あらすじ
第五十二話は、寧弈と雅楽の運命を中心に展開し、宮廷内の権力闘争と複雑に絡み合う人間模様を描き出しています。
天盛帝 は我が子を失った悲しみに暮れ、寧弈の安全を守るため姚相に新たな遺詔を託しますが、寧斉はこれに強い警戒心を抱きます。雅楽を守るため宗夫子が命を落とすという悲劇が起こり、寧弈は雅楽を救うために政界への復帰を考え始めます。しかし、混沌とした朝廷に嫌気がさし、遠くへ去ろうと決意します。
一方、鳳知微は危険を顧みず天盛に戻り、寧弈を助けようとしますが、顧南衣に誤解され阻まれてしまいます。そしてついに、雅楽は長孫弘に毒を盛られ行方不明となり、寧弈は雅楽を救おうとする中で母を失います。また、王氏の死は寧斉への復讐を企む辛子硯の仕業でした。
ネタバレ
承明殿を前に、天盛帝は亡き皇子たち、寧川、寧昇、寧研、そして韶寧公主を偲んでいた。姚相に新たな遺詔を託し、寧弈の安寧が保証されなければ寧斉の廃立を命じた。それを承知する寧斉は、寧弈と寧斉に温情を誓う。
夜、寧斉から贈り物を受け取った寧弈と雅楽。しかし、宗夫子と血浮屠が箱の中から現れ、雅楽を連れ去ってしまう。逃げる一行を守るため、宗夫子は寧澄と戦い、腹部を刺されてしまう。駆けつけた顧南衣と長孫弘に「鳳知微を守れ」と告げ、息絶えた。魏王府で、再び母を失った寧弈は慟哭する。金獅に戻った顧南衣は、鳳知微に宗夫子の死と長孫弘の存在を伝える。悲しみに暮れる鳳知微は天盛へ戻る決意をする。赫連錚は落胆し、彼女に離縁状を渡す。二人の縁は切れた。
寧弈と寧斉の衝突を知った辛子硯は、天盛帝に事の顛末を話す。それを盗み聞きした月泠。天盛帝は寧斉に疑念を抱き始め、辛子硯はその火に油を注ぐ。雅楽奪還のため朝堂復帰を促すが、寧弈は母の命を危険に晒したくないと拒否し、宮廷から距離を置く。
毎月、王氏に解毒薬を届ける月泠は、天盛帝の疑念を寧斉に伝え、遺詔の確認を勧める。雅楽を救うため、寧弈は王氏を連れ去る。一方、顧南衣は天盛へ戻る鳳知微を止める。長孫弘から、寧弈が大成関係者を排除しようとしていると聞いたためだ。しかし、鳳知微はそれを信じず、帝京へ。
雅楽の失踪に激怒する寧斉は、長孫弘に捜索を命じる。寧弈は、宗夫子の死に関わると思われる密書を受け取り、寧澄に雅楽との交換を指示する。金獅の鳳知微の様子を探らせる。実はその密書は、師の仇を討つための顧南衣の偽書であり、雅楽を害する意図はない。雅楽は、大成は皆の執念が生んだ幻だと語る。
趙淵は寧弈への助力を天盛帝に願い出るが、拒否される。月泠は、寧弈を呼び戻し寧斉との関係を探るよう進言する。顧南衣は雅楽を連れて寧弈と対面し、寧澄の命を要求する。説得は失敗し、寧澄と顧南衣が衝突。寧弈は巻き込まれて倒れる。その隙に、雅楽の馬車は崖から転落。顧南衣が必死に縄を掴むも、雅楽は馬車と共に穀底へ。寧弈は再び母を失った。
寧弈の側にいる鳳知微。帝京へ戻った理由、そして母の死との関わりを問い詰める寧弈。鳳知微は、かつて秋明纓が人質になった時の寧弈と同じ行動だと答える。顧南衣の処罰を求める寧弈。鳳知微はそれを懇願する。受け入れられない寧弈に、鳳知微は言葉なく雅楽が握りしめていた霊符を渡す。宮中では、雅楽の髪飾りを手に悲しみにくれる天盛帝。月泠が天盛帝に寄り添う。雅楽に価た月泠を抱きしめる天盛帝。
雅楽が寧弈に残したのは、日落族の神女の使命を象徴する霊符だった。生前、自分の心を見極めるようにと告げていた。王氏の死を吳英が報告する。翌朝、天盛帝は月泠を一品夫人に封じ、昭慶殿を与えた。王氏を殺したのは辛子硯だった。寧斉の秘密を聞き出そうとしたが、否定された。子供と二花を失った辛子硯は寧斉を恨んでいたが、王氏から寧斉を助けるよう頼まれていた。復讐心から、辛子硯は王氏を殺害したのだった。宮廷の残酷さと無情さが露わになった。
第52話の感想
第52話は、息もつかせぬ展開で、涙なしには見られない回でした。特に雅楽の死はあまりにも突然で、視聴者としても大きな衝撃を受けました。やっと再会できた母をまたしても失ってしまう寧弈の悲しみは計り知れません。母を想う気持ち、そして母の死の真相を知りたいという強い思いが、今後の彼の行動に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
鳳知微の行動もまた、物語を大きく動かしました。顧南衣の警告を無視して帝京へ戻った彼女の決断は、結果的に雅楽の死を招いてしまったと言えるかもしれません。愛する人のためとはいえ、軽率な行動だったのではないでしょうか。寧弈との関係も、この出来事をきっかけにさらに複雑なものになっていくと思われます。
つづく