あらすじ
第六話は、秋明纓、鳳知微、そして寧弈をめぐる葛藤を中心に展開します。太子は十年前の秘密を隠蔽するため、秋明纓に罪を着せ、様々な手段で脅威を取り除こうとします。子供たちを連れ逃亡した秋明纓は、街中で官兵に包囲されてしまいますが、危機一髪のところで寧弈が現れ救出します。しかし、寧弈自身は傷を負ってしまいます。鳳知微は寧弈に対して、感謝と誤解に基づく非難という複雑な感情を抱きます。寧弈は鳳知微に好意を抱いていますが、身分や過去の出来事のために躊躇しています。辛子硯は、秋明纓が顧衡の未亡人であり、鳳知微がその遺児であることを突き止め、より大きな秘密を明らかにします。事の真相に疑問を抱いた鳳知微は、秋府へ戻り真相を探ろうとしますが、途中で捕まりそうになり、寧澄の密かな助けによって難を逃れます。そして最終的に、鳳知微は自ら金羽衛に助けを求めますが、正体不明の勢力に連れ去られてしまい、物語は更なる謎に包まれます。
ネタバレ
10年前の秘密を知る者は太子、顧衍、寧弈の三人だけ。太子は寧弈が事件の調査を口実に18年前の出来事を掘り起こすのを恐れ、顧衍を脅して口止めを図る。大成残党の問題を解決するため、太子は顧衍の亡き兄の妻であり、鳳知微の母である秋明纓に罪を著せることを決意する。蘭香園では、この陰謀を知った秋尚奇が激怒し、鳳知微の命が今夜持たないと予言する。
秋明纓は鳳知微と鳳皓を連れ、逃亡を図る。街中で官兵に包囲され、母娘は抵抗するも鳳皓は幼いため何もできない。鳳皓を守るため、二人は武器を捨てるが、捕らえられようとした瞬間、謎の黒装束の人物が現れ、三人を救う。一方、寧弈は秋明纓が落とした手紙を拾い、彼女を庇って一太刀を受ける。結果、秋明纓と鳳皓は捕らえられ、負傷した寧弈は助けに向かおうとする鳳知微を止める。
馬車の中で、鳳知微は寧弈の傷の手当てをしながら、母の罪で追われていると思い自責の念に泣き崩れる。寧弈は秋明纓と鳳皓を必ず助けると約束する。楚王府では、皇帝の急な呼び出しを受けた寧弈を趙淵が待っていた。寧弈は蘭香園で血浮屠の残党に襲われ、怪我をしたと説明する。鳳知微は周囲の人がいなくなると、寧弈の部屋にそっと入り、甲斐甲斐しく看病する。二人の距離は縮まるが、過去の誓いから彼女は踏み込めない。
翌日、鳳知微の問いかけに対し、寧弈は沈黙を守る。太子が放った刺客の襲撃、そして血浮屠の襲撃、様々な出来事に彼は頭を悩ませていた。趙王は東宮を訪れ、女を殺した褒美を求める。太子は平静を装うが、内心は激怒し、事態の収拾のため秋明纓を一時的に拘束する。
鳳知微は再び寧弈を問い詰め、ついに彼から好意を告げられ、衝撃を受ける。そして、事件の真相を深く考えるうちに、自分たちの運命は既に決められていたことに気付き、絶望する。寧弈は秋明纓と鳳皓の救出を決意する。辛子硯は二人の会話を偶然耳にし、鳳知微か鳳皓のどちらかが大成の遺児であるという秘密を明かす。しかし、寧弈は半信半疑で、無実の人間を傷つけることを避けるため、辛子硯の手紙を使って太子を告発するという提案を拒否する。
鳳知微は置き手紙を残し姿を消す。寧弈はすぐに捜索を命じ、秋府へ向かう。鳳知微はこっそり秋府に戻り、秋尚奇が一家は寺に祈願に行ったと偽っていることを知る。徐夫人は家族の失踪に嘆き悲しみ、秋尚奇は嘘で家族を慰める。秋玉は寧弈の姿を見ると、感情が抑えきれず彼に縋り付くが、秋尚奇に厳しく叱責される。一方、鳳知微は一人で荷物を背負い放浪の旅に出る。寧澄は混乱に乗じて彼女を連れ出そうとするが、秋尚奇の手下に追跡される。騒ぎの中、一台の馬車が突然現れ、追っ手を阻む。夜になり、鳳知微は自ら金羽衛に接触し、偽の官兵に秋府の一家が捕らえられたことを告発する。そして、家路を一人で歩いていると、何者かに尾行されていることに気付き、逃げようとするが、殴られて気を失ってしまう。
第6話の感想
第6話は、鳳知微と寧弈の関係性が大きく変化する重要な回でした。これまで互いに惹かれながらも、過去の誓いや立場によって距離を置いていた二人ですが、鳳知微の家族が窮地に陥ったことで、その関係に変化が生じます。寧弈が鳳知微への想いを告白するシーンは、切なくも美しく、二人の未来への希望を感じさせました。しかし、その直後に明らかになる鳳知微の出生の秘密は、二人の関係に大きな影を落とします。希望と絶望が入り混じる、まさにジェットコースターのような展開に、息を呑まずにはいられませんでした。
特に印象的だったのは、鳳知微の母、秋明纓の強さです。子供たちを守るため、自らの命を懸けて戦う姿は、母としての愛の深さを改めて感じさせました。また、寧弈が秋明纓を庇って負傷するシーンも、彼の正義感と優しさが表れており、胸を打たれました。
一方で、太子の冷酷さと狡猾さも際立っていました。自らの保身のためには、罪のない人々をも利用する姿は、まさに悪役そのもの。今後の展開で、彼がどのような結末を迎えるのか、非常に気になるところです。
つづく