あらすじ
第四十六話は、金獅国における寧弈の複雑な立ち回りを取り上げています。
まず彼は、晩餐会での琴の音色を巧みに利用し、晉思羽の正体を暴き、窮地に追い込みました。続いて、金獅国の二大名家の一つ、司家の調査に乗り出し、幽閉されていた当主の司憲と何らかの密約を交わします。寧弈自身は毒に侵されるも、司憲の脱出には成功しました。
一方、鳳知微は劉梅朵が赫連錚に好意を抱いていることに気づき、赫連錚にその好意を利用して先王の死因を探るよう助言します。
天盛国内では、寧斉と趙淵が協力して香盒の秘密を解き明かそうと画策する中、寧弈は金獅国の大軍の虎符を手に入れ、各勢力の緊張関係はさらに高まります。
そして、劉梅朵は赫連烈と手を組み、寧弈の排除を企てます。
ネタバレ
晩餐会で、寧弈は晉思羽と郭俊の微妙な関係に気付く。場を盛り上げるため、晉思羽に琴を弾くよう促すが、郭俊は不快感を露わにし、晉思羽も武将として琴を弾くのは不適切だと拒否する。寧弈は晉思羽の本当の身分を暴露し、彼女を窮地に陥れる。
一方、天盛では、顧衍が彭典獄長と寧斉の繋がりを皇帝に報告。皇帝は顧衍に調査を命じる。辛子硯は趙淵に側近に危険人物がいる可能性を警告。趙淵は宦官たちに疑念を抱く。辛子硯は皇帝に寧弈落馬事件の真相究明と、姚揚宇率いる五千の親衛隊による寧弈の警護を要請し、許可を得る。さらに、寧昇を釈放することで寧斉を牽製する策も提案する。
金獅国では、寧弈は赫連烈の勢力削減を訪問の目的だと説明し、晉思羽に赫連烈との同盟を拒否するよう説得する。しかし、密かに赫連烈の使者を処刑していた寧弈に晉思羽は不満を抱くも、最終的には同盟に同意する。
天盛に戻った皇帝は、金獅国の内乱に乗じて漁夫の利を得ようと、寧斉に国境警備の強化を命じる。しかし、皇帝が常に持ち歩いている香盒について寧斉が尋ねたところ、皇帝の怒りを買ってしまい、寧斉は困惑し趙淵に相談するが、明確な答えは得られない。
金獅国では、赫連錚が帰還すると、赫連烈と劉牡丹が幼い赫連図を王位に就け、劉牡丹が太后、赫連烈が摂政になろうとしていることを知る。赫連錚は真の遺詔を提示し、厲世によってその真偽が確認されると、朝廷は混乱に陥る。多くの臣下が赫連錚への忠誠を誓う中、赫連烈は不満を抱くが、劉牡丹に説得され、赫連錚に先王の死因究明のためのひと月を与えることにする。期限内に真相を解明できなければ謀仮の罪で処罰すると宣告する。
寧弈は金獅国に到著後、司家と劉家という二大勢力の調査を開始。司憲が幽閉され、その息子司隠淪が劉梅朵への侮辱未遂で処罰されたことを知る。寧弈は占壁から入手した贈り物を使って司隠淪と面会。司隠淪は精神的に不安定ながらも寧弈に協力することを約束する。しかし、司隠淪の度重なる質問に寧弈は苛立ち、脅迫めいた言動をとる。司隠淪は寧弈の力を借りて父を救出したいと考えており、寧弈は司憲との面会中に毒を盛られるが、解毒剤によって一命を取り留める。
鳳知微は劉牡丹を待つ間、劉梅朵と出会い、彼女が赫連錚に想いを寄せていることに気付く。鳳知微は劉牡丹を試探するが、冷淡な態度を取られる。鳳知微は赫連錚に劉梅朵との関係を尋ねるが、赫連錚は否定し、鳳知微の提案を受け入れ、情報収集のため劉梅朵に近づくことにする。
第46話の感想
第46話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。金獅国、天盛、そしてその間で揺れ動く登場人物たちの駆け引きに息を呑みました。
特に印象的だったのは、寧弈の冷酷さと計算高さです。同盟を説得しながら密かに使者を処刑するなど、目的のためには手段を選ばない彼の姿は、冷徹ながらもどこか魅力的に映りました。一方で、司隠淪との面会で見せた苛立ちや焦燥感は、彼の抱える重圧や葛藤を垣間見せるようで、人間味を感じさせました。
鳳知微の鋭い洞察力も光っていました。劉梅朵の赫連錚への想いに気づくなど、彼女の観察眼は物語の重要な鍵を握っているように思われます。今後の展開で、彼女がどのように立ち回っていくのかが楽しみです。
つづく