視聴者の心に深く刻まれることでしょう。母として、娘を守りたい一心で行動する彼女の姿は、この物語の大きな感動の一つと言えるでしょう。

つづく