あらすじ
第9話は、寧弈と鳳知微の運命の転換、そして宮廷内の権力闘争を中心に展開します。珠茵は、寧弈と自分の人生が巫蠱の案によって大きく変わってしまったことを嘆き、彼女の寧弈に対する評価は鳳知微の心に波紋を広げます。物語では、太子が蘭香院を封鎖し辛子硯を捕らえようとする中、鳳知微は機転を利かせて辛子硯の逃脱を助け、その知恵を披露します。朝廷では、血浮屠の事件解明の遅延を理由に、寧弈は天盛帝 の命により長跪の罰を受けます。同時に、太子は葛鴻英を辺境に派遣することで趙王の勢力を削ごうと企みます。寧弈への恩義に報いるため、鳳知微は魏知と名乗り蘭香院で雑役として働き始め、趙王に近づく機会を伺います。彼女は趙王の力を借りて、自らの目的を達成しようと画策します。最後に、一羽の鸚鵡をきっかけとした一連の出来事は、物語に面白みを加えるだけでなく、登場人物たちの複雑な関係性と潜在的な権力争いを浮き彫りにします。
ネタバレ
珠茵は、かつての千金小姐から身を落とした自分の境遇と、皇子から罪人となった寧弈の境遇を重ね合わせ、感慨深く鳳知微に語りかけます。二人とも大切な人を失い、深い悲しみを背負っていることを明かし、特に寧弈は他の皇子とは違い、信頼に値する人物だと強調します。鳳知微に寧弈への想いを自覚させようとする珠茵でしたが、鳳知微はそれを避け、珠茵は困惑します。
一方、太子は蘭香院を封鎖し、辛子硯と寧弈を驚かせます。寧弈は機転を利かせ、寧澄に大花へ「辛子硯が蘭香院にいる」という偽の情報を流すよう指示します。変装した太子も蘭香院へ向かいます。大花が騒ぎを起こしに蘭香院へ乗り込むと、辛子硯は鳳知微に助けを求め、楚王の信物を交換条件として差し出します。鳳知微は辛子硯を箱に隠して大花の捜索から守り、辛子硯は後日、その信物で鳳知微に一つ頼みを聞いてくれることを約束します。鳳知微の提案で窓から逃げようとした辛子硯は、刺客と間違えられ捕まりそうになりますが、太子の登場により難を逃れます。
その後、太子は常海を信用しておらず、燕王に太子位を奪われることを恐れて、辛子硯に巫蠱の案をでっち上げるよう命じます。鳳知微は私塾の夫子に別れを告げに行き、夫子は彼女の決断を理解し、天盛帝が寧弈を釈放したのは太子と常海を牽製するためだと見抜き、半年以内に太子か寧弈のどちらかが失脚すると予言します。
朝議で、天盛帝は血浮屠の件の進捗を尋ねますが、寧弈は上の空で、答えに精彩を欠きます。天盛帝はこれに不満を示し、寧弈を承明殿の外で跪かせます。太子はすかさず、趙王の謀士である葛鴻英を辺境へ派遣するよう進言します。退朝後、太子は趙王を罠に嵌めるため、蘭香院で皇子たちを招いた宴を開くよう仕向けます。鳳知微は蘭香院に戻り、魏知と名乗り、寧弈への恩返しとして働くことを申し出ます。珠茵は鳳知微がトラブルに巻き込まれることを心配し、大広間での仕事は避けるよう忠告します。
炎天下の承明殿の外で長時間跪く寧弈は、幼少期を思い出します。太子に言い寄られる珠茵は、拒絶しながらも迎合する態度を見せ、鳳知微は不快感を覚えます。そこに鸚鵡が飛び込んできて趙王の肩に止まり、「太子殿下に拝謁いたします」と喋り出し、場内は騒然となります。鳳知微はこの混乱に乗じて趙王に近づき、自分の目的達成のために利用しようとします。
鳳知微は、酔って蘭香院に来た弟の鳳皓と遭遇します。酔いが覚めた鳳皓は姉の境遇を嘆きますが、鳳知微は恩返しのためだと説明します。その後、天盛帝は寧弈への怒りを解き、帰府を許します。太子は寧弈に扳指を贈りますが、趙淵はそれが仏教の聖物であることに驚き、寧弈はその扳指を過去の恩義に感謝して趙淵に譲ります。
第9話の感想
第9話は、鳳知微と寧弈の関係がより複雑に描かれると同時に、宮廷内の権力争いが激化していく様子が手に取るように伝わってくる、非常に緊張感のあるエピソードでした。
珠茵の言葉は、鳳知微の心に変化をもたらすのでしょうか。寧弈への想いを自覚させようとする珠茵の切ない願いとは裏腹に、鳳知微はそれを避ける態度を見せます。彼女の真意はどこにあるのか、今後の展開が気になります。
また、辛子硯と太子の駆け引きも緊迫感がありました。蘭香院を舞台にしたスリリングな展開は、息を呑むほど。辛子硯の機転と、鳳知微の冷静な判断力によって危機を脱するシーンは、二人の絆の深さを感じさせます。
つづく