あらすじ

第十一話では、陸貞りくていが青鏡殿で巻き込まれた一連の出来事とその後の展開が描かれています。まず、陸貞りくていの叔母が貴妃きひの命で宮女たちを集め、黄金と酒を振舞います。しかし、酒を飲んだ後、宮女たちは体調を崩し始めます。異変に気付いた陸貞りくてい丹娘たんじょうを救いますが、二人は部屋に閉じ込められ、火事に遭ってしまいます。長広王ちょうこうおう高湛こうたん は危険を顧みず陸貞りくていを救い出し、自らも負傷しますが、その行動は皇帝の心を打ちます。

一方、皇太后たいこう柳絮りゅうじょが太妃を陥れた陰謀、そして蕭貴妃きひ高湛こうたん を気遣う様子が皇太後の displeasure を買っていることが明らかになります。陸貞りくていは土の中から周太妃しゅうたいひが残した証拠を見つけ、真相を知ると長広王ちょうこうおうに渡します。そして調査を進める中で、銅製の籠が実は古代の祭祀で使われた銅樽であることを突き止めます。

さらに、陸貞りくていは偶然にも自分の家が二番目の妹を李守備の息子に嫁がせようとしていることを知ります。また、陸貞りくていの容姿は捕手の目にまり、手配書に記されている人物に似ていると気付かれます。

ネタバレ

陸貞りくていの叔母が貴妃きひの勅命で青鏡殿の女官たちを偏殿に集めた。高湛こうたん元禄げんろくに、回復に向かっていた太妃の急死を訝しみ、青鏡殿の女官たちの配置と、仕事が楽な部署を調べるよう命じる。丹娘たんじょうのことも気にかけている様子だ。

女官たちに金と酒が振る舞われたが、飲んだ途端、腹痛を訴え始める。陸貞りくてい丹娘たんじょうが酒を飲もうとした瞬間、杯を叩き落とした。直後、火事が発生し、二人は閉じ込められてしまう。知らせを聞いた高湛こうたん は現場へ急行、丹娘たんじょうは脱出に成功するが、陸貞りくていを助けようとした高湛こうたん は梁の下敷きになる。

駆けつけた皇帝に、高湛こうたん は中に皇帝がいると思い助けに入ったと説明する。皇帝は感動するも、高湛こうたん は重傷で意識を失う。蕭貴妃きひが見舞いに訪れるが、太后たいこうに咎められる。

王尚儀おうしょうぎは、偽の公主の侍女を調査中だと公主に報告。柳絮りゅうじょは死の間際に、太妃殺害は太后たいこうの指示だったと自白したが、皇帝は真相を隠蔽するため、すぐに彼女を処刑したという。

太后たいこう青薔せいしょうに、皇帝が青鏡殿へ行った理由を問いただす。青薔せいしょうは酒の件は完璧に処理したと答える。意識を取り戻した高湛こうたん に、皇帝は命懸けで助けた陸貞りくていの正体を尋ねる。高湛こうたん陸貞りくてい本人にも秘密にするよう懇願し、皇帝からの下賜も、玉翘ぎょくぎょうの二の舞になることを恐れて断る。

目覚めた陸貞りくていは、梁が落ちる時、誰かが庇ってくれたことに気づくが、丹娘たんじょうは皇帝の遣いだと嘘をつく。元禄げんろくは下手な嘘だと丹娘たんじょうを責める。

陸貞りくていは桂花の根元から周太妃しゅうたいひの密書を発見、復讐を頼まれる。太妃が使っていた銅製の火鉢が数百年前のものだと気づき、司衣司へ行くが相手にされない。帰り道、丹娘たんじょうが誤って沈碧しんへきにぶつかり、罵倒されるが、陸貞りくていが一等女官だと分かると平謝りする。

陸貞りくていは銅の火鉢を内府局へ持ち込み、朱尔庭しゅじちょうはそれが周武王の祭祀用具だと鑑定、陸貞りくていを褒め、また来るように勧める。陸貞りくていは太妃の法事のため、特別に外出許可を得る。

沈碧しんへきは父に会い、皇帝の寵愛を得られなければ無駄金だと釘を刺される。寺で法事を営んでいた陸貞りくていは、姉が李守備の息子に嫁ぐことを知る。通りかかった捕吏は、陸貞りくていが手配書の人物に価ていることに気づく。

第11話の感想

第11話は、陸貞りくてい高湛こうたん の関係が大きく進展する一方、宮廷内の陰謀がさらに複雑に絡み合う、緊迫感あふれる展開でした。高湛こうたん が命がけで陸貞りくていを救うシーンは、彼の深い愛情が伝わり、胸を打たれました。しかし、皇帝への忠誠心と陸貞りくていを守るため、自分の気持ちを押し殺す高湛こうたん の姿には切なさが募ります。二人の想いが通じ合う日はいつになるのか、今後の展開がますます気になります。

また、火事の真相や、周太妃しゅうたいひの死の真相など、謎が深まるばかりです。太后たいこうの暗躍、蕭貴妃きひの焦燥、そして陸貞りくていの出自の秘密など、様々な伏線が散りばめられており、目が離せません。特に、陸貞りくていが偶然発見した周太妃しゅうたいひの密書と銅の火鉢は、物語の重要な鍵となりそうです。陸貞りくてい周太妃しゅうたいひの復讐をどのように果たしていくのか、今後の展開に期待が高まります。

つづく